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脳梗塞

アテローム血栓性脳梗塞の予後改善法

この記事を読んでわかること

アテローム血栓性脳梗塞の再発率がわかる。
アテローム血栓性脳梗塞の予後を改善する方法がわかる。
アテローム血栓性脳梗塞に対して安全にリハビリを行う方法がわかる。


アテローム血栓性脳梗塞の予後を改善するためには、生活習慣の改善や適切な服薬管理などによる再発予防に努めることが重要です。
また、無理にリハビリを行うと転倒などによってさらに予後が悪化する恐れもあるため、安全に配慮して行う必要があります。
この記事では、アテローム血栓性脳梗塞の予後を改善するためにすべきことを解説します。

アテローム血栓性脳梗塞の予後に影響する要因

アテローム血栓性脳梗塞とは、脳の血管にアテロームと呼ばれるコブ状の病変が形成される病気です。
そこに血栓(血管内にできる血液の塊)が生じることで血管が閉塞します。
比較的太い脳の血管にアテロームが形成されやすく、その太い血管が閉塞するため、アテローム血栓性脳梗塞では比較的広範囲に脳梗塞が生じます。
また、国内の大規模研究である久山町研究では、アテローム血栓性脳梗塞の再発率(累積)は1年で14.8%、10年で46.9%と高率であり、予後改善には再発を予防することが重要です。

下記のような要因はアテローム血栓性脳梗塞の予後を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 喫煙
  • 肥満

アテローム血栓性脳梗塞の主な病態は脳血管の動脈硬化であり、高血圧や糖尿病、脂質異常症は動脈硬化を進行させます。

また、肥満を伴う場合は再発リスクにも注意が必要です。

これらの要因を複合的に認める場合、アテローム血栓性脳梗塞の再発率や予後を悪化させます。

また喫煙もリスクであり、タバコに含まれる有害物質によって動脈硬化が進行するため、注意が必要です。

アテローム血栓性脳梗塞の予後を改善するためには

タバコを吸う男性
アテローム血栓性脳梗塞の予後を改善するためには、下記の2点が非常に重要です。

  • 発症後できるだけ早期に治療を受ける
  • 生活習慣の改善と服薬管理を徹底する

脳梗塞を発症して脳が虚血(血流が不足した状態)に陥ると、時間の経過とともに脳組織の損傷が進行するため、早期治療が重要です。
そのため、急性期のできるだけ早期に治療を受けることが予後改善にとって重要です。
また、再発によって新たな神経障害が生じる可能性があるため、再発予防が重要です。
再発予防のためにも生活習慣の改善と服薬管理(飲み忘れ防止など)を徹底しましょう。
生活習慣の改善としては、減塩(1日6g未満)、適正体重の維持、禁煙、節酒(純アルコール量で女性11g/日、男性40g/日以上)、転倒リスクに配慮した定期的な運動などが効果的です。
また、過去のさまざまな研究で、脳梗塞発症患者の服薬アドヒアランス(患者が治療方針を理解・納得し、主体的に治療へ取り組むこと)は時間の経過とともに低下することが知られています。
再発率・予後を悪化させる可能性があるため、医師の指示に従って服薬を継続しましょう。

アテローム血栓性脳梗塞のリハビリを安全に行う方法

アテローム血栓性脳梗塞の予後を改善するためには、上記の2点に加えて、早期から継続的にリハビリを実施することも重要です。
脳梗塞で麻痺やしびれなどの後遺症が残ると、転倒への不安や恐怖心でリハビリに前向きになれない方も少なくありません。
リハビリによって壊死(細胞や組織が死滅すること)した脳細胞がリハビリで元に戻すことはできません。一方、継続的なリハビリによって破壊された神経ネットワークの再編成などを通じて、残存する運動機能の改善が期待されます。
一方で、麻痺などの後遺症がある中で安全かつ効果的なリハビリを行うためには、医師・作業療法士・理学療法士などの指示・指導のもと、下記のようにリハビリを行うことが重要です。

  • マットや段差のない平坦な床で行う
  • スリッパなどではなく踵のある靴を履く
  • 転倒予防のために必要に応じて手すりなどを使用し、専門職の指導のもとで安全を確保する
  • 歩行能力に応じた介助・見守りを受ける
  • 関節痛がある場合は、医療専門職に相談して運動強度や内容を見直す
  • 室温や水分摂取に配慮し、脱水を予防する

まとめ

この記事では、アテローム血栓性脳梗塞の予後を改善するためにすべきことや安全なリハビリ方法について解説しました。
予後を改善するには生活習慣の改善や継続的なリハビリが重要であり、再発予防の方法や安全なリハビリの注意点を理解しておくことが重要です。
医師やリハビリ専門職と相談しながら、再発予防と機能回復に取り組みましょう。

ニューロテック

さらに近年では、神経障害が「治る」を当たり前にする取り組みとして注目されている「ニューロテック®」という考え方があります。
これは、脳卒中や脊髄損傷に対して「狙った脳・脊髄の治る力を高める」再生医療「リニューロ®」を軸とするアプローチで、骨髄由来間葉系幹細胞や神経再生リハビリ®を組み合わせた治療法です。
アテローム血栓性脳梗塞による神経障害に対しても、今後このような先進的な治療法が希望となる可能性があります。
回復への選択肢を広げるためにも、医療機関と連携しながら一人ひとりに合った支援を継続することが大切です。

よくあるご質問

アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞の違いは?
アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞はどちらも動脈硬化が原因で生じる脳梗塞の病型の一つです。
ラクナ梗塞は脳深部の細い動脈が閉塞する病気であり、太い血管が閉塞するアテローム血栓性脳梗塞と比べて脳の梗塞範囲や症状が軽度である点が違いです。
アテローム血栓性脳梗塞の後遺症は?
アテローム血栓性脳梗塞は比較的広範囲で障害されやすい病気です。
そのため、半身麻痺やしびれ、失語症などの言語障害、注意力の低下、記憶障害など多彩な症状が後遺症として残る可能性があります。

<参照元>
(1)Hata J, Tanizaki Y, Kiyohara Y, Kato I, Kubo M, Tanaka K, Okubo K, Nakamura H, Oishi Y, Ibayashi S, Iida M : Ten-year recurrence after first ever stroke in a Japanese community : the Hisayama study. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2005;76:368~372.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15716529/
(2)脳卒中再発予防の内科的管理の要点|J-STAGE
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/113/3/113_411/_pdf
(3)脳梗塞の再発をどう防ぐか? ―医療連携を強化する―|J-STAGE
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jse/34/2/34_175/_pdf
(4)リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン*1|J-STAGE
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/44/7/44_7_384/_pdf/-char/ja
(5)健康に配慮した飲酒に関するガイドライン|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001223643.pdf

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この記事の監修

監修医師 貴宝院永稔医師

貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)

脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医

リニューロの治療概念図
リニューロ®最大の特長は、幹細胞点滴投与中に集中的かつ反復的に狙った神経回路に適した刺激を与えることです。
身体の治る力を高める再生医療で土台を作り、狙った神経回路に同時刺激を与えることで、神経回路の再構築・強化を目指していきます。

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