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脊髄損傷患者の集まりとは

           

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この記事を読んでわかること

脊髄損傷後の支援団体について
脊髄損傷後に利用できる入所施設


一度脊髄を損傷してしまうと、麻痺やしびれなどの健康上の負担以外に、その後の社会活動や経済的負担、在宅での日常生活などに対する精神的不安が強く出現し、心配事を挙げればキリがありません。
そんな時、脊髄損傷患者にはお互いをサポートし合えるような集まりがいくつか存在します。
そこで今回は、脊髄損傷患者の集まりに関して詳しく解説していきます。

脊髄損傷後の支援団体について

支援団体とは
一度脊髄を損傷してしまうと、急性期には命を守るための呼吸や循環の維持を中心に治療しますが、その後急性期を脱したあとは、後遺症とどのように付き合っていくか考えていかなければなりません。
そんな脊髄損傷患者は、受傷後多くの不安や懸念点を感じることになります。
麻痺やしびれなどの後遺症により、歩行や移動はもちろんのこと、移乗や体位変換すらできなくなってしまい日常生活を独立して送ることすら難しくなる可能性があります。
また排尿や排便などの排泄のコントロールもつかなくなり、介護や看護が必要になるかもしれません。
仮にそういった後遺症が軽度でも、受傷前と同じ様に働けなければ経済的損失を被る可能性も高いです。
多くの脊髄損傷患者はこういった不安を強く感じながら自宅での日常生活に戻されていく上に、せっかく看護してくれる家族に対しても、同じ境遇ではないため強く当たってしまうことも少なくありません。
以上のことからもわかる通り、こういった脊髄損傷患者の気持ちは同じ境遇である脊髄損傷患者の方々にしか理解できないため、お互いの心理的サポートを行うために脊髄損傷患者が集まって相互に支え合う団体が実際に複数存在します。
受傷直後は精神的ショックや現状への怒り、否認など負の感情を抱くことが多いですが、こういったサポートや適切なケアによって孤独感は薄れ、障害を受容し、新しい生き方に希望を見出せる様になる方も少なくありません。
具体的には、「NPO法人日本頸髄損傷LifeNet」「公益社団法人全国脊髄損傷者連合会」「全国頚髄損傷者連絡会」「一般社団法人 交通事故被害者家族ネットワーク」などが挙げられ、脊髄損傷患者本人、もしくはその家族や介護者が参加対象になります。
では、具体的にどういった活動を行なっているのでしょうか?

公益社団法人全国脊髄損傷者連合会

公益社団法人全国脊髄損傷者連合会 は、活動の一環として脊髄損傷患者を対象に、「ピアサポート」と呼ばれるサービスを提供しています。
すでに自ら明日を切り開いてきた貴重な経験の持ち主である先輩の脊髄損傷患者が、直接同じ障害を持った仲間の病院や施設、家庭を訪問し、不安や悩みを一緒に解決して社会復帰の手助けをします。

全国頚髄損傷者連絡会

全国頚髄損傷者連絡会 では、脊髄損傷患者が会場に集まって抱えている悩みや課題を話し合って解決する「To be yourself」というイベントを実施しています。
誰でも気軽に参加できる様に会員、非会員を問わず情報提供を行なっていて、過去のイベントでは介護リフト、電動車イス、一人暮らしについてディスカッションが為されてきました。

一般社団法人・交通事故被害者家族ネットワーク

一般社団法人・交通事故被害者家族ネットワーク では、主に交通外傷によって障害を負ってしまった被害者の方々がそれぞれの思いを語ったり、介護に尽力する家族の悩みを話したりする場を提供しています。

脊髄損傷後に利用できる入所施設

脊髄損傷後における医療や身体面での管理の必要度は、その患者の障害の程度によっても異なります。
就労状況も含めて、急性期以降の適切な生活の場を決定していくことになりますが、当然その後の生活を適切に送るためには利用可能な施設やサービスなどの社会資源を積極的に活用していく必要があります。
ある程度自立している方で短期入所が可能な方であればショートステイの活用が有用で、一時的に介護を受けながら家で生活ができない場合などに、短期間の施設入所で夜間も含めた日常生活の介護を受けることが可能です。
逆に長期入所が可能な施設としては、障害者支援施設などが挙げられ、日中の活動の場と住まいの場の両方の障害福祉サービスを提供しています。
また共同生活が可能であれば、より一般住宅に近い形のグループホームという選択肢もあります。
一方で、医療や常時介護が必要な場合は医療機関である療養介護施設に入所するべきです。
また入所施設以外にも脊髄損傷患者が使える福祉サービスは、物的支援や経済的支援、交通などの移動手段における支援など様々あり、積極的に利用していくべきです。

まとめ

脊髄損傷患者においては、受傷に医学的被害のみならず、その後の障害との戦いは非常に孤独であり、精神的な負担は多大なるものがあります。
しかし残念ながらこういった感情を周囲が完全に理解することは難しく、だからこそ受傷患者間でお互いを支え合う様なコミュニティーが複数形成されています。
ブログで紹介した様な団体は、脊髄損傷患者が前向きに社会で生活していくための支援や手助けを行なっており、実際に孤独に悩まれている方にとっては是非利用を検討していただきたいサービスも展開しています。
またこういったサービスとは別に、近年では医療分野の発達も目覚ましいです。
特に、自身の骨髄から採取した幹細胞を増幅させて、体内に戻すことで損傷した神経細胞を再生させる再生医療は、脊髄損傷の後遺症を軽減させる可能性があり、今非常に注目されており、その知見が待たれるところです。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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