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脳梗塞の治療薬プラビックスについて

           

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この記事を読んでわかること

てんかんとけいれん発作について
脳梗塞後のてんかんの特徴
予防策と予後


プラビックスは抗血小板薬の一つで、脳梗塞だけでなく心筋梗塞や狭心症、末梢動脈疾患にも使用される薬剤です。
血小板表面にある受容体の働きを抑えることで血小板の活性化、血栓の形成を防ぎます。
脂質異常症や糖尿など再発リスクが高い方に有効であるというデータがあります。
脳梗塞に使用されるお薬には血圧や糖尿の薬など、さまざまなものがあります。
その中で中心的な役割を果たすのが、血をサラサラにする薬です。
今回は血をサラサラにして脳梗塞の再発を予防する、プラビックスについて解説します。

脳梗塞に使われる薬の分類

抗凝固薬

プラビックスは抗血小板薬の1つ

プラビックスとはフランスのサノフィ社で創薬されたもので、一般名をクロピドグレルといいます。
2006年に国内で承認され現在では特許期間が終了しているため、ジェネリック医薬品として「クロピドグレル錠25,50,75mg(製薬会社名)」と処方されることが多くなっています。
血をサラサラにするお薬には、大きく分けて抗血小板薬と抗凝固薬があります。
抗血小板薬は血小板の働きを抑え、抗凝固薬は凝固因子という成分の働きを抑えることで血をサラサラにします。
プラビックスは血小板の働きを抑えることで血をサラサラにして脳梗塞の再発を予防する薬です。
また、プラビックスは心筋梗塞や狭心症、末梢動脈疾患(足先の血流が悪くなってしまうなど)に対しても使用することができる薬剤です。
脳梗塞だけでなく、多数の動脈硬化病変がある場合に選択されやすいお薬です。

プラビックスはこうして血小板の働きを抑える

血小板は出血した時に傷口へ集まり、多数の血小板が凝集することで止血する役割があります。
血小板の表面には様々な物質を受け取る「受容体」があり、血小板が活性化するサインとなっています。
血小板同士はお互いに活性化する物質をやり取りし、一箇所に集まることで血栓を作ってしまうのです。
プラビックスは血小板の表面にある「受容体」に、血小板が活性化する物質の代わりにくっついてしまうことで、血小板が活性化するサインを受け取ることができなくなるため働きを抑える効果があります。
一度受容体にくっつくと離れることはないため、その血小板の機能は低下したままになります。
そのためプラビックスの効果は薬をやめても血小板の寿命である10日間程度は持続します。
手術や内視鏡検査の際などには注意が必要です。

どんな時にプラビックスが使用される?

脳梗塞のタイプ、危険因子と薬剤選択

脳梗塞には主に動脈硬化が原因となるアテローム血栓性脳梗塞ラクナ梗塞と心臓の不整脈が原因となる心原性脳塞栓症があります。
動脈では血小板が血栓を形成する主な原因となり、不整脈では凝固因子が主な原因となるため、アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞には抗血小板薬が主に使用され、心原性脳塞栓症では抗凝固薬が主に使用されます。
抗血小板薬の代表的な薬剤はアスピリンです。
従来から使用されているお薬で確実な効果があり、安価であるため現在も広く使用されています。
ただし約2万人の脳梗塞、心筋梗塞、末梢動脈疾患の方を対象としたアスピリンとプラビックスの比較試験では、プラビックスの方がよりリスクを抑えるという結果が出ています。
特に脂質異常症や糖尿病、心臓のバイパス術後の方などで死亡率を低下させたという結果であったため、それらのリスクを抱える方ではクロピドグレルが推奨されるという意見もあります。
それなら全員クロピドグレルを使用すればいいのではと思うかもしれませんが、アスピリンには長年の実績があり数多くのエビデンスがあります。
上記の結果のみからクロピドグレルの方が優れていると断言できるわけではないため、アスピリンとの使い分けには専門医による判断が必要となります。

プラビックスはいつまで飲めばいい?

脳梗塞を一度発症すると、再発のリスクを抱えることになります。
動脈硬化が原因となった脳梗塞を発症した方の、ボロボロになってしまった血管が自然に元に戻ることはないからです。
そのためプラビックスを飲む期間に終わりはなく、飲み続けるということになります。
薬を飲むことのデメリットがメリットを上回ってしまう場合には中止を検討することもありますが、脳梗塞の再発は非常に重篤な症状となることが多いためそのようなケースは少なく、内服継続が必要です。
副作用の不安などから自らの判断で中止してしまうと脳梗塞再発のリスクがぐんと高まってしまうため、しっかりと治療を継続することが重要です。

まとめ

脳梗塞の治療薬であるプラビックスについて解説しました。
ご覧になった方の中には、すでに処方を受けている方もいらっしゃるかもしれません。
薬剤の使用方法や用量は常にケースバイケースです。
自己判断は危険であり、治療の自己中断は脳梗塞再発のリスクを高めてしまいます。
当ブログなどから薬剤に関する基礎知識を学んでいただき、その上で主治医の先生とよく相談しながら治療を進めていただければと思います。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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