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頚椎疾患におけるブロック注射の有効性と適応症

           

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この記事を読んでわかること

星状神経節ブロックの効果と適応疾患がわかる。
頚部神経根ブロックの施術方法と効果がわかる。
ブロック注射後の経過と注意事項がわかる。


頚椎疾患による痛みやしびれは、日常生活に大きな支障をもたらすことがあります。
特に、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアでは、強い痛みが生じることも少なくありません。
こうした症状の緩和を目的に行われるのがブロック注射です。
今回は星状神経節ブロックと頚部神経根ブロックの適応疾患や施術方法、施術後の注意点について詳しく解説します。

星状神経節ブロックの効果と適応疾患

星状神経節ブロックの効果と適応疾患
星状神経節ブロック(SGB: Stellate Ganglion Block)は、頚部にある星状神経節に局所麻酔薬を注射することで、交感神経の活動を抑え、痛みの軽減や血流改善を図る治療法です。
交感神経の異常な興奮が続くと、血管が収縮し、痛みやしびれが悪化することがありますが、このブロックによって神経の過剰な興奮を抑制し、痛みの伝達を抑えることが可能になります。
星状神経節は、自律神経系の一部であり、頚部・顔面・上肢の血流や神経活動の調整を担っています。
この部位に麻酔薬を作用させることで、交感神経の過剰な働きを鎮め、局所の血流を改善しながら神経痛や慢性疼痛の緩和を図ります。
また、交感神経が関与するさまざまな疾患の症状を和らげることが期待できます。

星状神経節ブロックは、以下のような疾患の治療に広く用いられています。

頚椎症による神経痛

加齢や姿勢の影響で頚椎が変形し、神経が刺激されることで生じる痛みやしびれを緩和します。

頚椎椎間板ヘルニア

椎間板が突出し、神経を圧迫することで発生する痛みを軽減します。

複合性局所疼痛症候群(CRPS)

外傷や手術後に長期間持続する強い痛みを管理するために使用されます。

レイノー病・バージャー病

血流障害によって手指が異常に冷えたり、痛みを伴う場合に血流改善を促します。
顔面神経麻痺・三叉神経痛:交感神経の過剰な活動を抑え、顔面や頚部の痛みや麻痺を和らげる効果が期待されます。
星状神経節ブロックは、薬物療法では十分にコントロールできない神経痛に対して特に有効とされ、1回の施術で数日から数週間の痛みの軽減が得られることがあります。
繰り返し施術を行うことで、慢性的な神経の過敏状態を改善し、痛みの閾値を上げることも可能です。
また、交感神経を介した脳や脊髄の血流改善にも寄与することから、脳卒中後の回復や神経障害の長期的な改善にも応用できる可能性があり、再生医療との併用も期待されています。

頚部神経根ブロックの施術方法と効果

頚部神経根ブロックは、頚椎疾患に伴う神経根の炎症や圧迫を軽減し、痛みやしびれを和らげる治療法です。
特に、頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症など、神経が圧迫されることで痛みが生じる疾患に適用されます。
施術の流れとしては、以下のようになります。

1.局所麻酔の注射

施術部位(通常、第6頚椎付近)に局所麻酔を施し、痛みを最小限に抑えます。

2.神経根付近への針の進行

レントゲン透視やエコーを用いて神経根の位置を正確に確認しながら、慎重に針を進めます。

3.麻酔薬や抗炎症薬の注入

神経根に直接局所麻酔薬やステロイド剤を注入し、炎症や痛みの伝達を抑えます。

4.効果の判定と経過観察

注射後、患者の症状の変化を観察し、効果を確認します。

施術後には、一時的に眼瞼下垂(まぶたが下がる)、嗄声(声のかすれ)、軽度のしびれが生じることがありますが、多くの場合、数時間で回復します。
まれに、施術後に違和感が続くことがありますが、通常は時間とともに軽快します。
効果には個人差がありますが、1回の施術で数週間から数か月にわたる痛みの軽減が期待できます。
ただし、長期的な神経の回復には、適切なリハビリや生活習慣の見直しが重要です。

ブロック注射後の経過と注意事項

ブロック注射後は、数時間で効果を実感できることが多く、一部の患者では即時に痛みが軽減される場合もあります。
ただし、1回の注射で完全に痛みがなくなるわけではなく、数回の治療が必要になることが一般的です。

施術後の注意点は以下の通りです。

安静が必要

注射後数時間は、急激な動作を避け、可能であれば横になって休みましょう。

運転や機械操作の禁止

一時的にふらつきや違和感が生じる可能性があるため、当日は車の運転や危険な作業は避けるようにします。

入浴は控える

当日はシャワー程度にし、患部を強くこすらないことが大切です。

まれに合併症が起こることがある

施術後に強いしびれ、脱力、息苦しさなどが出た場合は、すぐに医師に相談することが重要です。
特に糖尿病患者では、ステロイドの影響で血糖値が一時的に上昇する可能性があるため、慎重に経過を観察する必要があります。

まとめ

頚椎疾患による痛みやしびれの緩和には、星状神経節ブロックと頚部神経根ブロックが有効な治療法の一つです。
星状神経節ブロックは、交感神経の調整を通じて血流や神経の興奮を抑え、痛みを軽減する効果があります。
一方、頚部神経根ブロックは、直接神経根の炎症を抑え、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアによる痛みを緩和します。
頚椎疾患に対するブロック注射は、痛みの緩和に有効ですが、神経の根本的な回復には至りません。
近年、再生医療が注目されており、ニューロテック®では「神経障害は治るを当たり前にする」取り組みを進めています。
特に狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療リニューロ®は、同時刺激×神経再生医療®により、神経の回復を促進します。
さらに、骨髄由来間葉系幹細胞や神経再生リハビリ®を併用することで、長期的な改善が期待されます。
ブロック注射と再生医療を組み合わせることで、より効果的な治療が可能になります。

よくあるご質問

頸椎にブロック注射をしたらどんな効果があるの?
頸椎にブロック注射をすると、痛みやしびれの軽減、炎症の抑制、血流の改善が期待できます。
神経や交感神経に作用することで、頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアによる痛みを一時的に和らげます。
効果の持続期間は個人差がありますが、数週間から数か月にわたることもあります。

ブロック注射のデメリットは?
ブロック注射のデメリットには、効果が一時的であること、副作用のリスクがあることが挙げられます。
施術後に一時的なしびれ、まぶたが下がる(眼瞼下垂)、声がかすれる(嗄声)などが起こることがあります。
また、頻繁に行うと神経や組織にダメージを与える可能性があるため、適切な間隔で受けることが重要です。

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    <参照元>
    1:神経ブロック|KOMPAS 慶応義塾大学 医療・健康情報サイト:https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000036.html
    2:神経ブロック|日本ペインクリニック学会:https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_keyblock.html

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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