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脳梗塞の前兆を感じたときにすぐ行うべき対応

           

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この記事を読んでわかること

脳梗塞の主な症状と、救急車を呼ぶタイミングがわかる。
FASTテストを活用して脳卒中の前兆を確認する方法がわかる。
脳梗塞の治療法と、後遺症を軽減するリハビリの重要性がわかる。


脳梗塞は一刻を争う病気です。
本記事では、脳梗塞の主な症状やFASTテストを活用した前兆の見分け方、救急車を呼ぶタイミングと伝えるべき情報を詳しく解説。
さらに、発症後の治療法や後遺症を軽減するリハビリの重要性についても紹介します。
早期対応が命を救うため、正しい知識を身につけましょう。

救急車を呼ぶタイミングと伝えるべき情報

救急車を呼ぶタイミングと伝えるべき情報
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血をまとめて脳卒中といい、速やかな対応をとることが重要な病気です。
脳梗塞はその中で過半数を占めており、脳の血管が詰まってしまう病気のことを指しています。

脳梗塞の種類

脳梗塞には、動脈硬化が原因で脳の太い血管が詰まってしまうアテローム血栓性脳梗塞と、心房細動(しんぼうさいどう)という不整脈が原因で心臓からの血の塊が脳まで流れていき、動脈を突然詰まらせてしまう心原性脳塞栓というタイプ、さらに脳の細い血管がつまるラクナ梗塞があります。
(参照サイト:みんなで知ろう! からだのこと|厚生労働省)

脳梗塞を疑い、救急車を呼ぶタイミング・伝えるべき情報とは

以下のような症状は、脳梗塞である可能性があります。
(参照サイト:脳卒中|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ|国立循環器病研究センター)
こうした症状がみられた場合には、一刻も早く救急車を呼びましょう。

  • 片方の手足・顔半分の麻痺(額は含まれない)、しびれ
  • ろれつが回らない、言葉がでない、他人のいうことを理解できない
  • 力があるのに立てない、歩けない、ふらつく(体のバランスが取れない)
  • 片方の目が見えない、物が二重に見える、視野の半分が欠ける

救急車を呼ぶ際には、以下の情報を伝えましょう。

  • いつから発症したか
  • どのような症状(手足の麻痺、言葉がでないなど)があるか
  • 今何かの病気で治療を受けているか(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)
  • こうした情報を救急隊に伝えることで、治療の役に立つ可能性があります。

FASTテストの活用で前兆を即座に確認する方法

簡単に脳卒中の症状をまとめた、FAST(Face Arm Speech Time:ファスト)という言葉をご存じでしょうか。
米国脳卒中協会では、脳卒中の疑いがある場合に、顔(Face)、腕(Arm)、言葉(Speech)の3つのテストを行うことを推奨する合言葉を提案しています。
(参照サイト:脳卒中|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ|国立循環器病研究センター)
FASTのテスト内容は以下のようになります。

Face
(顔の麻痺)
笑顔を作ったときに、左右の口角が同じ程度上がるかどうかを確認します。
Arm
(腕の麻痺)
両腕を伸ばして、床と水平になるように挙げます。
Speech
(言葉の障害)
ろれつが回らない、言葉がでないなどの言語障害があれば、脳梗塞による症状が疑われます。
Time
(発症時間)
これはテストではありませんが、症状に気づいたら、症状が現れた時間(発症時間)を確認し、すぐに119番に電話することの重要性を表しています。

FASTの活用法は以下のようになります。

  1. 1つでも当てはまれば脳卒中を疑い、すぐに専門病院を受診する
  2. 症状が出た時刻を確認して、急いで救急車を呼ぶ

脳卒中は、早く病院に行くことで治療の選択肢が増え、場合によっては症状が緩和されることがあります。

症状が軽くても放置しない重要性:早期受診が命を救う理由

脳梗塞の症状は、人それぞれで異なります。
多くの場合、手足の麻痺や呂律困難などの症状が現れますが、人によっては症状が軽く、様子を見ようと思ってしまうかもしれません。
しかし、きちんと医療機関を受診しなければ、正確な診断はできません。
特に、夜中に目が覚めた場合や、夜寝る前に症状が現れた場合には、経過観察せずにすぐ救急車を呼ぶことが大切です。
一時的に症状が改善する、一過性脳虚血発作が起こることもありますが、そのあとに重症な脳梗塞が発症する前触れかもしれません。
Time is brainという言葉があります。
これは、脳梗塞の治療にとっては時間がとても重要であることを表す言葉です。
脳梗塞になると、1分間治療が遅れると190万の細胞が失われるともいわれています。
そのため、早期受診は大切であるといえます。
(参照サイト:4.5時間を過ぎても、専門的な脳梗塞救急治療が重要です|国立循環器病研究センター)
実際に、脳梗塞の治療としては、発症してから4.5時間以内であればt-PA静脈療法(血栓を溶かす薬を投与する)という治療があります。
また、脳の太い血管が詰まり、症状が重い場合には血管の血栓を取り除く、血栓回収療法が行われる場合もあります。
こうした治療がそもそも行えるか、また、その成功率を高めるためには早期受診がとても重要です。
「何かおかしい」と思った際には、迷わず医療機関を受診するようにしましょう。
脳神経外科や神経内科、あるいは救急外来の受診が適切と考えられます。

まとめ

脳梗塞は早期対応が重要であり、FASTテストや救急車の利用が命を救います。
今回の記事を参考にして、医療機関への受診を躊躇わないようにしていきましょう。
脳梗塞は一度発症すると、後遺症が残ることも多く、リハビリテーションが重要になります。
近年では、従来のリハビリに加え、神経再生を促進する治療法も研究が進んでいます。
たとえば、ニューロテックや脳梗塞脊髄損傷クリニックでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療「リニューロ®」を提供しています。
リニューロ®は、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
このような治療法が、脳梗塞後の後遺症改善の選択肢として注目されています。
脳梗塞後のリハビリに関心がある方は、公式HPをご覧ください。

よくあるご質問

脳梗塞の初期症状が出たらどうすればいいですか?
顔の歪み、片側の手足の麻痺、ろれつが回らないなどの症状がある場合、すぐにFASTテストを行いましょう。
1つでも該当する場合は、迷わず119番通報し、救急車を呼んでください。

脳梗塞の緊急時対応は?
脳梗塞の疑いがある場合は、発症時刻を確認し、すぐに救急車を呼ぶことが最優先 です。
救急隊には、症状の内容や発症時間、持病の有無を伝えましょう。
早期治療が後遺症を防ぐ鍵となります。

<参照元>
1みんなで知ろう! からだのこと|厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202410_006.html
2脳卒中|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ|国立循環器病研究センター:https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/stroke-2/
34.5時間を過ぎても、専門的な脳梗塞救急治療が重要です|国立循環器病研究センター:https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/scd/cvmedicine/emergency-medicine/
・「脳卒中治療ガイドライン2015[追補2019]」で変わる脳梗塞治療:https://www.senshiniryo.net/stroke_c/11/index.html

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PROFILEこの記事の監修
貴宝院 永稔
貴宝院 永稔 医師
(大阪医科薬科大学卒業)
  • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
  • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
  • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
  • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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