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パーキンソン病最新治療の再生医療とリハビリ

           

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この記事を読んでわかること

パーキンソン病とパーキンソン症候群
薬剤性パーキンソン症候群とは
パーキンソン病の症状と自然経過


パーキンソン病は脳内のドーパミンが不足し手のふるえや動作の緩慢など運動の障害が起きる病気です。
パーキンソン症候群は他の神経疾患や薬剤などが原因でパーキンソン病のような状態になることを指します。
脳の変性疾患であるパーキンソン病は進行性で治療の決め手がありませんが、iPS細胞を利用した再生医療の効果が期待されています。

パーキンソン病とパーキンソン症候群

パーキンソン病は、脳の黒質という場所にあるド-パミンを作る細胞の機能が失われてしまうことで脳内のド-パミンが不足する病気です。
ドーパミンは神経の情報を伝える役割を持っているため、不足すると手のふるえや動作が鈍く遅くなる、歩行が小刻みになるなどの運動障害や、意欲の低下、認知機能の低下などさまざまな症状を引き起こします。
パーキンソン症候群は、パーキンソン病の運動障害に良く似た症状を起こすものの、異なる病気が原因となっている状態を指します。
原因には進行性核上性麻痺や多系統萎縮症といった神経の病気や、正常圧水頭症、薬剤性パーキンソン症候群などがあります。

睡眠剤が原因に?薬剤性パーキンソン症候群

薬剤性パーキンソン症候群は、脳内のドーパミン伝達を阻害する薬剤によって発生します。
代表的な薬剤としてはフェノチアジン系やブチロフェノン系、ベンザミド系などに分類される抗精神病薬があり、他にも一部の胃薬や高血圧の薬など一般的な薬でも原因となることがあります。
抗精神病薬は睡眠剤として処方されるケースもあり、パーキンソン症候群の兆候に注意が必要です。

パーキンソン病の症状と自然経過

歩行障害
パーキンソン病と診断され10年以内の早期の段階では、手のふるえや動作が緩慢になるなどの運動障害が主な症状になります。
表情が乏しく(仮面様顔貌)、言葉は単調で低くなり、自然な動作が減少してきます。
10年以降の進行期、後期になると運動障害はより強くなり、姿勢の保持が不安定になることから転倒のリスクが高まります。
歩行は小刻みなすくみ足となり、飲み込みが悪くなることがあります。
加えて認知症やうつ病、睡眠障害などの精神症状が出現するととともに、排尿の障害、起立性低血圧(立ち上がった時のめまいやふらつき)など自律神経の異常が原因となる症状が発生します。
寿命としては健常な方とそれほど変わらない年月を全うすることができますが、生活の質が大きく下がることが分かります。

パーキンソン病に対する再生医療、iPS細胞の可能性

研究所
高齢化社会を迎え、パーキンソン病の患者さんは増加の一途をたどっていますが、決定的な対策がなく対症療法に頼っているのが現状です。
その現状を打破してくれるかもしれないと期待されているのが、再生医療です。
特にiPS細胞を利用した、パーキンソン病に対する再生医療の研究が進んでいます。
パーキンソン病は脳内のドーパミンを放出する細胞が変性してしまう病気です。
対症療法では、症状を一時的に抑えても細胞の働きが元に戻るわけではありません。
iPS細胞は多分化能を持った細胞であり、理論的には体内のどんな細胞にでもなることができます。
パーキンソン病に対する治療では、iPS細胞から約1ヶ月をかけてドーパミンを放出する細胞を作成し脳へ移植します。
移植された細胞は周囲の神経とネットワークを構築し、ドーパミンを放出するようになることで、パーキンソン病の症状を改善させることが期待されます。
対症療法と違い根本的な治療になるかもしれないという点で、今後の成果が大きな注目を集めています。
現在、実際の患者さんに対する治療が治験として行われており、安全性の確認と有効性の評価が進められています。

パーキンソン病のリハビリテーション

手すりをつける
パーキンソン病は長い年月をかけて徐々に進行していく疾患であり、各時点での体力をできるだけ維持し、安全に生活を送るためにはリハビリテーションが欠かせません。
「パーキンソン病診療ガイドライン2018」でも、「早期から進行期までどのステージにおいても介入すると効果が高い・・」と記載されています。
早期の段階では、定期的な身体活動を維持し、スクワットや階段を上がるなどのトレーニングを実施します。
毎日大きく均等な文字を書くトレーニングを行うことで、手の機能や認知の機能を維持します。
運動障害が進行し、転倒のリスクが高まる場合には、家の改修をして体力に応じた補助が得られるようにしていきます。
歩行や立ち上がり、ベッド周りの移動では補助具の使用や、動作の順序を覚えるための練習をするなど、残された体力で生活を続けていくためのリハビリを行います。
症状が進行すると家族や周囲の負担が大きくなるため、早期から自治体等のコミュニティやグループ活動を通じた運動機会の獲得、障害が大きくなってからは介護保険を利用したリハビリテーションなど、患者さんが増加する今こそしっかりとした仕組みづくりが求められています。

まとめ

パーキンソン病、パーキンソン症候群について、またパーキンソン病に対するiPS細胞を利用した再生医療とリハビリについて紹介しました。
パーキンソン病の患者さんは、過去20年と比較して今後約2倍に増加すると言われています。
家族や周囲の方の体調に注意するとともに、最新の治療法について知識を身につけておきましょう。

よくあるご質問

パーキンソン病のリハビリ方法は?
パーキンソン病体操や振動刺激、その他「LSVT」などのパーキンソン病に特化した運動は1人でも続けやすく効果的です。
また、入念なリラクゼーションやストレッチ、筋力・耐久性増強訓練、バランス練習、歩行練習、生活動作練習、構音・嚥下訓練も効果的とされています。
日常生活でも継続して「大きく身体を動かし、全身へ刺激を増やす(振動刺激など)」ことで、脳・身体機能の維持・改善を図ることができます。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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