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頚椎損傷の主な原因とリスクを回避する方法

           

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この記事を読んでわかること

脊椎損傷の原因がわかる
脊椎損傷に対する予防策がわかる
加齢による脊椎損傷のリスクがわかる


頚椎損傷は交通事故・転倒転落・スポーツ外傷など、日常生活のさまざまなシーンで年齢関係なく発症する可能性のある病気です。
重度の神経障害が残れば、歩行や体位変換なども困難となり日常生活に大きな支障をきたすため、発症を予防することが重要です。
そこでこの記事では、頚椎損傷の主な原因とリスクを回避する方法について解説します。

交通事故が頚椎損傷に与える影響と予防策

交通事故が頚椎損傷に与える影響と予防策
頚椎損傷とは、その名の通りなんらかの原因で頚椎を損傷し、頚椎近傍を走行する脊髄が損傷することでさまざまな神経症状をきたす疾患です。
特に頚椎は四肢の神経機能を司っていたり、呼吸運動を司っているため、重度の頚椎損傷に至れば四肢麻痺や呼吸不全などを発症し、その後の生活や生命を脅かす可能性があります。
日本脊髄障害医学会の報告によれば、脊髄損傷の原因は時代背景や地域によっても異なり、原因背景によって講じるべき適切な予防策も異なるそうです。
2018年に実施された全国調査の結果では、外傷性脊髄損傷の主な原因は下記の通りです。

  • 平地転倒:38.6%
  • 交通事故:20.1%
  • 低所からの転落:13.7%

全体の統計では上記のような結果でしたが、40代以下ではどの年代でも平地転倒より交通事故が多い結果でした。
(参照サイト:日本脊髄障害医学会による外傷性脊髄損傷の全国調査|NPO法人日本せきずい基金)
また交通事故については歩行者だけでなく、運転者や同乗者でも事故に伴い頚椎に負担がかかり、頚椎損傷を発症する可能性があるため、注意が必要です。
予防策としては、当然歩行者は周囲の安全を十分確認した上で交差点や信号をわたり、運転者は体調の優れない時は運転を控えることも重要です。
また、運転者・同乗者ともにシートベルトの着用が身体を保護するためには必要不可欠であり、必ず着用するようにしましょう。

スポーツ外傷や転倒による頚椎損傷リスク

上記で示したように、スポーツ外傷や転倒による頚椎損傷リスクも少なくありません。
原因別に、平地での転倒が38.6%、低所からの転落は13.7%でしたが、年齢が若くなればなるほどスポーツ外傷のリスクは増加し、特に10代で言えばスポーツ外傷が原因であることが43.2%と最多でした。
逆に、年齢が上がるにつれて平地での転倒が原因となる確率も上がり、また高齢化が進んだことで発症者は高齢の方が多いため、平地での転倒が原因として最も多くなっていることが示唆されています。
(参照サイト:日本脊髄障害医学会による外傷性脊髄損傷の全国調査|NPO法人日本せきずい基金)
特に若年層に多いスポーツ外傷による頚椎損傷は、本人のその後の長い人生や介護者となる家族の人生に大きな支障を与えるため、各スポーツの関連団体が発症予防にさまざまな対策を行っています。
例えば、最も頚椎損傷の多いスポーツである「水泳飛び込み」では、1992年に全国各地に「脊髄損傷予防ポスター」を配布し、水泳飛び込みによる頸髄損傷は激減しました。
また、コンタクトスポーツであるラグビーやアメリカンフットボールでは、ヘッドギアやマウスピースの着用、さらにはルール改定などを行い、脊髄の保護に努めています。
(参照サイト:スポーツ外傷による頚髄損傷-脊髄損傷の発生状況と現場での取り組みおよび診断,治療のピットフォールと変遷-|J STAGE
(参照サイト:頚部外傷の実際と予防について|日本アメリカンフットボール協会)

加齢や骨粗鬆症が頚椎に及ぼす影響

平地での転倒による頸髄損傷が加齢とともに増加するのは、頚椎における下記のような加齢性変化が原因です。

  • 椎間板の変形
  • 椎体の圧迫
  • 骨棘の形成
  • 靭帯の硬化
  • 脊柱管の狭窄
  • 骨粗鬆症の併発

これらの加齢性変化は脊柱管の構造を不安定にしたり、脊柱管内腔を狭窄させるため、転倒などによる外力によって内部を走行する脊髄が損傷しやすくなる原因となります。
脊髄損傷には至らずとも、これらの加齢性変化は脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア・頸椎症などのさまざまな頸椎疾患の発症リスクを増加させるため、特に高齢者は注意が必要です。

まとめ

今回の記事では、頚椎損傷の主な原因とリスクを回避する方法について詳しく解説しました。
頸椎損傷によって内部を走行する頸髄が損傷した場合、呼吸不全などを発症すると早期に緊急手術を行わなければ命に関わる可能性もあるため、注意が必要です。
もし対応が遅れたり、手術で脊髄を傷つけてしまった場合、不可逆的な神経学的後遺症を残し、またその治療は現状リハビリテーションのみですが、それでも神経症状を根治することは不可能です。
年齢によって発症の原因も異なりますが、極力発症リスクを避けるように、日常生活の環境整備を徹底することが重要です。
また、近年では頚椎損傷に関わる後遺症に対する再生医療の効果が大変注目されています。
また、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善の困難であった頚椎損傷後遺症の改善が期待できます。

よくあるご質問

脊椎損傷の原因は?
脊椎損傷の原因は、転倒や転落、交通事故などの高エネルギー外傷、水泳飛び込みやスノボー・ラグビーなどのスポーツ外傷が主です。
特に高齢者は頚椎の加齢性変化によって構造が不安定になっていることが多く注意が必要です。

脊髄損傷の予防法は?
脊髄損傷の予防法は、日常生活における怪我や転倒などのリスクをできる限り排除することです。
交差点や人通りの少ない道を避けたり、転倒や転落しないよう、住宅環境・労働環境における整備を行うことが重要です。

<参照元>
1日本脊髄障害医学会による外傷性脊髄損傷の全国調査|NPO法人日本せきずい基金https://www.jscf.org/
2スポーツ外傷による頚髄損傷-脊髄損傷の発生状況と現場での取り組みおよび診断,治療のピットフォールと変遷-|J STAGEhttps://www.jstage.jst.go.jp/
3頚部外傷の実際と予防について|日本アメリカンフットボール協会https://academy.americanfootball.jp/
・外傷性椎体骨折・脊損|日本整形外傷学会:https://www.jsfr.jp/ippan/condition/ip34.html
・脊椎術後SSI発生要因の検討-Japan Nosocomomial Infections Surveillance(JANIS)データとの比較からの問題点抽出-|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/
・頸椎椎弓形成および後方固定術術後に呼吸不全を発症した1症例|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/

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PROFILEこの記事の監修
貴宝院 永稔
貴宝院 永稔 医師
(大阪医科薬科大学卒業)
  • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
  • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
  • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
  • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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