幹細胞治療による脳梗塞後遺症改善の可能性はあるのか? | ニューロテックメディカル

幹細胞治療による脳梗塞後遺症改善の可能性はあるのか?

           

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この記事を読んでわかること

脳梗塞の症状と原因を解説
幹細胞による脳梗塞の後遺症治療は可能なのか
幹細胞治療による脳梗塞の改善事例


脳梗塞は、脳の血管障害である脳卒中の一つで、脳の血管が詰まることで脳への血流が妨げられ、さまざまな症状が起こってしまう病気です。
脳梗塞が起こると、運動麻痺などの後遺症が起こります。
この記事では、再生医療、つまり幹細胞治療による脳梗塞後遺症改善の可能性について述べていきます。

脳梗塞の症状と原因を解説

脳梗塞の症状と原因を解説
脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまい、血流が少なくなることで脳神経細胞が機能障害を起こし、様々な症状を呈する病気のことです。
脳梗塞の原因やリスクファクターとしては、高血圧や不整脈、糖尿病、喫煙、肥満などがあげられます。
脳梗塞の早期症状として、頭痛やめまい、舌のもつれ(言葉がうまくでない)、手足のしびれといったものがあります。
これらは、一時的にはよくなるのですが、TIA(一過性脳虚血発作)という脳梗塞の前触れの症状である可能性があります。
そのまま放置しておくと、脳梗塞を発症し、片方の手足が動かなくなったり、顔の半分が動かなくなるといった運動麻痺や、ろれつがまわらなくなるといった症状が現れます。
脳梗塞の合併症として、脳梗塞を最初に発症してから24時間以内に脳内で際出血を起こすことや、嚥下機能が落ちるために誤嚥性肺炎を起こすことなどがあります。
また、手足の麻痺が後遺症として残ったりすることがあります。その他にも、てんかんやうつ病、嚥下機能障害などが残ることもあります。

幹細胞による脳梗塞の後遺症治療は可能なのか

幹細胞点滴
脳梗塞によって死滅してしまった神経細胞は、従来の治療ではもう戻らないとされてきました。
そのため、脳梗塞後に手足の麻痺などが後遺症として残った場合には、リハビリテーションで機能を回復するという方法が取られます。
一方、最近では幹細胞による再生医療によって、死んでしまった脳の神経細胞を回復させるという試みが臨床的に応用されつつあり、後遺症治療が可能となることが期待できます。

幹細胞治療による脳梗塞の改善事例

杖で歩けるようになる
骨髄間葉系幹細胞移植を実際に受けた脳梗塞患者の例をご紹介します。
Aさんは脳梗塞発症2か月後に骨髄間葉系幹細胞を移植されました。
Aさんは発症後2カ月の間、弛緩性麻痺(力が上手く入らないタイプの運動麻痺)を呈していた上肢・手指が治療を契機に回復し、1年後には日常生活で不自由しないくらいにまでになりました。
Bさんは脳梗塞発症から1カ月後に間葉系幹細胞移植を受けました。
下肢・体幹機能が移植直前でとても悪く、麻痺側の下肢での片脚立ちはほぼ不可能な状態でした。
しかし、移植1週後には下肢の動きが改善し、片脚立ちでいられる時間も長くなっていきました。
また、上肢の機能も改善し、握力も回復したということです。
その他、自己血清で培養した自己MSC(間葉系幹細胞)を脳梗塞亜急性期(症状が安定し、リハビリテーションを開始する頃合い)の患者に対して経静脈的投与を行った研究もあります。
その研究では、脳梗塞後の12名が対象となりました。
患者たちの症状としては運動麻痺12名・失語症5名でした。
MSCを用いた再生医療を投与することで、麻痺などの後遺症の症状の回復スピードが統計学的に有意に高くなり、また画像上の脳の異常を呈する範囲も縮小したと報告されています。

まとめ

今回の記事では、脳梗塞の原因や症状、そして幹細胞治療による脳梗塞後遺症改善の可能性について解説しました。
脳梗塞が起こり、死んでしまった細胞が生き返ることは難しいため、脳梗塞後の後遺症に対しては、リハビリテーションで運動機能を回復することを目標とします。
そして、最近では再生医療が脳梗塞の後遺症に対する治療に応用されつつあります。
当院では、脳梗塞後の後遺症に対して、再生医療とリハビリテーションを組み合わせ、効果を高める【ニューロテック®】という技術を用いています。
脳梗塞後の後遺症についてのお悩みや治療のご相談がある方は、お気軽にお問い合わせくださいね。

よくあるご質問

幹細胞治療はいくらかかる?
幹細胞治療は保険適応外なので、それぞれの医療機関で多少価格が異なる場合があります。
当院では、幹細胞点滴の価格は、1回・1,650,000円、2回・2,750,000円、3回・3,850,000円となっております。幹細胞点滴モニター制度もあり、1回・990,000円、2回・1,980,000円、3回・2,970,000円となります。
興味のある方は、医療機関へ一度ご相談してみることをおすすめします。

脳神経細胞の再生治療とは?
患者自身の骨髄や脂肪などから取り出した幹細胞を培養し再び投与することで、脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)によって傷ついた血管や神経を修復します。また幹細胞は脳細胞にも作用し、傷ついて機能が損なわれた脳細胞を復活させます。これらのメカニズムによって、これまでは回復の見込みがないとされていた後遺症の改善や、再発率が高い脳卒中の予防にも効果が期待できる最新の治療法です。

<参照元>
脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
2 自己骨髄間葉系幹細胞を用いた 脳梗塞治療 p688:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/56/9/56_56.685/_pdf
脳梗塞の幹細胞治療―ヒトと動物における成果― p1175:https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/053111175.pdf

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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