この記事を読んでわかること
・椎間板ヘルニアについて
・椎間板ヘルニアで注意すること
・椎間板ヘルニア患者が絶対にすべきではないこと
多くの方が発症する椎間板ヘルニア。
腰椎に発生する椎間板ヘルニアは100人に1人がかかると言われています。
他人事ではない椎間板ヘルニアですが、治療をしっかり受けていれば何をやってもいいというわけではありません。
また必ず治療を受けるべきである、椎間板ヘルニアの緊急事態も存在します。
ここでは椎間板ヘルニアの方がやってはいけないことについて、解説していきます。
椎間板ヘルニアでは神経の障害に注意
椎間板は脊椎の骨と骨の間にあり、傷ついて外に飛び出すとヘルニアになります。
ヘルニアは腰や脊椎の痛みの原因となりますが、それ以上に問題なのが神経の症状です。
椎間板の近くには大事な神経が通っているため、外に飛び出したヘルニアが神経を圧迫して障害してしまうことがあります。
腰椎椎間板ヘルニアでは足のしびれや痛み、頚椎椎間板ヘルニアでは手足に症状を起こす可能性があります。
軽い症状であれば回復する見込みがありますが、重症のものになると神経の症状が元に戻らず、生涯残る後遺症になってしまう可能性があります。
椎間板ヘルニアは、神経の障害に注意が必要です。
椎間板ヘルニアの悪化を防ぐためにやってはいけないこと
椎間板ヘルニアの方が絶対にやってはいけないのは、重篤な症状がでているにも関わらず放置してしまうことです。
重篤な症状というのは強い痛みということではなく、神経の障害が急速に進んでいる状態を指します。
はじめは痛みやしびれだったのに、手や足に力が入りづらくなってきた、尿を出したい感じがなくなり自分の意志で出すことができない、便失禁してしまった、などの症状は神経が強く障害されている可能性がある状態です。
放置すればその後回復を望むのは非常に困難であるため、例え夜間でも救急医療機関の受診が必要な状況です。
放置して症状が完成してしまう前に、急いで診断と治療を受けるようにしましょう。
椎間板損傷のリスクを高める動作と姿勢
椎間板にかかる圧力を避けるためには、重いものを持つ時には背筋を伸ばして膝を曲げ、腰に負担をかけない姿勢を保つことが重要です。
また、長時間の座位や無理な姿勢は椎間板への圧迫を引き起こすため、定期的に立ち上がり姿勢を変えることが必要です。
日常生活で注意すべき動作と腰の保護
椎間板ヘルニアは神経を傷つける可能性がある状況なので、悪化させるようなことはするべきではありません。
椎間板は脊椎の骨と骨の間にあるため、上下方向の圧迫力がかかると椎間板は圧迫され、さらにヘルニアが飛び出してしまう可能性があります。
ストレッチ
腰痛症や椎間板ヘルニアの方に対する治療として、ストレッチは有効です。
しかし過度の負担が脊椎にかかるようなストレッチは椎間板ヘルニアの場合逆効果となる可能性があります。
脊椎を極端に前に曲げる(前かがみになる)、逆に強く反らすようなストレッチは避けたほうが良いでしょう。
原則として、ストレッチの姿勢をとることで手や足の症状が起きるようであれば、それは続けるべきではありません。
日常生活
重いものを持つ、前かがみになって作業するといった行為は、椎間板に負担をかけます。
低いところに手を伸ばさなければいけないときは、腰を曲げずに膝を曲げて行うようにすると良いでしょう。
同じ姿勢を長時間続けると、腰回りの筋肉の血流が乏しくなるため、痛みの悪化につながる可能性があります。
座って作業をする場合は30分に1回立ち上がって姿勢を変えるなどの工夫が必要です。
運動、スポーツ
症状が軽い場合や、治療を受けて症状が落ち着いてきたときに軽い運動をして、腰回りの筋肉をいい状態に保つことは椎間板ヘルニアの治療として有効です。
しかし、手や足の神経症状が出ているときには、むやみに動かず安静にする必要があります。
特に腰をひねるような動き(野球やゴルフなど)、接触プレーを伴うような種目(ラグビーやバスケットボールなど)は症状を悪化させるリスクが高いといえます。
椎間板ヘルニアに対する再生医療
損傷されヘルニアとなった椎間板は、一般的な治療を受けて症状が軽くなっても元通りになるわけではないため、再発の可能性があります。
またヘルニアにより強く損傷された神経は、完全には回復せず症状を残してしまうことがあります。
椎間板や神経など、損傷したあとの回復が難しい組織に対しては決め手となる治療がないのが現状です。
そこで期待されるのが、再生医療です。
再生医療では、細胞等を利用して臓器や組織を再生し、機能の回復を目指します。
これまで回復が難しいと考えられていた状態に対しても応用され、着実に成果が積み重ねられています。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
お悩みの患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。
椎間板ヘルニア患者がしてはいけないことのまとめ
椎間板ヘルニア患者がしてはいけないことについて解説しました。
神経の症状は繊細なもので、一度強い症状が起きてしまうと一生の問題になりかねません。
症状が軽いうちに診断を受けるのが重要であるとともに、重い症状がある場合には急いで医療機関を受診するようにしましょう。
よくあるご質問
頸椎椎間板ヘルニアはどれくらいで治る?
軽症では50-70%が予後良好との報告があります。しかし、中には症状が進行し、手術が必要となる場合があります。重症の場合は自然な軽快は期待できず、早期の手術が必要となります。
椎間板ヘルニアを放っておくとどうなる?
椎間板ヘルニアは、背骨の間の椎間板(クッションとなる軟骨)が一部飛び出す疾患です。症状のある椎間板ヘルニアの飛び出た部分は、約2/3が自然に吸収されることがわかっています。症状がない場合、多くは変化はありません。症状がある場合はぜひ医療機関の受診をしましょう。
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