この記事を読んでわかること
ステロイド服用中に手足のしびれが現れた場合に考えられる原因や、副作用との関係がわかる。
しびれとともに現れた場合に注意したい症状や、受診を検討する目安がわかる。
自己判断でステロイドを中止しない理由と、主治医へ相談する際に整理しておきたいポイントがわかる。
ステロイドを服用中に手足のしびれを感じると、「副作用なのではないか」と不安になる方もいるでしょう。しかし、しびれは薬だけでなく、原疾患や神経の病気などの原因で起こる可能性があります。この記事では、ステロイドとしびれの関係、受診を検討したい症状、主治医へ相談するときに整理しておきたいポイントなどについて詳しく解説します。
ステロイド開始後に手足のしびれを感じたら考えたいこと
ステロイドを服用し始めた後に手足のしびれが現れると、「薬が体に合っていないのではないか」「副作用なのではないか」と不安になる方もいるでしょう。
特に処方開始後しばらくして症状が出た場合には、薬との関係を疑いたくなるものです。
実際に、プレドニゾロンなどのステロイド薬の副作用情報には、手足のしびれやピリピリした感覚が記載されています。
ただし、体重増加や食欲増加、不眠、血糖上昇などと比べると、しびれは代表的な副作用とはいえません。
また、しびれという症状は非常にさまざまな原因で起こることが知られています。
国立長寿医療研究センターによると、しびれは脳、脊髄、末梢神経など神経のどの部位に問題が生じても現れる可能性があります。
そのため、ステロイドを服用中にしびれが出た場合でも、必ずしも薬そのものが原因とは限りません。
しびれの原因としては、次のようなものが考えられます。
- もともとの病気による神経症状
- 糖尿病や血糖上昇による末梢神経障害
- 電解質異常(体内のナトリウムやカリウムのバランス異常)
- 他に服用している薬の影響
- 頚椎症や腰椎疾患など整形外科的な病気
- 脳や末梢神経の病気
例えば、自己免疫疾患や神経疾患の治療でステロイドを使用している場合には、原疾患(治療の対象となっているもとの病気)そのものがしびれの原因となっていることがあります。
また、ステロイドには血糖値を上昇させる作用があり、もともと糖尿病がある方や血糖値が上がりやすい方では末梢神経障害のリスクが高まる可能性があります。
さらに、頚椎症や腰部脊柱管狭窄症、手根管症候群などの整形外科疾患が偶然同じ時期に症状を起こしている場合もあります。
実際には「ステロイドを飲み始めた時期と重なっただけ」というケースも少なくありません。
このように、「薬を飲み始めた後に起きた」という事実だけで副作用と決めつけることは難しく、症状の経過や持病、併用薬などを含めて総合的に判断することが大切です。
ステロイド服用中の手足のしびれで受診を検討する目安
手足のしびれは比較的よくみられる症状ですが、そのすべてが緊急性の高いものではありません。
長時間同じ姿勢を続けたことによる神経の圧迫や、一時的な血流低下によって起こることもあります。
しかし、中には早めの診察や緊急受診が必要な病気が隠れている場合もあります。
しびれの原因は脳や脊髄、末梢神経など多岐にわたるため、症状の現れ方には注意が必要です。
特に次のような症状がみられる場合は、主治医への相談や医療機関の受診を検討しましょう。
- 片側の手足だけに突然しびれが現れた
- 手足に力が入りにくい
- 顔のゆがみやろれつの回りにくさがある
- 歩きにくさやふらつきがある
- 排尿や排便の異常を伴う
- 症状が急速に悪化している
- 広範囲にしびれが広がっている
このような症状は脳卒中や脊髄疾患、末梢神経障害などでみられることがあります。
特に片側だけにしびれや脱力が現れたり、ろれつが回らなくなったりした場合には、脳卒中など緊急性の高い病気の可能性もあるため注意が必要です。
また、しびれそのものは軽くても、箸を持ちにくい、字が書きにくい、ボタンをかけにくい、歩行が不安定になるなど日常生活への影響が出ている場合には、神経の異常が進行している可能性があります。
一方で、症状が軽度であっても数週間以上続いている場合や、徐々に範囲が広がっている場合には一度医師へ相談することをおすすめします。
しびれの原因は自分では判断が難しいため、「様子を見れば治るだろう」と決めつけず、必要に応じて専門家の評価を受けることが大切です。
自己判断でステロイドを中止せず主治医へ相談するときのポイント

しびれが気になると、「薬が原因かもしれないから一度やめてみよう」と考える方もいるかもしれません。
しかし、自己判断でステロイドを中止したり減量したりすることは避けましょう。
ステロイドは炎症や免疫の異常を抑えるために使用される重要な薬です。
病気によっては急に中止することで症状が再び悪化したり、体内のホルモンバランスが乱れたりすることがあります。
特に数週間以上継続して服用している場合には、副腎(体内でステロイドホルモンを作る臓器)の働きが一時的に低下していることがあります。
その状態で急に薬を中止すると、強い倦怠感や血圧低下などを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
そのため、不安があっても自己判断で服薬を変更するのではなく、まず主治医へ相談することが大切です。
受診時には、症状についてできるだけ具体的に伝えると診察がスムーズになります。
例えば、次のような情報を整理しておくとよいでしょう。
- いつ頃から症状が始まったか
- 手なのか足なのか
- 左右どちらに症状があるか
- しびれの範囲はどこまでか
- 常に症状があるのか、特定の時間帯だけか
- 悪化しているのか改善しているのか
- ステロイドを飲む前後で変化があるか
- 他に服用している薬やサプリメント
- 糖尿病などの持病の有無
これらの情報があると、医師は薬の影響だけでなく、原疾患や他の病気の可能性についても評価しやすくなります。
また、「薬の副作用ではないかと心配しています」と率直に伝えることに遠慮は不要です。
副作用の可能性を確認することは患者さんにとって当然の権利であり、医師や薬剤師もその相談を受けることを前提に診療を行っています。
不安を抱えたまま我慢するよりも、症状の経過を整理して相談する方が安全な治療につながります。
しびれの原因が薬なのか、原疾患なのか、それとも別の病気なのかを明らかにするためにも、気になる症状があれば早めに相談しましょう。
まとめ
ステロイド服用中に手足のしびれが現れることはありますが、代表的な副作用とはいえません。
原疾患や糖尿病、整形外科疾患、神経疾患などさまざまな原因が関係している可能性があります。
しびれに加えて麻痺やろれつ障害などがある場合は早めの受診を検討しましょう。
副作用かどうかは自己判断せず医療機関で確認することが重要です。
また、自己判断でステロイドを中止すると病状悪化や体調不良につながることがあるため、症状の経過を整理したうえで主治医へ相談することが大切です。
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ステロイド服用中に手足のしびれがある場合、その原因は薬の影響だけでなく、もともとの病気や糖尿病、神経・整形外科の病気などさまざまです。しびれが続く、範囲が広がる、力が入りにくいなどの症状がある場合は、自己判断で薬を中止せず、まずは主治医に相談することが大切です。
そのうえで、神経症状が長引く場合や、日常生活への影響がある場合には、医療機関と連携しながら、回復に向けた選択肢を検討していくことも大切です。
よくあるご質問
- ステロイドを飲み始めて数日後からしびれがあります。受診まで様子を見ても大丈夫ですか?
- 軽いしびれだけで変化がなければ次回受診時の相談でもよい場合があります。ただし、範囲が広がる、力が入りにくい、歩きにくいなどの症状がある場合は、予定を待たず早めに医療機関へ相談しましょう。
- 副作用が心配なので、ステロイドを半分に減らしてもよいですか?
- ステロイドを急に減量・中止すると、治療中の病気が悪化したり体調を崩したりする可能性があります。しびれが気になる場合でも自己判断は避け、症状の経過を整理したうえで主治医へ相談しましょう。
<参照元>
(1)Prednisone (oral route) – Side effects & dosage|Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/drugs-supplements/prednisone-oral-route/description/drg-20075269
(2)しびれの原因は?|国立長寿医療研究センター
https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/25.html













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