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アテローム血栓性脳梗塞の症状と発生リスク

           

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この記事を読んでわかること

アテローム血栓性脳梗塞とは
アテローム血栓性脳梗塞の症状
アテローム血栓性脳梗塞の後遺症


脳梗塞は米国国立神経疾患・脳卒中研究所が発表している方法や、TOASTという臨床試験で使用された方法でいくつかの種類に分類されています。
そのうちの一つがアテローム血栓性脳梗塞です。
アテロームという言葉が印象的で、原因をはっきりと表している点で分かりやすい呼称であると言えます。
この記事では、アテローム血栓性脳梗塞について解説します。

アテローム血栓性脳梗塞の原因と発症メカニズム

脳梗塞は次の4つに分類されています。

  • アテローム血栓性脳梗塞
  • 心原性脳塞栓症
  • ラクナ梗塞
  • その他

心原性脳塞栓症は心房細動などの心臓病を持つ人の心臓にできた血の固まりが血管内を通り、脳まで飛んできて血管を閉塞することで起きる脳梗塞です。
ラクナ梗塞は脳にある細い血管(0.9mm以下)の血管壁が厚くなることで内腔が狭くなり、閉塞する脳梗塞です。
アテロームというのは動脈硬化による変化の一つで、血管の壁に脂質などの成分が沈着してできる固まりのことを指します。
中型から大型の動脈に形成されます。
固まりがあると血管の内腔が狭くなり、時にはアテロームが破裂し血管の先で詰まってしまうことがあります。
ラクナ梗塞と比較して太い血管が閉塞するため、脳の血流が遮断される範囲が広くなり症状が重くなりやすいという特徴があります。
高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙、加齢などが発生する危険因子となります。
アテローム血栓性脳梗塞

アテローム血栓性脳梗塞のリスク因子

アテローム血栓性脳梗塞は、動脈硬化による血管の狭窄や閉塞が原因で発生します。
高血圧は、血管壁に常に強い圧力がかかり、血管内皮を傷つけます。傷ついた血管内皮にコレステロールなどが沈着し、動脈硬化が進行しやすくなります。
糖尿病は、血糖値が高い状態が続くと、血管が傷つきやすく、血栓ができやすくなります。
喫煙は、血管を収縮させ、血圧を上昇させるため、動脈硬化を加速させます。
肥満や運動不足も、高血圧や糖尿病のリスクを高め、間接的に脳梗塞のリスクを高めます。
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が増加し、動脈硬化を促進します。
年齢もリスク因子の一つで、年齢とともに動脈硬化が進行しやすくなります。

アテローム血栓性脳梗塞の症状

アテローム血栓性脳梗塞の症状は、閉塞される血管の場所により様々です。
突然意識を失って倒れる、吐き気、頭痛、めまい、足がもつれる、手足がしびれる、動きが悪くなる、ものが二重に見える、ろれつが回らないなどの症状があります。
米国脳卒中協会では、脳卒中の方がすぐに病院を受診するように3つのテストをすることを推奨しています。
頭文字をとって「FAST」と呼びます。

  1. F:Face 顔の半分が動かない、口を広げたときに片側がゆがむ
  2. A:Arm 両手をあげようとすると片手だけ落ちてしまう
  3. S:Speech ろれつが回らない、「今日は天気がよい」とはっきり言えない
  4. T:Time 以上にあてはまる場合は一刻もはやく病院へ

アテローム血栓性脳梗塞では前兆と言える症状が見られることがあります。
一時的に脳梗塞のような症状が起こるものの短時間で元に戻る状態で、「一過性脳虚血発作」といいます。
内頚動脈という血管に病変がある場合は一過性黒内障(片側の視界が一時的に真っ暗になる)、椎骨動脈という血管に病変がある場合はめまいや嘔吐、ろれつがまわらないなどの症状が出現します。
前兆がある場合その後に脳梗塞を発症するリスクが非常に高いため、たとえ症状が消失していても緊急で病院を受診する必要があります。

アテローム血栓性脳梗塞の症状の進行

アテローム血栓性脳梗塞の症状は徐々に進行することが多く、発症当初は一時的な麻痺や言語障害が見られることがあります。
この症状のことも、「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼びます。
TIAの後、症状が一時的に改善しても、その後脳梗塞に進行する可能性があるため、放置は危険です。
症状が悪化すると、手足の麻痺、言語障害、感覚障害、視力低下などが見られ、最悪の場合、命に関わるケースもあります。早期の治療が重要です。

アテローム血栓性脳梗塞の後遺症

アテローム血栓性脳梗塞による症状は、神経の障害によるものです。
血流が途絶えた神経細胞は機能を維持することができず、死滅してしまいます。
一度障害された神経は自力で元通りに修復されることはなく、症状が後遺症となり残存することになります。
発症直後は修復反応が働き、周囲にある神経が代わりに機能するようになることから一定程度まで回復が見られます。
発症後6ヶ月までを「回復期」と呼び集中的にリハビリテーションを行うのは、自然回復をできるだけ高めるという目的で行っているのです。
回復期を過ぎるとその後の自然回復を望むのは難しくなり、残存する症状は後遺症となってしまうのです。

アテローム血栓性脳梗塞に対する再生医療

治療困難な神経障害に対する新たな治療法として効果が期待されているのが、再生医療です。
再生医療では神経の元になる「幹細胞」を使用します。
幹細胞は様々な神経へ成長することができる万能な細胞で、代表的なものにiPS細胞や間葉系幹細胞があります。
体内へ移植された幹細胞は神経に成長する際に様々な修復因子や保護因子を分泌します。
脳梗塞で障害された部位で働くことで、神経を保護し自然回復をできるだけ引き出す作用が期待されます。
また神経へと成長した細胞が障害部位に定着し神経として作用するようになる、つまり神経を再生する効果が期待されています。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
アテローム血栓性脳梗塞に対しては、再生医療と最先端のリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
アテローム血栓性脳梗塞の症状にお悩みの患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

アテローム血栓性脳梗塞の症状についてのまとめ

アテローム血栓性脳梗塞について解説しました。
生活習慣病が原因となるため、正しい知識を持って日頃から対処していくことが重要です。
発症してしまった際にはFASTを思い出して、一刻も早い対応をするようにしましょう。

よくあるご質問

アテローム型脳梗塞の原因は?
アテロームは動脈硬化性病変であるため、高血圧や糖尿病、脂質異常症や肥満などの要因により発生します。脆弱なアテロームがあるところに急な血圧変化などが起こるとアテロームが破綻し脳梗塞発生の原因となります。

アテローム血栓性脳梗塞の特徴は?
アテロームは比較的太い血管に形成されるため、アテローム血栓性脳梗塞では血液が乏しくなる範囲が広く症状が多彩、または重くなることがあります。

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    <参照元>
    ・「アテローム血栓性脳梗塞とは」BRAIN NURSING 37(2), 2021
    ・「アテローム血栓性脳梗塞」薬局70(3), 2019

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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