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脊髄くも膜嚢胞とは

           

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この記事を読んでわかること

脊髄くも膜嚢胞とは
脊髄くも膜嚢胞の症状と診断
脊髄くも膜嚢胞の治療


脊髄は脳からの信号を体へ伝える重要な役割を担っています。
脊髄が障害されると脳と体のつながりが途絶えてしまい、様々な症状を引き起こします。
脊髄が障害される疾患には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などがあります。
これらは軟骨や骨、靱帯により神経が圧迫される疾患です。
神経が圧迫される要因には様々なものがあります。
この記事では液体がたまった袋が脊髄を圧迫する、脊髄くも膜嚢胞について紹介します。

脊髄くも膜嚢胞とは

くも膜嚢胞
脊髄は内側から軟膜、くも膜、硬膜という3枚の膜に覆われています。
くも膜と軟膜の間をくも膜下腔と呼び、ここにできるのが脊髄くも膜嚢胞です。
嚢胞」というのは液体を含んだ袋という意味であり、脊髄くも膜嚢胞は内部に髄液(正常でも脊髄の周りにある液体)を含んでいます。
生まれつき持っている場合と炎症や怪我により後から発生する場合があるとされています。
脳にできるくも膜嚢胞は0.5-1%程度の発生率とされていますが、脊髄にできるくも膜嚢胞はそれよりも低い頻度であると考えられています。

脊髄くも膜嚢胞の症状と診断

脊髄くも膜嚢胞は胸椎レベルの背中側、頚椎レベルの腹側にできることが多いとされ、神経を圧迫することで運動障害や感覚障害などの症状を起こします。
脊髄の障害では排尿や排泄の障害(膀胱直腸障害)を起こすことが多いのですが、本疾患ではその頻度は高くないとされています。
脊髄の障害が疑われる症状があれば検査が行われますが、レントゲン検査で脊髄くも膜嚢胞を診断することはできません。
脊髄くも膜嚢胞はMRI検査で発見することができます。
MRIは液体を含んだ袋を描出することが可能であり、同時に合併することのある脊髄空洞症を診断することができます。
脊髄の周りに造影剤を注入する脊髄造影でも診断につなげることができます。

脊髄くも膜嚢胞の治療

MRIなどの検査により脊髄くも膜嚢胞が発見されても、神経の症状が軽度である場合には経過観察されます。
徐々に嚢胞が大きくなる可能性もあるため、定期的な受診が必要と考えられます。
神経の症状が強い場合には、手術が行われます。
液体を含んだ袋を摘出することで、神経の圧迫を解除します。
手術を行った場合も術後の癒着などにより再発の可能性があるため、慎重に経過観察します。

脊髄くも膜嚢胞に対する再生医療

脊髄の障害は軽度であれば回復を望むことができますが、運動麻痺などの重い症状がすでに出現している場合、手術を行っても回復せず後遺症が残ることがあります。
手術は神経の圧迫を解除し障害をできるだけ軽くするために行いますが、傷ついた神経そのものを治療することはできないからです。
傷ついた神経を直接治療する方法はなく、新たな治療法が求められています。
その候補となりえるのが、再生医療です。
近年再生医療は目覚ましい進歩を遂げており、神経を対象とした治療が急拡大しています。
再生医療では神経の元になる幹細胞を治療に使用します。
体内に移植された幹細胞は増殖し神経に成長することで、神経の回復を促し機能を再生することが期待されています。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
脊髄くも膜嚢胞による脊髄障害に対しては、再生医療と最先端のリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
脊髄くも膜嚢胞の症状にお悩みの患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

脊髄くも膜嚢胞について紹介しました。
足のしびれなど脊髄に由来する症状はありふれたもので、特に検査を受けずに様子を見ている方も多いのではないでしょうか。
軽い症状であれば急ぐ必要はありませんが、本疾患のように思わぬ原因が隠れている場合がありますので、長引く場合には受診を検討されることをお勧めします。

よくあるご質問

脊髄くも膜嚢胞とは何ですか?
嚢胞は液体を含んだ袋のことで、それが脊髄の近くにできるのが脊髄くも膜嚢胞です。
嚢胞の内部は正常な髄液で満たされており、大きくなると神経を圧迫し脊髄の障害による症状を引き起こします。

脊髄くも膜嚢胞の症状は?
嚢胞が大きくなり神経を圧迫すると、運動麻痺や感覚障害など脊髄の障害による症状を起こします。
麻痺の程度が強くなると症状が確定し、圧迫を解除したとしても後遺症として症状が残存する可能性があります。

<参照元>
・「脊髄くも膜嚢胞の臨床的検討」Spinal Surgery 12(1)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/12/1/12_KJ00003737743/_pdf

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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