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なぜハーブが脳卒中予防に注目されているのか?

           

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この記事を読んでわかること

脳卒中の主な原因と、予防のために重要な生活習慣のポイントがわかる。
ハーブと医薬品の違い、および併用時の注意点がわかる。
脳卒中予防や脳の健康維持に役立つハーブの科学的根拠と特徴がわかる。


「ハーブ」の持つ抗酸化作用や血流改善効果に注目が集まっています。
この記事では、イチョウ葉やカモミールなど、脳卒中予防や脳の健康維持に効果が期待されるハーブについて、科学的な根拠とともに解説します。
また、医薬品とハーブの違いや併用時の注意点についても触れ、安心してハーブを取り入れるためのポイントを紹介します。

脳卒中の原因とハーブが持つ「補完的」役割

脳卒中の原因とハーブが持つ「補完的」役割
脳卒中は、脳梗塞と脳出血、くも膜下出血を合わせた脳血管障害のことです。
原因としては、脳梗塞の場合には動脈硬化などによって脳の血管が詰まり、脳の一部への血流が遮断あるいは減少することで、脳の組織が壊死してしまうことがあります。
また、脳出血やくも膜下出血の場合には、脳の血管が切れてしまったり、動脈瘤が破裂してしまったりすることで脳内に出血が起こります。
そういった出血によって脳内の圧力が高まり、脳細胞がダメージを受けてしまいます。

さて、脳卒中を未然に防ぐためには、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病予防、心房細動などの基礎疾患の適切な治療などが大切です。
脳卒中の中でも、特に脳梗塞の治療としては、発症から間もない場合には遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクティベータ(rt-PA、アルテプラーゼ)の静脈内投与や、血栓吸引カテーテルを用いた機械的血栓回収療法などが用いられます。

また、こうした西洋医学に加えて、伝統的なハーブ医療(THM)が中国などで行われてきました。
伝統的なハーブ医療は神経学的な機能の改善に優れており、脳卒中からの回復を助けることが示されているという研究報告もあります。

薬との違いと併用の注意点

ハーブは自然由来の植物成分を活用したもので、健康維持や体調の調整を目的として用いられることが多いですが、医薬品とは大きく異なります。
薬は特定の病気や症状に対して、効果や副作用が科学的に検証され、厳密な用量や使用方法が定められています。
一方で、ハーブの場合は、効果や安全性に関する十分なデータがそろっていないことも多く、作用の強さや成分のばらつきがみられることがあります。
また、ハーブと薬を併用する際には注意が必要です。
中には、薬の効き目を強めたり弱めたりするものがあり、思わぬ健康被害につながることもあります。
例えば、イチョウ葉やカモミールなどは、血をサラサラにする薬と併用することで出血しやすくなる可能性があります。
ハーブは自然のものだから安全だと思われがちですが、体への影響は薬と同様に慎重に考えるべきです。
現在服用している薬がある場合や、持病がある人は、ハーブを使用する前に必ず医師や薬剤師に相談することが大切です。
安心して取り入れるためには、専門家の意見を踏まえたうえで、自分の体調や状況に合った使い方をするようにしましょう。

ハーブに含まれるポリフェノールと抗酸化作用の科学的根拠

ハーブに含まれるポリフェノールと抗酸化作用の科学的根拠
ポリフェノールには、体内の酸化ストレスを抑える「抗酸化作用」があり、血管の健康を守る働きが期待されています。
ここでは、脳卒中予防の観点から注目されている5つのハーブとその成分について、科学的な視点からやさしく紹介します。

イチョウ葉(ギンコビロバ)

イチョウ葉には、フラボノールやテルペンラクトンという成分が含まれており、血流改善や記憶力の維持に役立つとされています。
脳の血流を増やすことで、脳機能のサポートや、軽度の認知機能障害(MCI)などに効果がある可能性が示されています。
また、アルツハイマー病の動物実験では、イチョウエキスが記憶障害の進行を抑える結果も報告されています。

カモミール

カモミールの花に含まれるアピゲニンなどのフラボノイドには、穏やかな鎮静作用があるとされ、不眠やストレスの緩和に役立ちます。
最近の研究では、血圧を下げる働きや、炎症・酸化ストレスの抑制による心臓への保護効果も報告されています。

お茶として手軽に取り入れられるのも魅力のひとつです。

レモングラス

レモングラスに含まれる「シトラール」という香り成分には、血管をゆるめて血圧を下げる作用があります。
また、尿と一緒に余分な塩分を排出する働きもあり、高血圧の予防に役立つと考えられています。
香りがよく、リラックス効果も期待できます。

ローズマリー

ローズマリーは、ロズマリン酸やカルノシン酸といった強力な抗酸化成分を含んでおり、脳の老化を防ぐ働きがあるとされています。
アルツハイマー病の進行に関与するアミロイドβの影響を抑える可能性も示されており、認知機能のサポートにも期待が寄せられています。

バコパモニエラ

インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」で使われてきたバコパモニエラ(別名ブラーフミー)は、記憶力や学習能力を高めるハーブとして知られています。
抗酸化作用を持つバコサイドという成分が神経細胞を保護し、ストレス軽減にもつながると考えられています。
ただし、人によっては消化器の不調を感じることがあるため、使用には注意が必要です。

まとめ

今回の記事では、ハーブが脳卒中予防や脳の健康を保つ働きがある点について詳しく解説しました。
脳卒中を発症すると、手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残ってしまうことも多いです。
残された機能の改善にはリハビリテーションが重要です。
ニューロテック、脳梗塞脊髄損傷クリニックなどでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
再生医療についてご興味のある方は、公式HPをぜひ参考にしてみてください。

よくあるご質問

ハーブの効果効能は?
一部のハーブには、血流改善や抗酸化、鎮静作用などがあり、脳卒中予防やストレス緩和に役立つ可能性があるとされています。
ただし、効果には個人差があり、科学的根拠が不十分なものもあるため、使用時には注意が必要です。

ローズマリーの効能は脳にどんな影響がありますか?
ローズマリーに含まれる抗酸化成分(ロズマリン酸やカルノシン酸)は、脳の老化を防ぎ、認知機能の低下を抑える働きがあると考えられています。
アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβへの作用も研究されています。

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    1:Stroke – Symptoms and causes – Mayo Clinic.:https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/stroke/symptoms-causes/syc-20350113
    2:脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕:https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2023.pdf
    3:Hao DL, Li JM, Xie R, Huo HR, Xiong XJ, Sui F, Wang PQ. The role of traditional herbal medicine for ischemic stroke: from bench to clinic-A critical review. Phytomedicine. 2023 Jan;109:154609. doi: 10.1016/j.phymed.2022.154609. Epub 2022 Dec 17. PMID: 36610141.:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36610141/
    4:薬とハーブの相互作用について知っておくべき6つのこと[コミュニケーション]:https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/communication/c03/44.html
    5:Ge W, Ren C, Xing L, Guan L, Zhang C, Sun X, Wang G, Niu H, Qun S. Ginkgo biloba extract improves cognitive function and increases neurogenesis by reducing Aβ pathology in 5×FAD mice. Am J Transl Res. 2021 Mar 15;13(3):1471-1482. PMID: 33841671; PMCID: PMC8014356.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8014356/
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    8:Bacopa monnieri – StatPearls – NCBI Bookshelf:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK589635/
    9:Ghasemzadeh Rahbardar M, Hosseinzadeh H. Therapeutic effects of rosemary (Rosmarinus officinalis L.) and its active constituents on nervous system disorders. Iran J Basic Med Sci. 2020 Sep;23(9):1100-1112. doi: 10.22038/ijbms.2020.45269.10541. PMID: 32963731; PMCID: PMC7491497.

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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