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視神経脊髄炎と多発性硬化症の違いと基本知識

           

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この記事を読んでわかること

視神経脊髄炎の症状がわかる
多発性硬化症の症状や特徴がわかる
視神経脊髄炎と多発性硬化症の診断方法の違いがわかる


視神経脊髄炎と多発性硬化症はどちらも自己抗体によって自身の神経細胞が破壊される自己免疫性疾患です。
病態が似ており、元々視神経脊髄炎は多発性硬化症の1つの亜型と考えられていましたが、最近の研究では両者の違いも発見されており、区別されています。
そこでこの記事では、視神経脊髄炎と多発性硬化症の違いについて詳しく解説します。

視神経脊髄炎の症状と特徴

視神経と脳
視神経脊髄炎とは、自身の免疫細胞が自分の神経細胞を敵と見なし、誤って攻撃してしまうことでさまざまな症状をきたす自己免疫性疾患の1つです。
特に、視神経脊髄炎では免疫細胞が視神経(視覚を司る神経)・大脳・脊髄などを攻撃するため、その攻撃部位によって出現する神経症状もさまざまです。
主な症状として下記のような症状が挙げられます。

  • 視神経:視力低下・目のかすみ・目の痛み
  • 大脳:麻痺などの運動機能障害やしびれなどの感覚機能障害・認知機能低下
  • 脊髄:麻痺などの運動機能障害やしびれなどの感覚機能障害・自律神経障害

上記のように、障害部位によってさまざまな症状が出現しますが、特に視神経脊髄炎ではその名の通り、視神経症状が特徴的です。
元々は多発性硬化症の1つの病型と考えられていましたが、医学の発達とともに、視神経脊髄炎の発症患者には自己抗体の1つである抗アクアポリン4抗体が多く認められることがわかり、別の病気として考えられるようになりました。
自己免疫性疾患であることは判明しておりますが、なぜ発症してしまうのかの詳しいメカニズムはこれまで解明されておらず、遺伝的・環境的要因が複雑に関与していると推察されています。
日本には約4000人の発症者がいると推定されており、女性が男性の約10倍も多い点が特徴的です。

多発性硬化症の進行と影響

多発性硬化症も、視神経脊髄炎と同じ中枢神経系を対象とした自己免疫性疾患の1つです。
体内の神経組織は大きく下記のように大別されます。

  • 中枢神経:脳や脊髄
  • 末梢神経:脊髄から分岐する神経
  • (多発性硬化症は、あくまで中枢神経系のみを攻撃対象とする自己免疫性疾患であり、疾患として下記のような特徴を持ちます。)

  • 時間的多発性:再発と寛解を繰り返して、長期的には悪化していく
  • 空間的多発性:障害部位に連続性がなく、多部位が障害を受ける

多発性硬化症を発症した場合、その進行ペースや影響は個人差が非常に大きく、予測することは困難です。
一時的に症状が改善する寛解期の持続期間は、数ヶ月〜10年以上と大きく幅があり、人によって経過も異なります。
中には、急速に症状が悪化して日常生活に困窮する方もいるため、症状が良くなったからと言って油断できる病気ではありません。
これまでの統計からいえば、発症者の約25%の方は車イスが必要となり、約60%の方は通常の生活を維持できなくなると言われています。
一方で、よほど重症化しない限り寿命には影響しないというデータもあり、興味深いところです。
また、喫煙や緯度・日照時間・ビタミンDなどが発症に関与していると考えられており、視神経脊髄炎と同様に遺伝・環境要因がともに関与していると考えられています。

二つの病気の違いと診断方法

視神経脊髄炎と多発性硬化症の大きな違いは下記の2点です。

  1. 視神経脊髄炎では自己抗体である抗アクアポリン4抗体陽性者が多い
  2. 視神経脊髄炎では、多発性硬化症ではほとんど見られない吃逆・嘔吐・傾眠などの症状が出現する

前述したように、元々は多発性硬化症のサブタイプの1つとして考えられていた視神経脊髄炎では、出現する症状や病態は非常に類似しています。
とはいえ、視神経脊髄炎発症者には多発性硬化症では認めない抗アクアポリン4抗体陽性者が多く、吃逆・嘔吐・傾眠などの症状を認めます。
そのほか、疫学的にも違いがあり、多発性硬化症では男女比1:2〜3であるのに対し、視神経脊髄炎では1:10程度です。
また、診断方法は主に頭部MRI検査や髄液検査を用います。
頭部MRI検査によって脳の形態学的評価を行い、髄液検査で脳や脊髄における炎症の有無を判定します。
特に視神経脊髄炎では頭部MRI検査によって視神経に強い症状が出現する点が特徴的です。
とはいえ、これだけでは視神経脊髄炎と多発性硬化症をはっきり鑑別することは難しく、こと視神経脊髄炎においては抗アクアポリン4抗体の検出が診断に有用です。

まとめ

今回の記事では、視神経脊髄炎と多発性硬化症の違いについて詳しく解説しました。
どちらの疾患も中枢性自己免疫性疾患であり、原因不明に出現した自己抗体によって神経細胞が破壊されていく病気です。
それぞれ経過は異なり、視神経脊髄炎は再発するものの徐々に悪化していくことは稀ですが、多発性硬化症ほ徐々に悪化する経過を辿ることが一般的です。
障害された神経細胞は一般的には改善・再生しないため、出現した神経症状に対しての根治的な治療は現状見当たりません。
一方で、視神経脊髄炎や多発性硬化症の神経症状に対しては、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、脳脊髄損傷部の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「再生医療×同時リハビリ™」によって、これまで根治できなかった神経症状の改善・再生が期待できます。

Q&A

多発性硬化症になりやすい人は?
民族的要因でいえば、欧米白人に多く、日本人は比較的発症率の低い民族と認識されています。
特に高緯度地域に住む人で発症率が高く、日照時間やビタミンDなどの要因が影響していると推察されていますが、明確な発症要因は不明です。

視神経脊髄炎は何人に1人ですか?
視神経脊髄炎は、国内で約4000人以上の患者がいると推測されており、人口10万人あたり5人程度の発症と推測されています。
特に30〜40代で発症しやすいと言われていますが、高齢者でも発症することがあるため、注意が必要です。



貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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