この記事を読んでわかること
側弯症の概要がわかる。
側弯症の割合がわかる。
側弯症の程度に応じた対策がわかる。
側弯症は一般的には稀な疾患ですが、特に小児では発症しやすい病気であり、進行すれば痛みや神経障害をきたす可能性があります。
一方で、早期発見し、軽症のうちから適切に対策すれば進行抑制や変形悪化の予防が期待できる可能性もあります。
そこで、この記事では側弯症の割合や重症度に応じた対策を紹介します。
側弯症とは
側弯症とは、正面から脊椎を見た時に左右に曲がっている状態を指し、心理的・身体的にさまざまな症状をきたす疾患です。
原因はさまざまであり、原因や発症年齢によって下表のように分類されます。
| 機能性側弯 (症状が一時的) |
椎間板ヘルニア(背骨の緩衝材である椎間板が飛び出してしまう病気)などによって一時的に変形した状態 | |
|---|---|---|
| 構築性側弯 (脊椎のねじれが自然には元に戻りにくい) |
特発性側弯症(原因がわからない側弯症) |
・3歳以下:乳幼児期側弯症 ・4〜9歳:学童期側弯症 ・10歳以降:思春期側弯症 |
| 原因である病気がわかっている側弯症 |
・先天性側弯症:生まれつき脊椎が変形した状態 ・神経・筋原性側弯症:脊髄空洞症、脳性麻痺、筋ジストロフィーなどの神経・筋疾患に伴う側弯症 ・神経線維腫症(遺伝性疾患)に伴う側弯症 ・間葉系疾患(結合組織などが脆くなる病気)による側弯症:マルファン症候群など ・その他の側弯症:放射線治療・感染・腫瘍などの発症に伴う側弯症 |
|
上表のうち、一般的に多くの方が側弯症と呼ぶのは特発性側弯症のことで、実際に全ての側弯症のうち、80〜85%を占めます。
側弯症の割合

「珍しい病気にかかってしまったのでは?」とご不安な方も少なくないと思いますが、側弯症は決して珍しい病気ではありません。
特に側弯症を発症しやすい小児で言えば、約1〜2%の子どもで発症することが知られています。
また、男児よりも女児の方が発症率が高いことが知られており、好発年齢である13〜14歳の女児では有病率2.5%という報告もあります。
発症者の約4〜7割は学校検診で指摘されることが多く、予防的観点からも学校検診は重要です。
また、側弯の程度、いわゆるコブ角(上下で最も傾いている背骨どうしのなす角度 )によっても発症頻度は異なり、具体的には下記の通りです。
- コブ角10度以上:全体の約2〜3%
- コブ角20度以上:約0.3〜0.5%
- コブ角30度以上:約0.1〜0.3%
- コブ角40度以上:0.1%未満
データからもわかる通り、全体としては決して珍しくないものの、コブ角に比例して発症頻度も下がっているため、重症のケースは稀であることがわかります。
また側弯症は程度によって取るべき対策も異なるため、側弯症を指摘されたとしても冷静に自身の重症度を把握することが重要です。
側弯症の程度にあった取るべき対策
側弯症は程度によって取るべき対策も異なり、具体的には下記のような違いがあります。
- コブ角25度未満の軽症者:定期的な検査(経過観察)
- コブ角25度〜45度程度の中等度:装具療法
- 重症例または進行リスクが高い場合:手術療法
コブ角25度未満の軽症者の場合、装具療法や手術療法などの積極的な治療は行わず、3〜12ヶ月毎の定期的なレントゲン撮影、ならびに整形外科医の診察で進行度の変化を確認します。
また、仮にコブ角が25度以上であっても年齢が15歳以降で骨の成長が止まる段階であれば、経過観察となることが多いです。
しかし、変形が進行してコブ角が25度〜45度程度の中等度に進行した場合は装具療法を行います。
コルセットなどの特殊な装具を毎日装着することで体の外から脊椎の変形を矯正し、骨が成熟して側弯の進行が止まれば治療は終了となります。
一方で、発見時点ですでに重症、もしくは重症への進行が強く予想される場合は手術療法が最適な選択肢です。
特に10〜12歳の場合、コブ角30度以上の側弯は90%の確率で、コブ角60度以上の側弯の場合は100%の確率で進行することが知られています。
骨の成長が終わる18歳以上であっても、コブ角40度以上の側弯は0.5〜1度/年間の進行を認めると報告されており、注意が必要です。
以上のように、発症年齢やコブ角の程度から手術の必要性を判断し、手術のリスク(出血や術後神経障害など)を上回るメリットがあれば手術を行います。
まとめ
この記事では側弯症の割合や取るべき対策について詳しく解説しました。
側弯症は風邪や腸炎のように一般的な病気ではありませんが、特に小児では決して珍しい病気ではなく、早期発見・早期対策すれば手術以外の治療での改善も見込めます。
側弯症を指摘された方は、まずは自身の程度や症状を把握し、早期に医療機関に受診しましょう。
ニューロテック
重症の側弯症では周囲を走行する脊髄が損傷する可能性があり、神経障害を生じる可能性も少なくないため、患者さん自身の生活の質(QOL)を大きく左右します。
神経障害は基本的に改善が難しい症状ですが、近年では、神経障害が「治る」を当たり前にする取り組みとして注目されている「ニューロテック®」という考え方があります。
これは、神経障害に対して「狙った脳・脊髄の治る力を高める」再生医療「リニューロ®」を軸とするアプローチで、骨髄由来間葉系幹細胞や神経再生リハビリ®を組み合わせた治療法です。
側弯症や側弯症の手術に伴う神経障害に対しても、今後このような先進的な治療法が希望となる可能性があります。
回復への選択肢を広げるためにも、医療機関と連携しながら一人ひとりに合った支援を継続することが大切です。
よくあるご質問
- 側弯症はどんな人で発症しやすい病気ですか?
- 側弯症は特に小学生高学年から中学生で発症しやすく、男児に比べて女児の方が発症しやすいことが知られています。
また遺伝的要因も指摘されており、家族に発症者がいる場合は注意が必要です。 - 成人でも側弯症を発症しますか?
- 成人も側弯症を発症する可能性があります。
小児期の側弯症がそのまま徐々に進行して大人になって重症化する可能性や、大人になって発症した椎間板ヘルニアなどが原因で側弯症になる可能性もあります。
<参照元>
(1)側弯症とは(知っておきたい側弯症)|日本側弯症学会:
https://www.sokuwan.jp/patient/disease/cause.html
(2)側弯症|慶應義塾大学病院:
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000181/
(3)側弯症の基礎|J STAGE:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspo/25/4/25_177/_pdf/-char/ja
(4)特発性側弯症|滋賀県立総合病院:
https://www.pref.shiga.lg.jp/mccs/shinryo/sekegeka/shikkan/301357.html?utm_source=chatgpt.com













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