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頭痛持ちでも気付きにくいくも膜下出血の前兆とリスク

           

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この記事を読んでわかること

慢性的な頭痛とくも膜下出血の頭痛の違いがわかる。
高血圧や喫煙がくも膜下出血のリスク要因となることがわかる。
頭痛とともに気をつけたい他の体の異常がわかる。


単なる頭痛と侮っていたところ、くも膜下出血の前触れであったということがあります。
そのため、頭痛を甘くみることは禁物です。
今回の記事では、慢性的な頭痛とくも膜下出血の頭痛の違いを解説し、高血圧や喫煙などのくも膜下出血のリスク要因、頭痛とともに気をつけたい他の体の異常について解説します。

慢性的な頭痛とくも膜下出血の頭痛の違いを解説

慢性的な頭痛とくも膜下出血の頭痛の違いを解説
頭痛は、誰しもが経験しうる、ありふれた症状です。
命に関わることがないような頭痛から、くも膜下出血に伴う頭痛などのように、緊急に対応しなければ命の危険にさらされてしまうような頭痛まで、さまざまなものがあります。
そもそも、頭痛はなぜ起こるのでしょうか。
脳の実質は痛みを感じることはありません。
実際には、脳を覆う硬膜という膜や、その膜に分布する硬膜動脈と脳の動静脈が痛みを感じるのです。
その他にも、痛みを感じる器官は脳の他にも、皮膚や筋肉、骨の膜、副鼻腔、眼球、歯などに存在しています。
(参照サイト:初心者・心理職のための臨床の知 ここがポイント!〜病態編〜 第9回 頭痛.2016;56(8):833-838.|J STAGE)

一次性頭痛と二次性頭痛

さて、頭痛は大きく、一次性頭痛と二次性頭痛というように分けられています。
一次性頭痛は、血管や神経、筋肉などの機能に異常があり、頭痛が起こるものです。
頭のCT検査や血液検査では明らかな異常は認められないのですが、機能の異常はあるので、心因性ではありません。
こうした一次性頭痛には、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛が含まれます。
これらのうち、特に片頭痛や緊張性頭痛は慢性的な頭痛の中でも主なものとなります。
そして、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
一方、二次性頭痛は、脳腫瘍による頭痛や、脳卒中による頭痛など、頭痛を起こす器質性の疾患があり、その症状として頭痛が現れるものです。
脳卒中の中でも、特にくも膜下出血の症状として頭痛が見られることが広く知られています。

慢性的な頭痛とくも膜下出血の頭痛の見分け方

さて、慢性的な頭痛とくも膜下出血の頭痛の見分け方にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、慢性的な頭痛の代表として、片頭痛を取り上げましょう。
くも膜下出血による頭痛は、後頭部を突然ハンマーで殴られたような、あるいは頭が割れるような頭痛と表現されることが多いとされています。
しかし、片頭痛であっても、脈に合わせたような激痛が起こり、吐き気や嘔吐を催すこともたびたびみられます。
そのため、症状からはくも膜下出血との見分けがつきにくいこともしばしばあります。
一方、片頭痛の場合には、発作が始まってからすぐのタイミングで血管収縮性を持つ酒石酸エルゴタミンという薬が奏功することが多いです。
また、発作が出ていない時に、予防的に抗セロトニン薬やβアドレナリンブロッカー、カルシウム拮抗薬といった薬で症状をコントロールすることが可能です。
「片頭痛持ちの方が、いつもの頭痛と思って薬を飲んでも一向に効かない」という場合に、実はくも膜下出血であった、ということは実際の医療現場でもみられることです。
(参照サイト:3.くも膜下出血と頭痛.日内会誌.1993;82:55-59.|J STAGE)
その他の違いとしては、くも膜下出血の場合には物が二重に見える(複視)といった症状や、首が固くなってしまい曲がらなくなる(項部硬直)が現れたり、重症の場合には意識を失ってしまうこともあったりすることなどがあります。
(参照サイト:くも膜下出血(SAH) – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 – MSDマニュアル家庭版)
また、くも膜下出血はCTやMRIといった画像検査で異常が見つかることも、片頭痛などの慢性的な頭痛との違いとなります。

高血圧や喫煙が引き起こすくも膜下出血のリスク要因

高血圧や喫煙が引き起こすくも膜下出血のリスク要因
くも膜下出血の原因として最も多いのは、脳の動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破裂することです。
動脈瘤は、生まれつきある場合(先天性)と、長年にわたる高血圧によって起こる後天的なものがあります。
くも膜下出血の原因となるような動脈瘤の多くは先天性のものです。
動脈瘤の破裂による出血は40〜65歳の方に多くみられるということもいわれています。
しかし、動脈瘤が破裂するリスクとしては、高血圧は重要です。
また、喫煙によって脳の動脈の動脈硬化や血栓の形成、炎症反応が引き起こされることが知られています。
それによって、脳梗塞やくも膜下出血の発症、および死亡リスクが高まってしまいます。
脳の健康のためには、血圧を適切にコントロールすることと、禁煙が鍵となるのです。
(参照サイト:喫煙と循環器疾患 | e-ヘルスネット(厚生労働省))

頭痛とともに気をつけたい他の体の異常とは?

くも膜下出血が起こると、頭痛の他にも様々な症状が現れます。
さらに、大きな出血が起こる前にも、複視や激しい頭痛が警告症状として現れる場合があります。
そのような場合には、医療機関を受診するようにしてください。
また、大きな動脈瘤の破裂によって、以下のような症状が現れます。

  • 頭痛(時に、雷鳴頭痛と呼ばれるほどの突然の激しい頭痛)
  • 顔面や眼の痛み
  • 複視、かすみ目
  • 項部硬直

こうした症状が見られる場合には、早急に脳神経内科あるいは救急科を受診しましょう。

まとめ

今回の記事では、慢性的な頭痛とくも膜下出血の頭痛の違いを解説し、高血圧や喫煙などのくも膜下出血のリスク要因、頭痛とともに気をつけたい他の体の異常について解説しました。
頭痛持ちの方でも、「いつもと様子が違うな」と思うような症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。
くも膜下出血は致死率も高く、助かったとしても記憶障害や運動麻痺、失語症などの後遺症が残ることも少なくありません。
脳卒中後の後遺症を軽減するためには、早期からのリハビリが重要です。
その中で、再生医療を活用した治療法が注目されています。
当院「ニューロテック」や「脳梗塞脊髄損傷クリニック」では、脳卒中・脊髄損傷の専門医が、再生医療を取り入れた治療を提供しています。
具体的には、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳や脊髄損傷部の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
ご興味のある方はぜひ一度当院までご相談くださいね。

よくあるご質問

片頭痛がくも膜下出血の前兆となる症状は?
くも膜下出血の前兆として、今まで経験したことのない激しい頭痛(雷鳴頭痛)が現れることがあります。
特に、突然の強烈な痛みが数秒〜数分でピークに達する場合は注意が必要です。
また、吐き気や嘔吐、意識障害を伴う場合は、早急に医療機関を受診してください。

危ない頭痛の特徴は?
突発的で激しい痛み(雷鳴頭痛)、今までに経験したことのない頭痛、意識障害や手足のしびれを伴う頭痛、発熱や嘔吐を伴う頭痛などは危険なサインです。
特に、動脈解離やくも膜下出血、脳腫瘍などが原因の可能性があるため、すぐに医療機関を受診することが重要です。

<参照元>
1:初心者・心理職のための臨床の知 ここがポイント!〜病態編〜 第9回 頭痛.2016;56(8):833-838.|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/56/8/56_833/_pdf
2:3.くも膜下出血と頭痛.日内会誌.1993;82:55-59.|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/
3:くも膜下出血(SAH) – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 – MSDマニュアル家庭版:https://www.msdmanuals.com/
4:喫煙と循環器疾患 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-03-002.html
・脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血後の言語性記憶の特徴.Jpn J Rehabil Med.2012;49(9):625-630.|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/49/9/49_625/_pdf

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PROFILEこの記事の監修
貴宝院 永稔
貴宝院 永稔 医師
(大阪医科薬科大学卒業)
  • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
  • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
  • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
  • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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