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脳を守るなら知っておきたい添加物と脳卒中リスクの関係

           

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この記事を読んでわかること

脳卒中を防ぐために注意すべき食品添加物がわかる。
食品添加物が血管や脳の炎症に与える影響がわかる。
添加物を避けるための日常の工夫がわかる。


食品添加物の中には、血管にダメージを与えたり、脳の炎症を促進したりする可能性があるものも存在します。
たとえばリン酸塩や亜硝酸塩、トランス脂肪酸などは、過剰摂取によって脳卒中リスクを高めるおそれがあります。
本記事では、これらの添加物が脳や血管に与える影響について解説します。
ぜひ参考にしてみてください。

リン酸塩・亜硝酸塩・トランス脂肪酸など血管に悪い添加物

リン酸塩・亜硝酸塩・トランス脂肪酸など血管に悪い添加物
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳卒中の予防のためには、毎日の食事に気をつけたいものですね。
しかし、食品の中には、脳の健康を守る上で注意したいものもあります。
例えば、リン酸塩や亜硝酸塩、トランス脂肪酸といった添加物は、過剰に摂取すると血管にダメージを与えてしまう可能性が示唆されています。

リン酸塩

リン酸そのものは、肉やジャガイモ、パンなどに自然に含まれています。
食品中の天然のリン酸は、消化管からは40〜60%程度の吸収率です。
一方、食品添加物や保存料としてのリン酸塩は、こうした天然のリン酸よりも消化管からより効率よく、つまりたくさん吸収されます。
リン酸塩は加工肉やハム、ソーセージ、缶詰の魚、焼き菓子、コーラ、その他のソフトドリンクに大量に添加されていることがあります。
動物のモデルではありますが、リン酸が心血管系に損傷を引き起こしたり、あるいは老化を促進したりすることがわかっています。
また、動物のエサに添加されるリン酸塩は、筋肉や皮膚の萎縮、慢性腎不全の進行、心血管石灰化など、加齢に伴う臓器合併症を加速させます。
人間でも、同様のことが起こる可能性が懸念されています。

亜硝酸塩

亜硝酸塩は、硝酸塩とともに防腐作用や加工肉をピンク色に加工するため、食品添加物として広く使用されています。
食物由来の亜硝酸塩と硝酸塩は、心臓の血管に対してプラスに働く可能性が示唆されています。
しかし、食品添加物由来の亜硝酸塩は、過剰に摂取することで高血圧リスクの上昇につながるという研究データもあります。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、植物油に水素を添加する工程で生成されることがほとんどです。
水素を添加した油は製造コストが安く、保存期間も長いため、揚げものにこの油を使っているレストランもあります。
しかし、北米やヨーロッパの一部の地域では、レストランなどでトランス脂肪酸の使用を制限あるいは禁止する法律も制定されています。
トランス脂肪酸は焼き菓子や揚げ物などに含まれている可能性があり、LDLコレステロール(いわゆる「悪玉」コレステロール)を上昇させ、HDLコレステロール(いわゆる「善玉」コレステロール)を低下させます。
これによって、心臓発作や脳卒中のリスクを高めるとされています。

日本では、特にトランス脂肪酸の基準は設けられていません。
しかし、WHO(世界保健機関)は、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えることを推奨しています。
日本では、平均値で総エネルギー摂取量の0.3%とわかっているため、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられています。

ただし、スナック菓子や菓子パンを頻繁に食べる人は注意が必要です。

脳の炎症を促進する添加物とその摂取源とは?

脳の健康を守るという観点から、知っておきたい食品添加物もあります。
食事中のアルミニウムが、脳の炎症を促進する可能性があると示唆する研究報告があります。
アルミニウムをたくさん摂取すると、脳内の炎症性サイトカインレベルの上昇、並びにグリア細胞の活性化につながる可能性があるのです。

グリア細胞は炎症物質を放出し、神経の炎症がさらに促進されるというメカニズムが考えられています。

アルミニウムは一部の菓子パン焼き菓子、揚げ菓子などに用いられるベーキングパウダーなどの膨張剤や、ナスの漬物やしその見漬などの色止め剤などに含まれています。
日本では、加工食品由来のアルミニウム摂取量には使用基準値が設定されており、過度な偏食をしなければ過剰な摂取にはならないと考えられます。

コンビニ・外食に多い“無意識添加”をどう減らすか?

コンビニ・外食に多い“無意識添加”をどう減らすか?
自分で作った食事以外では、材料に何が含まれているかを正確に知ることは難しい場合が多いでしょう。
菓子パンやお菓子、加工食品などをコンビニなどで購入したり、外食での揚げ物にトランス脂肪酸が含まれていたりといったことはあるかもしれません。
もしも添加物に注意したい場合には、なるべく自炊をすること、食品に「無添加」などの表示があるかどうかを確かめること、なども効果的かと考えられます。
また、揚げ物を避けたり、スープなどを飲み干さないといったことも良いかもしれません。
過度に注意する必要はありませんが、外食やコンビニ食などで済ませることが続くと、野菜や魚、肉、米などをバランスよく食べるようにするには難しいかもしれません。
加工食品やコンビニ食、外食も便利であり、たまにということであれば良いでしょう。
しかし、基本的には自分で食べるものの中身は自分で知っておく、といったスタンスが健康維持には必要なのではないでしょうか。

まとめ

今回の記事では、脳を守るために知っておきたい添加物について解説しました。
特に、トランス脂肪酸についてはその脳卒中リスクの上昇という点で規制されている国もあります。
日本では、平均的な摂取量はWHOの推奨量を下回っていますが、偏食などによって摂り過ぎてしまう可能性もあるでしょう。
バランス良い食事を心がけ、加工食品や外食に頼り過ぎない食生活を目指していきましょう。
万が一脳卒中になってしまった場合には、後遺症の改善のためにリハビリテーションが重要になります。
当院ニューロテックメディカルは、再生医療とリハビリを組み合わせた狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療「リニューロ®」に取り組んでいます。
ご興味のある方は、公式HPをご覧ください。

よくあるご質問

添加物は脳梗塞の原因になりますか?
食品添加物そのものが直接的な脳梗塞の「原因」と断定されているわけではありませんが、リン酸塩やトランス脂肪酸など一部の添加物は、血管にダメージを与えたり動脈硬化を進行させる可能性があります。
こうした血管への負担が、長期的には脳梗塞のリスクを高める要因の一つになると考えられています。

脳梗塞に悪い食べ物は?
加工肉やファストフード、菓子パン、インスタント食品などに多く含まれる添加物やトランス脂肪酸は、血管の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、過剰な塩分・脂質・保存料の摂取が重なると、動脈硬化や高血圧を進行させ、結果として脳梗塞のリスクを高めることがあります。
日々の積み重ねが大切です。

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    1Ritz E, Hahn K, Ketteler M, Kuhlmann MK, Mann J. Phosphate additives in food–a health risk. Dtsch Arztebl Int. 2012 Jan;109(4):49-55. doi: 10.3238/arztebl.2012.0049. Epub 2012 Jan 27. PMID: 22334826; PMCID: PMC3278747.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3278747/
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    3Trans fat is double trouble for heart health – Mayo Clinichttps://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-cholesterol/in-depth/trans-fat/art-20046114
    4トランス脂肪酸に関するQ&A|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091319.html
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    6アルミニウムに関する情報 |厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/aluminium/index.html

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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