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ココアの抗酸化作用が脳血管疾患予防に与える影響とは?

           

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この記事を読んでわかること

動脈硬化と活性酸素の関係性がわかる
ココアによる抗酸化作用のメリットがわかる
ココアによる血管拡張作用のメカニズムがわかる


ココアに含まれるカカオポリフェノールには、人体にとってさまざまな有益な効果効能があり、特に血管拡張作用と抗酸化作用が有用です。
どちらも血流促進をもたらし、脳梗塞や脳出血などの疾患の発症予防に寄与します。
この記事では、ココアの抗酸化作用が脳血管疾患予防に与える影響について詳しく解説します。

活性酸素と動脈硬化の関係性とココアの役割

活性酸素と動脈硬化の関係性とココアの役割
まず、活性酸素とは呼吸によって取り込まれた酸素が活性化した状態のものであり、細胞伝達物質や免疫機能としての働きを持ちます。
しかし、紫外線や局所のストレス、喫煙などによって過剰に活性酸素が発生すると、動脈硬化を招く原因となるため、注意が必要です。
動脈硬化のメカニズムは下記の通りです。

  1. 高血圧や糖尿病によって血管内皮細胞が損傷する
  2. その微細な傷から血液中を流れるLDLが血管壁内に入り込む
  3. 血管壁内でLDLは活性酸素などによって酸化LDLに変換されて、マクロファージに貪食される
  4. 酸化LDLを貪食したマクロファージは泡沫細胞となり血管内膜の裏側に蓄積する
  5. その結果、アテロームと呼ばれるコブが形成され、血管内腔が狭くなる

以上のようなメカニズムで動脈硬化が進み、血管壁は硬く・脆く変性し、内腔の狭小化が進みます。
体内に過剰に発生した活性酸素は、血液中のLDLの酸化を促してしまうため、結果として動脈硬化の進展を引き起こしてしまいます。

そこでおすすめなのが、活性酸素を除去する抗酸化作用を持つ食材の摂取であり、特におすすめはココアです。
ココアにはカカオポリフェノールがふんだんに含まれており、このカカオポリフェノールには強力な抗酸化作用があるため、体内に蓄積した活性酸素を除去しLDLの酸化を予防することで動脈硬化の進展も予防する効果が期待できます。

カカオポリフェノールの血流改善効果

また、カカオポリフェノールのは抗酸化作用以外にも人体にとって下記のような有益な効果を認めます。

  • 血管拡張作用
  • アンチエイジング効果
  • アレルギーの改善
  • 認知機能の改善

中でも、カカオポリフェノールには抗炎症作用を認め、血管壁内における炎症を抑制することで、炎症によって狭小化した血管内腔の拡張効果を得ることができ、血圧低下に有用です。
実際に、2008年にGrassiらによって報告された研究では、ホワイトチョコレート(カカオポリフェノールが含まれない)と通常のチョコレート(カカオポリフェノールを含む)を15日間、1日に約500kcal摂取させることで、血圧にどのような影響が出るかを検証しています。
その結果、通常のチョコレート群では収縮期血圧・拡張期血圧ともに低下を認めましたが、ホワイトチョコレート群では低下が認められませんでした。
一方で、チョコレート自体のカロリーも高く、血圧が低下してもBMI(肥満度)の増加リスクを伴うため、カカオポリフェノールを多く含む「高カカオチョコレート(カカオ70%以上)」の摂取を推奨しています。

日常生活でのココアの効果的な摂取タイミング

日常生活でのココアの効果的な摂取タイミングは、ココアにどのような効果を期待して摂取するかによっても異なります。
例えば、ホットココアには精神的なリラックス効果や安眠効果を認めるため、眠れない方や不眠の方は就寝の2時間ほど前に1回飲むことが効果的です。
またココアのカカオポリフェノールにはインスリン感受性の改善効果も認められるため、血糖値を下げる効果も期待できます。
そのため、朝と夜の食前に1杯ずつ摂取することで食事摂取に伴う血糖値の上昇を予防することができます。
さらに、血流促進作用を認めるため、起床時や運動前に摂取することでより高い身体的パフォーマンスを得られる可能性があるのです。
以上のように、ココアの摂取によって得たい効果によっても、ベストな摂取方法は異なる点は注意が必要です。

まとめ

今回の記事では、ココアの抗酸化作用が脳血管疾患予防に与える影響について詳しく解説しました。
ココアに含まれるカカオポリフェノールには強力な抗酸化作用を認め、抗酸化作用によって動脈硬化の進展を予防できる可能性があります。
また、血管拡張作用も伴い、動脈硬化の予防とともに、脳血管疾患の予防効果が期待できます。
脳血管疾患は一度発症すると麻痺やしびれなどの後遺症をきたす可能性があるため、発症をいかに予防するかが重要であり、そのためには高カカオ含有のココアの摂取がおすすめです。
一方で、近年では脳血管疾患の後遺症に対する新たな治療法として、再生医療が非常に注目されています。
また、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善困難であった脳血管疾患に伴う神経学的後遺症の改善が期待できます。

よくあるご質問

ココアは血管を拡張しますか?
ココアには血管拡張作用があることは認められています。
ココアに含まれるカカオポリフェノールには抗炎症作用があり、これによって血管に生じた炎症を鎮静することで血管壁の狭小化を予防・改善することができます。

抗酸化作用は脳梗塞に効くの?
抗酸化作用は脳梗塞の発症予防に有用です。
抗酸化作用によって血液中の活性酸素が除去されると、血液中を流れるLDLの酸化が予防され、血管内皮への取り込みが予防されます。
その結果、動脈硬化の進展を予防することができ、脳梗塞になりにくくなります。

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    <参照元>
    1:知っておきたい動脈硬化|動脈硬化予防啓発分科会:https://doumyaku-c.jp/knowledge/
    2:Blood pressure is reduced and insulin sensitivity increased in glucose-intolerant, hypertensive subjects after 15 days of consuming high-polyphenol dark chocolate|Pub Med:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18716168/

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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