パーキンソン病の余命ってどう考えたらいい?|診断からの年数・生活の質を左右する要因 | ニューロテックメディカル
パーキンソン病

パーキンソン病の余命ってどう考えたらいい?|診断からの年数・生活の質を左右する要因

パーキンソン病の余命ってどう考えたらいい?|診断からの年数・生活の質を左右する要因

この記事を読んでわかること

パーキンソン病の余命は一般の方と大きく変わらず、診断後も長く生活できる可能性があることがわかる。
転倒・嚥下障害・認知機能低下などが、生活の質や予後に影響する重要な要因であることがわかる。
薬物療法やリハビリ、早期対応によって「これからの過ごし方」を前向きに整えられることがわかる。


パーキンソン病と診断されたら、これからの生活はどうなるのかと不安になるかもしれません。
今回の記事では、パーキンソン病の平均余命の考え方を整理し、一般の方との違いや、転倒や嚥下障害、認知機能低下など、生活の質を左右する要因とその背景を紹介します。
さらに、診断後の生活をどのように整えていけるのかについても解説します。

パーキンソン病の余命はどう考えられているか

立ち上がろうとしている男性の画像
パーキンソン病は、脳内のドーパミン神経が徐々に減少していく進行性の神経変性疾患です。
代表的な症状としては、手足のふるえ、動作の遅れ、筋肉のこわばり、姿勢の不安定さなどが知られています。
現時点では病気そのものを完全に治す治療は確立されていませんが、薬物療法やリハビリテーションによって症状を和らげ、日常生活の機能を維持することが治療の中心となります。
パーキンソン病と診断されたら、どれくらい生きられるのだろうかという点について不安を感じる方も多くみられます。
実は平均余命、つまり、その年齢の方があとどれくらい生きられるかを示す指標は、一般の方と比べて2〜3年短い程度と示されています。

つまり、診断を受けたからといって急激に寿命が縮まる病気ではないのです。
一方で、パーキンソン病の患者さんの予後にはどのような要因が関係しているのかについて調べた研究があります。

この研究によると、立ち上がった際に血圧が下がる状態である起立性低血圧や認知機能障害、異常な歩行の仕方などがある場合、死亡率が高くなる可能性があることが示唆されています。

もちろん、これらの要因があるからといって全てのパーキンソン病の方の平均余命が短くなるわけではありません。
あくまで集団としての傾向であり、個人差がある点には注意しておきましょう。
発症年齢や症状の進行速度、治療への反応などによって経過は大きく異なるため、「余命」は一律に語れないことを理解しておくことが重要です。

生活の質を左右する主な要因

パーキンソン病の方の生活の質を左右する主な要因について解説します。

運動症状と転倒リスク

パーキンソン病では、歩行障害や、歩き出しにくくなる症状であるすくみ足、前傾姿勢などの運動症状が日常生活に大きな影響を与えます。
特に転倒は、骨折や活動量の低下につながり、生活の質を大きく下げる要因となります。
移動能力を保ち、自立した生活を続けられるかどうかは、患者さんの満足度や社会参加にも直結します。
実際に、韓国の研究では、移動能力の自立性の向上はパーキンソン病患者さんの生活の質を高める重要な要因であるという結果が出ています。

歩行能力の維持は重要な目標です。

嚥下障害と誤嚥性肺炎

嚥下障害は、食事の楽しみを奪うだけでなく、誤嚥性肺炎という命に関わる合併症の原因となります。
自覚しにくい隠れ誤嚥も多く、気づかないうちにリスクが高まる点が問題です。
早期から嚥下評価を行い、食事の際の姿勢や、食品を飲み込みやすい形にする、とろみをつけることなどが、生活の質と生命予後の両面で重要となります。

認知機能・自律神経症状

運動症状だけでなく、認知機能低下や便秘、血圧変動、睡眠障害といった非運動症状も生活の質に大きく影響します。
さらに、抑うつ状態が重なると活動意欲が低下し、社会的な孤立につながることもあります。
一方で、うつ状態の改善がパーキンソン病患者さんの生活の質を高める可能性があることも示唆されています。

これらの症状に目を向け、包括的に対応することが、より良い生活を送るための鍵となります。

治療とリハビリで変わる「これからの過ごし方」

パーキンソン病の治療は、症状を抑える薬物療法と、身体機能を維持・改善するリハビリテーションを組み合わせて行われます。
適切な薬剤調整により動作のしやすさが改善すると、活動量が増え、結果として体力や意欲の維持につながります。
リハビリテーションでは、歩行訓練やバランス訓練、筋力トレーニングに加え、嚥下訓練や日常動作の練習が行われます。
早期から継続的に取り組むことで、転倒や誤嚥のリスクを下げ、安全に生活しやすくなります。
また、近年は神経機能の回復を支える新しいアプローチも注目されています。
症状の進行をただ受け入れるのではなく、医療スタッフと連携しながら、その時々の状態に合わせた治療やリハビリを選択していくことが、これからの生活の質を左右する重要なポイントとなるでしょう。

まとめ

今回の記事では、パーキンソン病の余命の考え方や、診断されてからの生活の質を高めるにはどのような点に気をつけるべきかなどについて解説しました。
さらに近年では、神経障害が「治る」を当たり前にする取り組みとして注目されている「ニューロテック®」という考え方があります。
これは、脳卒中や脊髄損傷に対して「狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療」再生医療「リニューロ®」を軸とするアプローチで、骨髄由来間葉系幹細胞や神経再生リハビリ®を組み合わせた治療法です。
パーキンソン病などの神経変性疾患に対しても、今後このような先進的な治療法が希望となる可能性があります。
今後のさらなる研究が求められます。

よくあるご質問

パーキンソン病と診断されたら、すぐに介護が必要になりますか?
診断直後から介護が必要になるケースは多くありません。
初期〜中期では、薬物療法やリハビリによって日常生活を自立して送れる方も多くいます。
症状や進行速度には個人差があるため、主治医と相談しながら段階的に備えることが大切です。
余命よりも、今後どんな点に気をつけて生活すればよいですか?
余命そのものよりも、転倒や誤嚥を防ぎ、活動量や社会参加を保つことが重要です。
歩行や嚥下の変化、気分の落ち込みなどに早めに気づき、治療やリハビリにつなげることで、生活の質を維持しやすくなります。

<参照元>
(1):パーキンソン病(指定難病6)|難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/314
(2):生命表について|厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/seimei/list54-57-01.html
(3):van Rumund, A., Esselink, R.A.J., Berrevoets-Aerts, M.B. et al. Factors associated with mortality in early stages of parkinsonism. |npj Parkinson’s Dis. 2022;8(67).:https://www.nature.com/articles/s41531-022-00329-4
(4):Bang YM, Song Y, Yun SJ, Seo HG, Chang WH. Associated Factors on Quality of Life in Patients with Parkinson’s Disease. |Brain Neurorehabil. 2021 Jul 13;14(2):e13. :https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9879496/

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この記事の監修

監修医師 貴宝院永稔医師

貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)

脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医

リニューロの治療概念図
リニューロ®最大の特長は、幹細胞点滴投与中に集中的かつ反復的に狙った神経回路に適した刺激を与えることです。
身体の治る力を高める再生医療で土台を作り、狙った神経回路に同時刺激を与えることで、神経回路の再構築・強化を目指していきます。

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