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認知症対策に有用なのは米ぬか?フェルラ酸の知られざる効果とは

           

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この記事を読んでわかること

フェルラ酸のさまざまな効果がわかる。
フェルラ酸が認知症対策に有効な理由がわかる。
フェルラ酸の効果的な摂取方法がわかる。


フェルラ酸とは米ぬかや小麦に多く含まれるポリフェノールの一種であり、さまざまな効果を持つことから近年注目されている成分の1つです。
また、認知症予防効果や血圧低下効果などを持つことから、認知症や高血圧への新薬開発においても注目されています。
そこでこの記事では、フェルラ酸の効果や適切な摂取方法を詳しく解説します。

米ぬかに豊富なフェルラ酸とは

ぬか漬けの画像
近年、美容効果やアンチエイジング、脳の若返り効果などで注目を浴びている「フェルラ酸」をご存じでしょうか?
フェルラ酸とは、植物の細胞壁に豊富に含まれており、地中海沿岸に自生するセリ科の植物「オオウイキョウ(Ferula communis)」から発見・命名された有機化合物の一種です。
特に、穀物類、米ぬかや小麦の外皮などに豊富に含まれており、摂取することでさまざまな効果を発揮します。
また、紫外線吸収作用や抗酸化作用を持つことから、医薬品や食品、化粧品などの原料としても使用されています。

フェルラ酸の知られざる効果

フェルラ酸が注目を浴びている理由は、さまざまな効果効能が発見されたためであり、その効果は下記のとおりです。

  • 強力な抗酸化作用
  • 抗うつ作用
  • BPSDの改善効果
  • 腸管の過剰収縮抑制効果
  • 血圧低下作用

強力な抗酸化作用

フェルラ酸はポリフェノールの一種でもあり、非常に高い抗酸化作用を持っていることが知られています。
体内に蓄積した過剰な酸素は活性酸素となり、この活性酸素が蓄積すると細胞や組織が損傷され、脳細胞の劣化や肌質の老化などに繋がります。
抗酸化作用とは、この体内に蓄積した活性酸素を除去する能力のことです。
フェルラ酸には抗酸化作用を持つ代表成分のビタミンCやビタミンEを上回る強力な抗酸化作用があることが知られているため、美肌効果やアンチエイジング効果が期待できます。

抗うつ作用

フェルラ酸の効果の1つが、抗うつ作用です。
荒木氏(摂南大学 複合薬物解析学研究室所属)の報告によれば、フェルラ酸を与えたラットにおいて、脳を構成する神経細胞やグリア細胞の増殖を促進させる効果が発見されたそうです。
特に、脳の海馬と言われる領域における神経細胞の増殖効果を認め、同時にフェルラ酸を投与したマウスではうつ様行動(活動量の低下、摂食量の変化など)が減少しました。
以上のことから、海馬の神経細胞増殖によって、うつ状態を改善できる効果が示唆されています。

BPSDの改善効果

フェルラ酸の効果の1つが、BPSDの改善効果です。
BPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementiaの略)とは、認知症状の周辺症状の総称であり、認知機能の低下に伴い生じる幻覚、妄想、暴力、焦燥などの症状を指します。
このBPSDに対して、セロトニン5-HT部分作動薬と呼ばれる治療薬(セロトニンの受容体である5-HTを部分的に刺激する薬)が選択されることがありますが、なんとこのフェルラ酸にはそれと似たような効果が認められています。
荒木氏(摂南大学 複合薬物解析学研究室所属)の研究によれば、ラットの脳内でフェルラ酸はセロトニン受容体に作用し、攻撃性・衝動・幻覚などの症状が抑制されたのです。
今後エビデンスが集積されれば、フェルラ酸を主成分とした認知症治療の新たな選択肢として研究が進む可能性も示唆されています。

腸管の過剰収縮抑制効果

腸管の過剰収縮抑制効果も、近年新たに発見されたフェルラ酸の効果の1つです。
ヒトの腸管はアセチルコリンやセロトニンなどの神経伝達物質が働くことによって収縮しますが、フェルラ酸はこれらの働きを抑制することで腸管の過剰収縮を抑制します。
東邦大学の研究によれば、フェルラ酸を投与したラットは濃度依存性(濃度と効果が比例すること)に腸管の収縮が抑制されたそうです。
今後研究が進めば、腸管の過剰収縮が問題となる過敏性腸症候群などの疾患に対する予防・改善に寄与する可能性があり、今後の開発が待たれるところです。

血圧低下作用

フェルラ酸の効果の1つとして、血圧低下作用も挙げられます。
高血圧を発症しているラットに対して、フェルラ酸と蒸留水を投与した後の血圧を比較した研究では、フェルラ酸投与群で血圧の低下を認めました。
フェルラ酸投与によって、血圧を上昇させる酵素であるアンジオテンシン-1変換酵素の活性低下を認めており、その結果、投与後2時間程度で最も血圧は低くなりました。
他にも、血漿中の総コレステロールおよびトリグリセリド値も低下を認めており、高血圧や高脂血症の治療に有用である可能性が示唆されています。

フェルラ酸の適切な摂取方法

さまざまな効果を持つフェルラ酸ですが、日常生活ではどのように取り入れるべきでしょうか?
フェルラ酸は主に食事、もしくはサプリメントから摂取可能で、サプリメントで摂取する場合は1日200mgが推奨量です。
一般社団法人認知症予防・改善推進会によれば、1日あたり100mgのフェルラ酸摂取で認知症予防効果が、200mgで改善に寄与する可能性が示されています
玄米や地粉を使ったご飯や麺類を摂取すれば、この量のフェルラ酸を食事で摂取することもできますが、日本人の食事では精米された米や精製された小麦粉を主に使用するため、フェルラ酸が除去されており、食事で摂取することが難しいです。
効果的に摂取するためには、食事内容を意識しつつ、サプリメントで効率的に補充すると良いでしょう。

まとめ

近年注目を集めるフェルラ酸は、玄米や小麦、コーヒー、ナッツなどに豊富に含まれており、抗酸化作用、血圧低下作用、認知症予防効果など、さまざまな効果を認める成分です。
認知症や脳梗塞・脳出血などの疾患は、一度発症すると障害された脳の機能を元に戻すことは困難であり、何らかの後遺症を残す可能性があります。
そのため、フェルラ酸などの成分を効率的に摂取するように日常生活に注意し、これらの疾患の発症予防に努めることが肝要です。
一方、近年ではこれらの疾患に伴う神経障害が「治る」を当たり前にする取り組みとして注目されている「ニューロテック®」という考え方があります。
これは、脳卒中や認知障害に対して「狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療」再生医療「リニューロ®」を軸とするアプローチで、骨髄由来間葉系幹細胞や神経再生リハビリ®を組み合わせた治療法です。
脳疾患に伴う神経障害に対しても、今後このような先進的な治療法が希望となる可能性があります。
回復への選択肢を広げるためにも、医療機関と連携しながら一人ひとりに合った支援を継続することが大切です。

よくあるご質問

玄米に含まれるフェルラ酸の含有量はどのくらい?
玄米100gあたり30〜60mgほどのフェルラ酸が含まれており、精米された白米と比較して4〜7倍程度多く含まれています。
他にも、とうもろこしやコーヒーにも豊富に含まれます。
フェルラ酸の危険性や発がん性は?
フェルラ酸は天然成分であり、基本的に危険性は少なく、発がん性は認められていません。
しかし、過剰摂取や体質的に合わない場合、便秘や下痢、湿疹など生じる可能性があり、注意が必要です。

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    <参照元>
    1:太田剛雄 フェルラ酸の機能性について.日本食物繊維研究会誌Vol.5No.2(2001):https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdf1997/5/2/5_2_1/_pdf
    2:既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究 厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/09/dl/s0903-1i.pdf
    3:John C Murray et al.A topical antioxidant solution containing vitamins C and E stabilized by ferulic acid provides protection for human skin against damage caused by ultraviolet irradiation. J Am Acad Dermatol.2008 Sep;59(3):418-25. doi:
    10.1016/j.jaad.2008.05.004. Epub 2008 Jul 7.:​https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18603326/
    4:荒木良太 認知症の周辺症状(BPSD)の治療におけるフェルラ酸の有用性に関する基礎研究 J STAGE:​https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdtc/7/1/7_32/_pdf/-char/ja
    5:Keisuke Obara, Kento Yoshioka, Aya Shimada, Sakika Ichihara, Wakaba Kinami, Futaba Makino,Naho Takazakura, Miwa Enomoto, Yoshio Tanaka.Ferulic acid suppresses guinea pig ileal longitudinal smooth muscle contractions by inhibiting
    voltage-dependent Ca2+ channels.Journal of Pharmacological Sciences.2025 May 20.158(4) 289-293.:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1347861325000568?via%3Dihub
    6:Ardiansyah et al.Novel effects of a single administration of ferulic acid on the regulation of blood pressure and the hepatic lipid metabolic profile in stroke-prone spontaneously hypertensive rats.J Agric Food Chem.2008 Apr 23;56(8):2825-30.:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18345632/
    7:ANM176®の使用量について 一般社団法人認知症予防・改善推進会:https://ninchi-yobou.jp/pcdnews/pdf/pcdnews202101.pdf

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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