寒暖差で脳卒中が増える?季節と脳卒中のリスクとの関係性|再生医療|脳梗塞・脊髄損傷の幹細胞治療|ニューロテックメディカル

寒暖差で脳卒中が増える?季節と脳卒中のリスクとの関係性

           

投稿日:
読み終わる時間は約 1未満


この記事を読んでわかること

季節によって変わる脳卒中の種類と割合
冬と夏で変わる発症しやすい脳卒中の特徴と原因
それぞれの季節で気を付けるポイントと対策


脳卒中は季節によって発症する頻度や種類が変わります。
冬は脳出血になりやすく、夏は脳梗塞の割合が増えます。
季節による気温変化で血圧が上下し、血管の障害である脳卒中は血圧の影響を大きく受けるためです。
この記事では、季節による脳卒中の発症頻度や種類、発症する原因、それぞれの季節での対策について解説します。

季節による脳卒中の発症頻度

窓から見える雪のイメージ
脳卒中は季節によって発症する頻度や種類が変わります。
脳卒中は血管が詰まることによって発症する脳梗塞、脳の血管が破れて出血してしまう脳出血、脳を覆う膜の下にある血管から出血するくも膜下出血に分類されます。
脳卒中の疫学をまとめている日本脳卒中データバンクでは、月毎の脳卒中を発症した人数や種類を報告しています。

日本脳卒中データバンク2025では、年間を通して脳梗塞が最も多く、全体では1月が最も発症者が多くなります。
また、季節によって変動しやすい脳卒中の種類は脳梗塞と脳出血で、脳梗塞の割合は夏に多く、脳出血は冬に多い傾向があります。
これは脳梗塞と脳出血の発症には血圧が関わっており、季節によって血圧の変動の影響を受けることが大きな原因です。
ちなみに、くも膜下出血は動脈にできる脳動脈瘤という膨らみからの出血が最も多い原因のため、あまり季節の影響を受けません。

冬と夏で変わる脳卒中の種類

ここからはなぜ夏と冬で脳卒中の発症しやすい種類が変わるかを解説します。
冬に発症しやすくなる脳出血の最も大きな原因は高血圧です。
季節の変わり目や冬に気温が大きく変化すると、体温を逃さないために全身の血管が収縮して細くなります。

血管が細くなると血液が通りにくくなるため、血圧を上げて全身に血液を送るような反応が起こります。
特に、急激な気温変化があった時は体温が急に変わることを避けるために、血管の収縮が急激に起こり、血圧が上昇します。
そのため、浴室や脱衣所、トイレなどのエアコンが効きづらい場所では血圧が上がりやすくなります。
このような気温変化による急激な血圧の変動のことをヒートショックといい、注意が必要です。
夏に割合が増える脳梗塞は血管に血栓が詰まることによって発症します。
気温が高いと汗をかいて体温を下げますが、水分が不足すると血液がドロドロになり血栓ができやすくなります。
さらに、脱水が起こると血圧が下がり脳へ送られる血液の量が低下します。
脳の血栓で詰まりかけている部位に血の巡りが悪くなることによって、血栓が詰まってしまうことがあります。
このように夏は脱水によって脳梗塞のリスクが上がるため、適度な水分補給が重要です。
脳卒中は季節によって気温が変わり、身体に与える様々な影響によって発症しやすい種類が変わります。
補足ですが、冬場は寒いため喉の乾きに気が付かず、知らない間に脱水状態になることがあるため注意しましょう。

それぞれの季節での脳卒中の予防策

お湯を貼った湯舟の画像
季節によって脳卒中を起こす原因は変わるため、季節に合わせた対策を行うことで発症のリスクを減らすことができます。
冬は室内から外に出る時などの急激な気温変化が起こる状況に注意が必要です。
そのため、外出する際は暖かい上着を着て血圧が急激に変動しないようにしっかりと保温しましょう。
また、外出時以外でも脱衣所や浴室、夜のトイレも気を付ける必要があります。
脱衣所は寒い中で服を脱ぐため、血圧が変動するリスクがあります。
脱衣所での対策はリビングなどと隣接していればドアを開けて同じ温度にするか、もし離れていればヒーターを使用するなどの方法があります。
浴室は浴室暖房を使用できる環境があれば理想ですが、ない場合は入浴する前に浴槽の蓋を外すことで浴室内を温めることができます。
深夜や早朝のトイレは室温が低いことが多く、脳出血を発症しやすい状況です。
布団から出て薄着のままトイレに行かないようにし、カーディガンを羽織るなど少しでも保温してリスクを下げましょう。
また、トイレでいきむと血圧が急激に上昇することがあるため、いきまないように注意することも大切です。
夏は発汗による脱水が脳梗塞発症の原因になります。
そのため、室内の温度を常に28℃以下に保って必要以上に発汗を防ぐためにエアコンを使用することが重要です。
また、適切に水分補給を行うことで血液がドロドロになることを防ぐことができます。
外出する際は屋外に長時間いることは避け、適度に冷房の効いた室内で休憩を取るようにしましょう。

まとめ

この記事では、季節と脳卒中のリスクの関係性について解説しました。
脳卒中は季節によって発症頻度や発症しやすい種類が変わります。
冬は脳出血が発症するリスクが高くなりやすく、夏は脳梗塞のリスクが上がります。
急激な気温の変化への対策を行い、水分を適切に取ることで脳卒中のリスクは下げることができます。
脳卒中で残存した神経障害の治療は確立されていませんが、再生医療にはその可能性があります。
今後、神経再生医療×リハビリテーションの治療の研究は進んでいきます。
私たちのグループは神経障害は治るを当たり前にする取り組みを『ニューロテック®』と定義しました。
当院では、リハビリテーションによる同時刺激×神経再生医療を行う『リニューロ®』という狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療を行っていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご連絡をお願いします。

よくあるご質問

冬になると脳卒中は増えますか?
はい、冬は脳卒中全体の数が増えます。
特に、高血圧が原因の脳出血が増えるため、しっかりと保温して予防を行いましょう。
また、寒いと喉の乾きに気が付きにくいため、意識して水分を取るようにしましょう。
一度、脳梗塞になった人は季節に関係なく注意が必要ですか?
脳梗塞になったことがある方は再発のリスクが高くなるため、季節に関係なく注意する必要があります。
夏場の脱水や冬の血圧変動などがあると、より脳卒中を発症しやすくなるため、対策をしっかりと行い予防をすることが重要です。

    脳卒中・脊髄損傷のご相談
    3ステップで簡単フォーム

    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    お名前をご記入ください


    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    メールアドレス

    電話番号

    ※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。



    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    年齢と地域の選択

    ご相談内容を入力

    送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。


    ※送信後にページが移動します。確認画面はありません。

    <参照元>
    1:脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握|日本脳卒中データバンク2025:https://strokedatabank.ncvc.go.jp/
    2:Journal of Japanese Biochemical Society 96(1): 12-27 (2024) doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960012:https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2024.960012/data/index.html

    関連記事


    あわせて読みたい記事:冷え性や血行不良が引き起こす脳梗塞の危険性とは?

    外部サイトの関連記事:高血圧が脳出血を引き起こす仕組みを解説



    脳卒中・脊髄損傷のご相談
    3ステップで簡単フォーム

    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    お名前をご記入ください


    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    メールアドレス

    電話番号

    ※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。




    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    年齢と地域の選択

    ご相談内容を入力

    送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。




    ※送信後にページが移動します。確認画面はありません。

    事例紹介・インタビュー

    症例紹介動画(脊髄損傷|50代男性)

    症例紹介動画(右脳出血|30代女性)


    受付フリーダイヤル
    電話でのご相談
    受付:【月~土】9:00~18:00 ※日祝休み

    メールでの受付はこちら
    メールでご相談
    24時間・365日受付しております


    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


    再生医療の治療 各地クリニックの案内

    YouTubeチャンネル

    脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
    脳卒中ラボ

    コメント

    この記事へのコメントはありません。

    脳卒中・脊髄損傷の後遺症の
           お悩みや治療のご相談
    お気軽にお問い合わせ下さい

    0120-955-573

    [電話受付]【月~土】9:00~18:00/日祝休