この記事を読んでわかること
脳卒中再発予防に重要な食事内容がわかる
脳卒中再発予防における睡眠やストレス発散の重要性がわかる
定期的な医療機関の受診の重要性が認識できる
脳卒中の再発予防のためには、食事や睡眠、運動、ストレス発散など、普段の生活で注意すべきことがたくさんあります。
また、医療機関を定期的に受診して自身の身体の状態を定期的にチェックすることも重要です。
この記事では、脳卒中の再発予防を目指すために見直すべき生活習慣や、定期受診の重要性について詳しく解説します。
食塩制限・脂質管理・血圧コントロールの基本
脳卒中は脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の総称であり、どの疾患も脳血管の動脈硬化が原因となることから、脳卒中の予防のためには動脈硬化の予防が大変重要です。
そして、動脈硬化の予防のためには食事や睡眠・ストレス発散など、日々の生活の質を見直すことが重要です。
日本脳卒中協会では、脳卒中予防10カ条として下記のような予防を推奨しています。
- 手始めに高血圧から治しましょう
- 糖尿病放っておいたら悔い残る
- 不整脈見つかり次第すぐ受診
- 予防にはたばこを止める意志を持て
- 飲むならばなるべく少なくアルコール
- 高すぎるコレステロールも見逃すな
- お食事の塩分・脂肪控えめに
- 体力に合った運動続けよう
- 万病の引き金になる太りすぎ
- 脳卒中起きたらすぐに病院へ
これを見てもわかる通り、脳梗塞予防のためには、普段の食事内容や飲酒・喫煙、運動などに注意し、肥満や高血圧・糖尿病・高脂血症の発症予防を徹底する必要があります。
日本脳卒中学会の脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2023)によれば、脳卒中発症予防のためには下記のような血圧が好ましいとされています。
- 75歳未満、冠動脈疾患、蛋白尿陽性の腎機能障害、糖尿病、抗血栓薬服用中の場合は、130/80mmHg未満
- 75歳以上、両側頸動脈狭窄や主管動脈閉塞がある場合、蛋白尿陰性の腎機能障害の場合は、140/90mmHg未満
この血圧目標を達成するためには、1日6g未満の塩分制限、緑黄色野菜の積極的な摂取、コレステロールや飽和脂肪酸の制限、節酒などが重要です。
さらに、脂質摂取にも注意する必要があり、ごま油などの油脂類、脂質の多い肉類、卵やチーズ、ナッツ類など、過剰に摂取すると高脂血症を発症してしまい、動脈硬化の原因となるため、控えるべきです。
ストレス対策と質の高い睡眠の重要性
脳卒中予防のためには、食事内容以外にもストレス発散や質の高い睡眠が求められます。
心身のストレスは交感神経の持続活性化や、血管局所での活性酸素産生によって動脈硬化が進展する可能性があるため、普段から下記のような方法でストレスを発散しましょう。
- 定期的な運動
- 映画鑑賞
- ヨガやピラティス
- アロマオイル
- サウナ
- ハーブなどの摂取
また、睡眠の質が低いとやはりストレスが蓄積してしまい、交感神経の活性化による動脈硬化の進展につながってしまうため、下記のような方法で質の高い睡眠を維持すべきです。
- 適切な室温・湿度を保つ
- しっかり防音・遮光し、振動を避ける
- 就寝直前の暴飲暴食や飲酒・喫煙は控える
- 就寝直前の運動・入浴は控える
- 身体にあって適切な寝具を使用する
- 日中に程よい運動を行う
- 乳製品を適量摂取する
- 休日の遅寝遅起きを避ける
睡眠の質の向上のためには、就寝直前に深部体温を上げないことが重要であり、暴飲暴食や運動・入浴などは避けるべきであり、少なくとも就寝の2時間以上前には終わらせておくべきです。
医師との連携と定期検査で早期の変化に気づく
脳卒中予防のためには、上記のような生活習慣のセルフケアが非常に重要ですが、定期的に医師の診察や検診を受診することも必要となります。
自身では身体の内部に起こる変化に気付けず、また身体に良いと思っていることが実は良くないことの可能性もあるためです。
特に、血圧測定や血液検査による血糖値、中性脂肪やLDLコレステロール値は生活習慣病の有無を比較的容易に、かつ客観的に評価できます。
また、不安な場合は動脈硬化の程度を評価する「CAVI検査」と呼ばれる超音波を駆使した検査もあるため、ぜひ不安な方は一度医療機関を受診してみるとよいでしょう。
まとめ
今回の記事では、脳卒中予防のための生活習慣について詳しく解説しました。
脳卒中予防には食事・睡眠・運動など、日常生活を総合的に見直すことが重要です。
脳卒中は一度発症すると後遺症を残す可能性があり、また再発したらさらに重篤な後遺症を残す可能性もあるため、この記事で紹介したように、脂質や糖質・塩分の過剰摂取を控え、ストレス発散や質の高い睡眠を確保して、予防に努めましょう。
一方で、近年では、これまで改善の困難であった後遺症に対して新たな治療として再生医療が注目されています。
ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善困難であった脳卒中による後遺症の改善が期待できます。
よくあるご質問
- 脳卒中が再発しないためにはどうしたらよいですか?
- 脳卒中が再発しないためには、健康的な食事や睡眠を確保し、定期的な運動を行うことが重要です。
また、抗凝固薬や抗血小板薬などの処方があれば飲み忘れないことが再発予防の上で肝要です。
- コーヒーは脳梗塞を予防しますか?
- コーヒーには脳梗塞の予防効果が期待できます。
コーヒーに豊富に含まれるポリフェノールには抗酸化作用が豊富であり、過剰に産生された活性酸素を除去する効果が期待できます。
活性酸素を除去することで動脈硬化の進展を予防できます。
<参照元>
(1):脳卒中予防十か条2025|日本脳卒中協会:https://www.jsa-web.org/citizen/85.html
(2):脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2023)|日本脳卒中学会:https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2025_kaiteikoumoku.pdf
(3):ヒトの体温調節と睡眠|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki/78/1/78_6/_pdf
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