くも膜下出血治療後の認知症と精神的健康の関係性 | 脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

くも膜下出血治療後の認知症と精神的健康の関係性

           

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この記事を読んでわかること

くも膜下出血治療後の認知症がメンタルヘルスに与える影響がわかる
認知症患者のメンタルヘルスのために周囲ができることがわかる
くも膜下出血治療後の認知症とアルツハイマー型認知症の違いがわかる


くも膜下出血治療後に認知症を発症する可能性があり、認知症発症は患者にとって心理的負担となります。
メンタルヘルスが侵害されれば、うつ病の発症や認知機能の悪化など様々な悪影響があるため、周囲の人の適切な支えが必要不可欠です。
この記事では、くも膜下出血治療後の認知症と精神的健康の関係性について解説します。

認知症とメンタルヘルスの複雑な関係とは

認知症とメンタルヘルスの複雑な関係とは
認知症を発症すると、下記のようにさまざまな要因でメンタルに影響を与えることが知られています。

  • 認知症に伴う神経心理学的変化
  • 介護者や家族との人間関係
  • 社会的立ち位置の変化
  • 身体疾患の併発によるショック

例えばアルツハイマー型認知症は、主にアセチルコリン系の神経細胞に変性が起こることで記憶能力が障害される疾患ですが、実はセロトニン系・アドレナリン系・ドーパミン系の神経細胞も障害されます。
特にセロトニン系は不安や恐怖・パニックなどの症状と関連性があり、実はうつ病もこのセロトニン系の異常が原因です。
そのため、認知症によってセロトニン系が障害されると、不安感や易怒性・焦燥感や無関心・意欲の減退など、さまざまな神経心理学的変化が起こります。
次に、認知症が進行すると普段の生活を正常に送ることができなくなるため、介護者や家族の補助が必要不可欠です。
しかし、介護者との人間関係がうまく構築できないとストレスとなってしまい、発症者のメンタルに悪影響を与えます。
他にも、認知症発症による就労困難で社会的立ち位置が変化したり、認知症に伴う身体機能の低下も本人にとっては強いストレスとなるため、メンタルヘルスにとって悪影響です。
またこれらのストレスの結果、うつ病を併発するリスクも高まります。
さらに、うつ病の発症によって認知症の症状が悪化することも報告されており、うつ病と認知症は双方に悪影響を与えてしまう可能性が高い疾患といえます。

認知症患者への精神的健康を維持するためにできること

認知症患者への精神的健康を維持するために、家族や介護者は患者との向き合い方を改めて見直すことが重要です。

  • 患者がストレスを感じにくいように環境を整える
  • 子供扱いや無視などしない
  • その人の苦悩を正確に見極める

先述したように、認知症患者のメンタルヘルスのためには介護者である家族が適切に接する必要があり、接し方を間違えれば患者のストレスの原因となってしまいます。
特に発症初期はある程度自我や記憶能力も保たれており、自身が認知症を発症したことにショックを受けているため、すぐに注意せず、患者の言動を見守り、元気が出るようにサポートしてあげることが重要です。
また、症状が進行するとサポートする側にもストレスが溜まり、つい叱責してしまったり、患者のことを子供扱い・無視してしまうケースも散見されますが、認知症といえどそのインプレッションは患者にも伝わってしまいます。
患者の話に耳を傾け、患者の苦悩を把握して一緒に問題解決に取り組むように心がけましょう。

脳血管障害による認知症患者への再生医療のすすめ

認知症といえば、神経細胞が変性することで発症するアルツハイマー型認知症が有名ですが、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害に伴って発症することもあり、これを脳血管性認知症と言います。
認知症の中ではアルツハイマー型認知症に次いで2番目に多く、脳細胞が虚血に陥ることで認知機能が障害され、認知症状をきたします。
アルツハイマー型認知症との違いは下記の通りです。

  • 記憶障害が起こるまでの時間が長い
  • 人格への影響は小さい
  • 症状が階段状に悪化していく

一方で、アルツハイマー型認知症も脳血管性認知症も、一度細胞が変性・破壊されると基本的に元に戻れないため、根治する治療法が見つかっていない点は共通しています。
しかし、近年では神経細胞の再生を促す再生医療が注目されており、新たな治療法として今後の知見が待たれるところです。

まとめ

今回の記事では、くも膜下出血治療後の認知症と精神的健康の関係性について詳しく解説しました。
くも膜下出血などの脳血管障害を発症すると、通常のアルツハイマー型認知症とは異なる経過で認知症を発症する可能性があります。
認知症発症に伴い、認知機能のみならずさまざまな心理的負荷がかかり、うつ病の発症リスクを高める可能性もあります。
さらに、うつ病発症によって認知症状をさらに悪化させる可能性があるため、注意が必要です。
現状では根治する方法が見つかっておりませんが、近年では再生治療が新たな治療法として非常に注目されています。
また、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、くも膜下出血治療後の認知症状の改善が期待できます。

よくあるご質問

脳血管障害による認知症の症状は?
脳血管障害による認知症の症状は、記憶障害・遂行機能障害・思考鈍麻・徘徊などが挙げられます。
通常の認知症よりも、症状の進行が階段状になるという特徴があります。

脳出血から認知症になる可能性はありますか?
脳出血から認知症になる可能性があります。
脳出血によって脳細胞への血流が低下し、認知機能が障害されることで発症します。
経過や症状の出方が通常の認知症とは異なる傾向にあります。

<参照元>
・MSDマニュアル:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/09-%E8%84%B3%E3%80%81%E8%84%8A%E9%AB%84%E3%80%81%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E3%81%9B%E3%82%93%E5%A6%84%E3%81%A8%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87/%E8%A1%80%E7%AE%A1%E6%80%A7%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87
・政府広報オンライン:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201308/1.html#secondSection

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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