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脳卒中で言葉を失ってからやるべきこと

           

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この記事を読んでわかること

言語リハビリを続けると、言語機能の回復が期待できることがわかる。
リハビリを行うことで、日常生活や社会復帰の質が向上することがわかる。
リハビリが脳の可塑性を促進し、精神的な安定をもたらすことがわかる。


脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)の後遺症に、言葉を理解したり話したりする能力が障害を受ける「失語症」になってしまうことがあります。
今回の記事では、言語リハビリを続けることで得られる最終的な効果について詳しく解説します。
言語機能の回復や日常生活の質の向上、心理的な安定、脳の可塑性など、リハビリの効果も紹介します。

言葉が出ないときに試した対処法

言葉が出ないときに試した対処法
脳卒中後の失語症(失語)は、脳の言語を司る領域が損傷を受けたことで起こる言語障害です。
主に左脳の側頭葉や前頭葉が影響を受けることが多く、話す、理解する、読む、書くといった言語の全般的な能力に障害が生じます。
失語症の症状は多様で、言葉を思い出せなくなったり、適切な単語を選べなかったりすることもあれば、他人の話を理解できなくなることもあります。
重症度や症状のパターンは、脳卒中の規模や場所により異なります。
治療には言語リハビリテーションが非常に重要で、専門の言語聴覚士による指導のもと、少しずつ言語機能を回復していきます。
また、家族や周囲のサポートも、患者が社会とのコミュニケーションを取り戻す上で重要です。
さて、脳卒中によって失語症になってしまった患者さんが、実際に言葉が出ないときに試した対処法にはどのようなものがあるでしょうか。
ここでは、いくつかをご紹介します。

  • ジェスチャーや身振り手振りを活用
    言葉がうまく出てこない時には、、手や体を使って相手に意思を伝えることが効果的です。
    例えば、物を指差したり、手で大きさを示したりすることで、伝えたい内容の一部を表現できます。
    特に日常生活で頻繁に使う動作を覚えておくと、迅速なコミュニケーションが可能です。
  • メモやスマートフォンを使った文字による伝達
    メモ帳やスマートフォンのメッセージ機能を使い、言葉の代わりに文字で自分の考えや要求を伝える方法です。
    初めは短い単語やフレーズを書く練習から始め、徐々に文章を書けるようになることを目指します。
    この方法は、言葉を発するのが困難な時でも自分の意思を正確に伝えられるため、安心感を得られることがあります。
  • 絵やフラッシュカードを使った方法
    言葉を思い出せないときに、絵やアイコンを使ってコミュニケーションを行う方法です。
    簡単なイラストが描かれたカードを使うことで、自分が言いたいことを視覚的に表現でき、特に家族や介護者とスムーズに意思疎通ができます。
    特に食事や日常の要件を表すカードを揃えておくと便利です。
  • 簡単な単語から練習する
    日常生活でよく使う「はい」「いいえ」「ありがとう」といった簡単な単語から練習を始めることが有効です。
    徐々に単語を組み合わせて短いフレーズや文章に発展させることで、言葉を出す自信がついてきます。

このような方法で、徐々に言語機能が回復することが期待できます。

話を理解できないときに感じた孤独感と家族の支え

脳卒中後、話を理解する力が低下することも少なくありません。
周りの話がまるで異国語のように聞こえる瞬間もあるでしょう。
この経験は大きな孤独感を伴います。
自分が理解できないことに加え、周囲が自分の状態を理解しにくいために疎外感を感じやすくなるのです。
しかし、家族の存在はこの孤独感を和らげる重要な要素となります。
家族が根気よく話をゆっくりと繰り返してくれたり、表情や身振りで意思を伝えてくれたりすることで、徐々に言葉以外のコミュニケーション手段を通じて絆を感じることができるでしょう。
また、家族が言語リハビリに一緒に取り組む姿勢を見せてくれたことも、大きな励みになります。
家族のメンバーによる忍耐強いサポートがあればこそ、孤独感に押しつぶされることなく、リハビリに前向きに取り組むことができるのです。

言語リハビリを続けることで得られる最終的な効果

言葉が出ないときに試した対処法
言語リハビリテーションを継続することで、脳卒中などの病後に失われた言語機能の回復が期待されます。
リハビリの効果は個々の患者の状態によりますが、一般的に次のような成果が得られることが多いです。

コミュニケーション能力の改善

リハビリを続けることで、日常生活で必要なコミュニケーション能力が徐々に回復します。
これは単語を思い出す力、文を組み立てる力、会話を理解する力の回復を含みます。
リハビリを通じて、単語の選択や文法の適用が練習され、最終的には日常会話に支障がないレベルにまで回復する可能性があります。

社会復帰や日常生活の質の向上

言語機能の回復は、患者の社会復帰や生活の質を大きく向上させます。
コミュニケーションが円滑に行えるようになることで、仕事への復帰や家庭内での役割の再開も可能となり、患者が自立した生活を取り戻すための重要な要素となります。

心理的・感情的な安定

言葉を取り戻す過程で、自分の意見や感情を伝える力が回復するため、患者は精神的な安定感を得られます。
これにより、孤立感やフラストレーションが軽減され、患者の全体的な精神的健康が改善されることが期待されます。
言語リハビリがもたらす自信の向上も重要な要因です。

脳の可塑性の向上

脳は損傷後も適応能力を持ち、他の領域が損傷した部分の機能を補完することが知られています。
言語リハビリはこの脳の可塑性(脳が新しいつながりを形成し、機能を再編成する能力)を促進し、機能回復をサポートします。

言語リハビリについてのまとめ

今回の記事では、脳卒中によって言葉を失った場合の対処法や、言語リハビリによる効果について解説しました。
当院ニューロテック、脳梗塞脊髄損傷クリニックなどでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
失語症の改善にも、再生医療の治療効果が期待できます。
脳卒中後の失語症に対する治療法の一つとして、再生医療のことを詳しく知りたいという方は、ぜひ一度当院までご相談くださいね。

よくあるご質問

脳卒中の言語障害は治る?
脳卒中後の言語障害(失語症)は、リハビリを通じて改善が期待できますが、完全に治るかどうかは個人差があります。
早期のリハビリ開始と継続的な訓練により、言語機能が徐々に回復することが多いです。

失語症のリハビリ期間はどれくらいですか?
失語症のリハビリ期間は患者の症状や回復状況により異なりますが、通常は数ヶ月から1年以上かかることがあります。
早期のリハビリ開始と定期的な訓練が効果的です。

<参照元>
失語症 (しつごしょう)とは | 済生会:
https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/aphasia/
失語症、そして復職 ─私の闘病経験─.高次脳機能研究.2022; 42(2):207-211.:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/42/2/42_207/_pdf
Cicerone KD, Dahlberg C, Malec JF, Langenbahn DM, Felicetti T, Kneipp S, Ellmo W, Kalmar K, Giacino JT, Harley JP, Laatsch L, Morse PA, Catanese J. Evidence-based cognitive rehabilitation: updated review of the literature from 1998 through 2002. Arch Phys Med Rehabil. 2005 Aug;86(8):1681-92. doi: 10.1016/j.apmr.2005.03.024. PMID: 16084827.:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16084827/

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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