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脳梗塞

脳梗塞後の口の麻痺とよだれ

この記事を読んでわかること

・脳梗塞でよだれが出やすくなる理由がわかる
・脳梗塞後の口腔ケアの重要性が理解できる
・口腔ケア用品の種類や用途がわかる


脳梗塞によって嚥下障害や顔面神経麻痺が生じ、うまく唾液を口腔内から食道に飲み込めなくなると、口からよだれが出やすくなることがあります。
放置すれば、誤嚥してしまい誤嚥性肺炎に陥る可能性もあるため、注意が必要です。
この記事では、脳梗塞でよだれが出やすくなるメカニズムや誤嚥性肺炎の予防法について詳しく解説します。

脳梗塞後の口の麻痺とよだれのメカニズム

脳梗塞後の口の麻痺とよだれのメカニズム
脳梗塞によって生じる2つの後遺症によって、よだれが出やすくなります。

  • 嚥下障害
  • 顔面神経麻痺

それぞれについて解説します。

嚥下障害

脳梗塞の代表的な後遺症の1つが嚥下障害です。
そもそも嚥下とは、脳からの刺激で脳幹にある疑核と呼ばれる神経核が刺激され、そこから分岐する舌咽神経などの神経によって咽頭部や喉頭部の筋肉が運動することで成り立っています。
そのため、脳梗塞などによって舌咽神経そのものや脳幹が障害を受けると、うまく咽頭部や喉頭部の筋肉を動かすことができなくなり、嚥下障害が出現します。
口に溜まった唾液をうまく飲み込むことができなくなり、誤嚥したりよだれの原因となるため、注意が必要です。

顔面神経麻痺

脳梗塞の代表的な後遺症の1つが顔面神経麻痺です。
通常、口元の筋肉、いわゆる口輪筋は顔面神経という神経の支配を受けており、なんらかの原因で顔面神経が麻痺すると表情がうまく作れなくなったり、口角が上がらなくなることで口から水分やよだれが漏れ出やすくなります。
口輪筋に分岐する顔面神経は、通常は左右反対側の大脳半球からの刺激を受けているため、例えば左大脳半球における脳梗塞の場合、右口角が上がらなくなり、口の右側からよだれが垂れます。
嚥下障害によって口腔内の唾液をうまく飲み込めず、顔面神経麻痺によって口を上手に閉じることができなくなるため、よだれが出やすくなるわけです。

口腔ケアで清潔さを保つための日常的なケア

脳梗塞で口腔ケアが非常に重要となる最大の理由は、誤嚥性肺炎の予防です。
まず、嚥下障害によって本来食道に流れ込むべき食べ物や水分・唾液が誤って気管に入り込むことを誤嚥と呼びます。
健常者が誤嚥した場合、反射的に咳が出て気道に圧力がかかることで誤嚥した水分や食べ物は排出されます。
しかし、脳梗塞患者や高齢者の場合、筋力の低下や麻痺によってうまく排出できない可能性があるため、注意が必要です。
もし誤嚥した状態を放置すれば、口腔内を通過した食べ物や水分が気管の奥に入り込み、最終的には肺炎を引き起こし、これを誤嚥性肺炎と呼びます。
誤嚥性肺炎による死亡率は、脳卒中発症から1年以内で約6%と報告されており、十分な予防が必要な病態です。
誤嚥性肺炎の原因の1つは口腔内が不潔であることが挙げられるため、口腔ケアで清潔さを保つことが、結果的には長生きに繋がる可能性もあるのです。
具体的な方法として、下記にその一例を示します。

  1. 口腔内を観察し、汚れが付着しやすい部位や舌の機能を確認する
  2. 乾燥している場合は水やスプレーで湿らせ、スポンジブラシで汚れを落とす
  3. 歯ブラシや歯間ブラシで歯を磨く

以上のような流れで口腔内を清潔に保つことが、誤嚥性肺炎予防のためには非常に重要です。

口腔ケア用品の種類とその効果

口腔ケア用品はさまざまな種類がある
口腔ケア用品にはその用途に応じてさまざまな種類があります。

  • 歯ブラシ
  • 歯間ブラシ
  • 義歯用歯ブラシ
  • 舌ブラシ
  • スポンジブラシ
  • 口腔内湿潤剤

上記のうち、最も効果が高いのは歯ブラシ、歯間ブラシ、義歯用歯ブラシなどを用いた口腔ケアです。
それぞれの歯や口の形に合う長さや硬さのブラシを選ぶと良いでしょう。
一方で、口腔内の粘膜に付着した汚れを取るスポンジブラシや、舌を綺麗にする舌ブラシは歯ブラシほどの効果は持ちませんが、柔らかい組織を傷つけることなく綺麗にできる点がメリットです。
それぞれの口腔ケア用品の特徴を理解して、安全に口腔内の衛生環境を保ちましょう。

まとめ

今回の記事では、脳梗塞後の口の麻痺とよだれについて詳しく解説しました。
脳梗塞によって嚥下障害や顔面神経麻痺が生じれば、口腔内には唾液が溜まりやすくなり、よだれが出やすくなってしまいます。
また、よだれとして体外に出る分にはまだしも、誤って誤嚥してしまえば誤嚥性肺炎に進展する可能性もあります。
脳血管障害の肺炎合併率は2.4〜47%と報告によって差がありますが、そのほとんどが誤嚥性肺炎と報告されており、誤嚥には十分注意すべきです。
現状の医療では、脳梗塞後の嚥下障害や顔面神経麻痺を完治することは困難であり、誤嚥性肺炎の予防には、嚥下訓練などのリハビリテーションと定期的な口腔ケアが肝要です。
しかし、最近では再生医療の1つとして、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」によって、脳梗塞後の嚥下障害や顔面神経麻痺が改善する可能性もあります。

よくあるご質問

脳梗塞で口からよだれが出るのはなぜですか?
脳梗塞で口からよだれが出る理由は、嚥下障害によってうまく唾液を飲み込むことができず、口腔内に唾液が溜まってしまうためです。
また、顔面神経麻痺によって左右どちらかの口がうまく閉じられなくなると、よりよだれが出やすくなります。

脳梗塞で顔の麻痺は起こりますか?
通常、大脳から脳幹に位置する顔面神経核に刺激が入り、顔面神経核から分岐する顔面神経が顔面のさまざまな筋肉に刺激を伝達することで顔が動きます。
そのため、脳梗塞で顔面神経核や大脳が障害されれば、顔面が麻痺する可能性があります。

<参照元>
・日本頭蓋顎顔面外科学会:https://jscmfs.org/general/disease13.html
・回復期脳血管障害経管栄養例の誤嚥性肺炎の発症要因|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdr/23/1/23_8/_pdf

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この記事の監修

監修医師 貴宝院永稔医師

貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)

脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医

リニューロの治療概念図
リニューロ®最大の特長は、幹細胞点滴投与中に集中的かつ反復的に狙った神経回路に適した刺激を与えることです。
身体の治る力を高める再生医療で土台を作り、狙った神経回路に同時刺激を与えることで、神経回路の再構築・強化を目指していきます。

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