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再生医療で幹細胞治療のおすすめな方法

           

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この記事を読んでわかること

幹細胞治療のメカニズムがわかる
幹細胞治療のこれまでの歴史がわかる
幹細胞治療で選ぶべきクリニックがわかる


義手や義足から始まり、失った機能を再生させる再生医療は徐々に進化し、現在では幹細胞治療が主流となっています。
整形外科疾患や神経疾患など、これまで完治困難であった病気の後遺症に対して、完治を目指すことができる可能性があり、注目度も上がっています。
そこで、この記事では幹細胞治療の基礎知識や今後の展望について解説します。

幹細胞治療の基礎知識と革新的なアプローチ

幹細胞治療の基礎知識と革新的なアプローチ
幹細胞治療は、近年、急速に広まりつつある治療法であり、これまで症状の改善が困難であった心疾患や神経疾患に対する新たな治療法としても注目が増しています。
では、なぜこれまで改善させることが困難であった病気や症状に対して、アプローチできるようになったのでしょうか?
幹細胞治療は、その名の通り、幹細胞を用いて損傷部位の形態や機能を再生する治療法です。
幹細胞とは、下記の2つの能力を有する細胞です。

  1. 自己複製能
  2. 多分化能

自己複製能とは、自身で細胞分裂を行い、自分と同じ細胞を複製、つまりコピーしていく能力を指します。
多分化能とは、全く違う系統の細胞に分化できる能力のことです。
例えば、人体は最初は1つの受精卵から始まり、そこからさまざまな系統の細胞に分化していくことで、血管や血液、神経、臓器、筋肉や脂肪などが形成されていきます。
この分化の流れは基本的に一方通行であり、例えば血液に分化した細胞が神経細胞に突如変化することは起こりえません。
しかし、最も多分化能の高い受精卵は、1つの細胞から全ての系統の細胞に分化できたわけです。
再生治療で用いる幹細胞は、損傷している臓器を構成する細胞に分化しなければ意味がないため、より多分化能が高いことが求められます。
以上、2つの能力をもつ幹細胞を人体に投与すれば、理論上は損傷した組織の細胞に分化し、さらに自己複製能でたくさんの細胞に増殖し、組織の再生を促せるわけです。

幹細胞治療の歴史と背景

では、この幹細胞はどこにあるのでしょうか?
1998年、当時J.Thomson博士は、まさに上記で解説したように人の受精卵に目をつけ、受精卵から抽出した幹細胞、いわゆるES細胞を用いた再生治療を樹立しました。
しかし、人の受精卵から抽出する点で医療倫理的な問題もあり、国内では臨床応用は困難でした。
そこで、人工的にES細胞のような幹細胞を作る研究が活発に行われ、2007年には日本の山中教授がiPS細胞を樹立します。
iPS細胞はES細胞の一部の遺伝子をヒトの皮膚細胞に組み込むことでES細胞と同質を持つ細胞です。
しかし、iPS細胞には高い技術が必要であり、臨床で応用するにはあまりにも高額である点がデメリットでした。
そこで、最近では間葉系幹細胞が注目されています。
間葉系幹細胞は骨髄や脂肪組織から簡単に採取でき、多分化能や自己複製能を持ち合わせていることから、すでに多くの医療機関で臨床応用が始まっています。

後遺症改善へ導くために選ぶべきクリニックとは

後遺症改善へ導くために選ぶべきクリニックとは
実際に幹細胞治療を受ける際には、どのクリニックを選べばいいか悩まれる方も多いでしょう。
一般的にクリニックなどで実施されている再生医療は、ほとんどが間葉系幹細胞を用いた再生医療です。
しかし、クリニックによって対象とする疾患が整形外科疾患や神経疾患など異なるため、自身の症状に見合った治療を得意とするクリニックを選ぶべきでしょう。
また、クリニックによって間葉系幹細胞を採取する部位が脂肪組織であるか、骨髄であるか、異なります。
脂肪組織の場合はあまり侵襲度は高くないですが、骨髄からの採取の場合はやや侵襲度も高いため、事前にチェックしておくと良いでしょう。
現状、間葉系幹細胞による治療は自由診療となるため、クリニックによって行なっている医療は同じでも、費用が異なります。
1回の治療でもそれなりに高額であり、より効果を得るためには複数回の投与も考えられるため、費用面でも事前にチェックしておくことを勧めます。

再生医療の将来的な保険適用の展望

再生医療はその技術の高さから費用が高額であり、治療を受ける側からすれば、保険適用が待たれるところです。
実際に、脊髄損傷の後遺症に苦しむ患者に対する再生医療「ステミラック注」は2018年に厚生労働省から『条件及び期限付承認』が付与され 、2019年から実臨床でも応用されています。
動物実験レベルでは、そのほかにも脳梗塞や脳出血・パーキンソン病・認知症・脳性麻痺やてんかんなどに対する効果が確認されており、今後の保険適用が待たれるところです。
一方で、これらの疾患を保険適用にすれば医療費高騰に拍車がかかるため、財政との兼ね合いも含めて、慎重な判断が必要となるでしょう。

まとめ

今回の記事では、再生医療での幹細胞治療のおすすめな方法について詳しく解説しました。
幹細胞治療は新たな治療法として近年注目されており、理想的な幹細胞の研究は今後も進んでいくでしょう。
また、徐々に保険適用の範囲も拡大され、今後さらに多くの疾患で臨床にも適用されていく可能性が高いです。
ただし、幹細胞治療単体で脳梗塞や脳出血の後遺症が完全に改善することは困難であり、リハビリテーションとの併用が最も効果的です。
最近では「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」によって、神経疾患の症状改善が期待できます。

よくあるご質問

幹細胞を使った治療法は?
幹細胞を使った治療法は、自身の体から抽出した幹細胞を体外で増幅させ、体に戻す治療法です。
幹細胞は損傷した臓器の細胞に分化し、損傷した形態や機能を補うように働きます。

幹細胞は何回くらい投与すればいいですか?
幹細胞治療は反復して投与するほうが効果が高いと言われており、1回ごとに2週間から1ヶ月間隔で、合計4〜5回の投与が望ましいとされています。
また、多くの場合2回目以降で効果を実感される方が多いです。

<参照元>
・厚生労働省:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kyousou/sentan/dai1/siryou7.pdf
・日本医師会:https://www.med.or.jp/dl-med/nichiionline/gakusui_r0405.pdf
・J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/56/8/56_744/_article/-char/ja/

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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