パーキンソン病の死因を知ろう|誤嚥・肺炎・転倒…リスクを減らすためにできること | ニューロテックメディカル

パーキンソン病の死因を知ろう|誤嚥・肺炎・転倒…リスクを減らすためにできること

           

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この記事を読んでわかること

パーキンソン病で起こりやすい主な死亡原因と背景がわかる。
誤嚥・転倒リスクが高まる理由と注意すべきサインがわかる。
日常生活でできる予防策と、回復を後押しする選択肢がわかる。


パーキンソン病では、病気そのものよりも誤嚥性肺炎や転倒、感染症などの合併症が生命に影響します。
飲み込みにくさや姿勢の崩れ、気づきにくい誤嚥が重なることでリスクはさらに高まります。
本記事では、なぜ誤嚥や転倒が起こりやすいのか、そのメカニズムと日常生活でできる予防策についてわかりやすく解説します。

パーキンソン病で起こりやすい主な死亡原因とは

パーキンソン病そのものが直接の死因になることは多くありません。
余命は一般の方と比べて2〜3年短い程度とされ、病気の進行そのものよりも合併症が命に影響を与えます。

特に多いのが誤嚥性肺炎で、最終的な死因の24〜40%を占めます。

嚥下の機能が低下すると、食べ物や唾液が誤って気道に入り、肺に炎症が起こりやすくなります。
転倒もパーキンソン病の患者さんにおいては死因の一つになります。
例えば、頭を強く打つような転び方をしてしまった場合、外傷性の脳損傷などの生命を脅かすような怪我につながる可能性があります。
さらに、パーキンソン病が進行すると、寝たきりもしくはそれに近い状態になる患者さんもいます。
すると、いわゆる床ずれである褥瘡(じょくそう)という、身体の特定の場所に長時間圧力がかかることによる皮膚や皮下組織が破壊される病気になってしまうこともあります。
褥瘡が放置されてしまうような場合、傷ついた組織から細菌などが入り込み、感染症の非常に重篤なものである敗血症になるケースもあります。

誤嚥と転倒のリスクが高まる理由

誤嚥性肺炎の背景にある嚥下障害、つまり飲み込みの障害は、パーキンソン病の患者さんの3〜8割でみられます。

嚥下障害が起こりやすくなる理由としては、病気によって舌や喉を動かす筋肉がこわばることがあります。
結果として、飲み込みのタイミングがずれ、食べ物が気道へ入り込みやすくなります。
また、飲み込むときの反射や、むせて気道を守る反射が弱くなることで、のどに食べ物が残りやすくなり、誤って気管に入りやすい状態になります。
誤嚥は、姿勢の変化によっても引き起こされます。
パーキンソン病の姿勢異常としては、胸椎の上部で前屈する前傾姿勢がみられます。
多くの場合、左右どちらかに少し傾く場合が多いです。
また、頚椎で前屈するいわゆる「首下がり」もみられます。
こうした姿勢の異常も、誤嚥の原因となります。

さらに、本人が気づきにくい「隠れ誤嚥(不顕性誤嚥;ふけんせいごえん)」も多く注意が必要です。
不顕性誤嚥は、気づかない内に気管に水や食べ物などが入ってしまうことです。
パーキンソン病では、唾液を無意識に飲み込む動きが弱くなり、口の中に唾液が溜まってしまう「流涎(りゅうえん)」が起こりやすくなります。
その結果、唾液が気づかないうちに気管へ流れ込む不顕性誤嚥が約15%にみられ、誤嚥性肺炎の大きなリスクとなります。

転倒リスクが高まる理由には、姿勢保持の異常(姿勢反射障害)、筋肉がこわばる筋強剛、歩き出しが難しい「すくみ足」など、パーキンソン病特有の運動症状が関係します。
これらは病気の進行に伴って悪化しやすく、転倒し骨折、運動量低下に繋がります。
そして、最終的には全身状態の悪化という負の連鎖を起こすことがあります。

日常生活でできる予防策と早期対応のポイント

スープを飲む人の手元のイメージ
誤嚥や転倒を防ぐためには、日々の生活の中で対策を積み重ねることが大切です。
まず、嚥下障害が疑われる場合は、早期に言語聴覚士による嚥下評価や嚥下訓練を取り入れることで誤嚥のリスクを減らせます。
食事の姿勢を整える、適度な水分で食べ物をまとめる、とろみ食などの飲み込みやすい食品形態を選ぶなどの工夫も有効です。

考え方や動作のクセを整える練習、呼吸の力を高めるトレーニング、動画で飲み込み方を確認しながら行う練習なども取り入れると役立ちます。
口腔内を清潔に保つことも誤嚥性肺炎の予防に欠かせません。
歯科受診や口腔ケアを定期的に行うことで、口の中の細菌が気管へ入り込むリスクを減らせます。
転倒対策としては、歩行リハビリや筋力トレーニングの継続が重要です。
また、転倒の背景にある「すくみ足」への対策として、歩き始めの動作を助ける工夫(運動・感覚トリック)が役立つことがあります。
例えば、足を一度持ち上げてから前へ出す、後ろへ軽く引いてから踏み出すといった体重移動を意識する方法があります。
他にも、身体全体を軽く揺らしてリズムを作る、横向きに一歩踏み出す、声を出して合図をつくる、床に線をイメージしてまたぐ、L字型の杖を使う、周囲の人の歩きを真似るなども、歩行のきっかけづくりとして有効です。

これらの工夫を日常生活に取り入れることで、誤嚥や転倒のリスクを減らし、安全に動作しやすい環境づくりにつながります。
家庭内の段差や滑りやすい床を見直す、安全な靴を選ぶ、歩行補助具を使用するなど、環境面の調整も効果的です。
さらに、病気の進行に合わせて適切な薬剤調整を行うことも、症状の安定と事故予防に直結します。
早期からリハビリを取り入れ、家族や周囲のサポートを得ることで安全に生活しやすくなります。

まとめ

パーキンソン病では、誤嚥性肺炎や転倒などの合併症が生命に影響することがあります。
近年、ニューロテック、脳梗塞脊髄損傷クリニックなどでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
嚥下評価や口腔ケア、リハビリに加え、リニューロ®などを併用することによって、安全な生活を維持することも可能となるでしょう。

よくあるご質問

誤嚥性肺炎を防ぐために家族ができることはありますか?
誤嚥性肺炎を防ぐためには、むせないようにすることが大切です。
食事中の姿勢をまっすぐ保つ、むせ込みが続く場合は早めに医療機関へ相談する、歯磨きや口腔ケアを習慣づけるなど、身近なサポートが誤嚥性肺炎の予防に役立ちます。
転倒しやすくなったと感じたとき、まず何をすべきですか?
転倒しやすくなったときには、歩行の変化や、すくみ足などがないかどうかチェックしましょう。
もしそうした症状があれば、早めに主治医へ相談し薬剤調整やリハビリを検討します。
家庭内の段差や滑りやすい場所を見直すことで、転倒のリスクを大きく減らせます。

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    <参照元>
    1パーキンソン病(指定難病6):https://www.nanbyou.or.jp/entry/169
    23章運動症状の治療|パーキンソン病診療ガイドライン2018:https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdgl/parkinson_2018_26.pdf
    3End-Stage Parkinson’s Disease & Death | APDA:https://www.apdaparkinson.org/article/death-parkinsons-disease-3/
    4パーキンソン病のリハビリテーション.Jpn J Rehabil Med.2012;49(10):738-745.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/49/10/49_738/_pdf

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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