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脳梗塞後に認知症が進む? 脳梗塞と認知症の関係性

           

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この記事を読んでわかること

血管性認知症の症状と原因
血管性認知症の薬物療法とリハビリテーション
生活支援のポイント


脳梗塞を発症すると、脳機能の低下によって血管性認知症と呼ばれる認知機能の障害を発症することがあります。
血管性認知症は運動麻痺や高次脳機能障害などの脳卒中に特有の症状を合併するまだら認知症と、階段状に症状が進行することが特徴です。
この記事では血管性認知症について症状の特徴、治療方法から生活支援まで解説します。

脳梗塞で認知症を発症する理由と症状

パジャマで街を歩く老婦人の画像
脳梗塞を含む脳血管疾患がきっかけとなって発症する認知症のことを血管性認知症といいます。
血管性認知症は認知症の原因の2番目となっており、65歳以下の若年性認知症の最も多い原因疾患となっています。

適切な治療を行うことで発症や進行を予防できる可能性があることから、早期の診断が重要です。

脳血管が詰まることで認知症が発症するメカニズム

血管性認知症は認知症があることに加えて、認知機能の障害が起こった期間に脳卒中を発症しているかで診断がつきます。

脳梗塞や脳出血によって脳内の血液循環が障害されると、神経での情報伝達が上手く行えなくなり、認知機能の低下に繋がります。
特に脳梗塞は脳出血と比べて発症頻度が高く、血管性認知症の主な原因の一つとなっています。
血管性認知症の症状の特徴は高次脳機能障害などの脳梗塞に特徴的な症状を伴うことです。
高次脳機能障害とは脳の障害によって、記憶力、注意、感情のコントロールが難しくなる症状のことです。
血管性認知症では、特に注意障害や計画を立てられなくなる症状が出現しやすく、症状に偏りが出現しやすいことから、まだら認知症と呼ばれることもあります。
他にも運動麻痺や動きのぎこちなさなどを伴うことも多く、記憶障害は必発ではありません。

再発によって階段状に悪化する症状

血管性認知症は階段状に症状が悪化することが特徴の一つです。
脳卒中を発症した1年後の有病率は7%程度ですが、25年後は48%に増えたとの報告もあります。

血管性認知症のリスクが上がる要因として、高血圧や高齢、心房細動などがあります。
これらは全て脳梗塞のリスク要因であり、血管性認知症は再発を繰り返すことでより症状が進行します。
そのため、治療を行って脳梗塞の再発と血管性認知症の悪化を予防することが重要です。

血管性認知症に対する治療とリハビリテーション

血管性認知症は時間経過とともに段階的に進行し、脳梗塞を再発することで症状が悪化するため、症状の進行を抑える薬物療法とリハビリテーションを行うことが重要です。

症状の進行を止めるための薬物療法

血管性認知症の治療は、予防と症状の軽減の2種類に分かれます。
予防には脳梗塞の再発や危険因子のコントロールなどが挙げられます。
特に高血圧に対する降圧療法や心房細動という不整脈に対する血をサラサラにする抗凝固療法は有効です。
症状の軽減にはドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬という種類の薬が勧められています。
コリンエステラーゼ阻害薬は脳内の神経伝達物質を増加させる作用があり、認知症の症状緩和に対しての有効性が認められています。

血管性認知症に対するリハビリテーション

笑顔で運動する老婦人の画像
血管性認知症に対してのリハビリテーションでは、認知機能の状態を確認した上で家族と相談しながら進めることが重要です。
リハビリテーション治療の中では適度に有酸素運動を行うことが有効です。

運動を行うと、脳への血流量が増え酸素や栄養を十分に届けることができるだけでなく、ストレスの改善にも役立ち、認知面のさらなる低下を防ぐ効果が期待できます。
さらに、片麻痺などの身体症状も合併していることが多いため、運動を行うことで体力や筋力を維持することが重要です。
認知機能に対するアプローチとしては、他にもパズルや計算課題、コンピュータを使用した訓練などがあり、認知機能の改善や低下の予防が期待できます。

生活でできる認知症への対応方法

血管性認知症の方は適切な支援や生活環境を整えることで症状を軽減したり、転倒などの事故を防ぎやすくなります。
特に高次脳機能障害の影響で出現する生活動作の問題には、周囲からの援助や対策が効果的です。
症状によって手順が分からない時に、手順の整理や簡素化を行う援助を繰り返し行うことで動作の再獲得を目指すことができます。
環境調整は手順を分かりやすくする工夫が重要です。
自宅での工夫はできる限り分かりやすい動線の設計やラベルの活用などで症状の軽減が期待できます。
また、普段の生活をルーティン化することも有効です。
血管性認知症の方は、片麻痺などの身体症状も合併していることが多いため、自宅内の段差の解消や動線上は歩きやすい環境を整えて、転倒を予防することも重要です。
たとえ、血管性認知症があっても適切な環境設定や周りの支援で自宅での生活を続けることができます。
介護保険のサービスの中でも訪問リハビリテーションは、専門職が生活の場所に訪問して対応ができるため、必要であれば利用を検討しましょう。

まとめ

この記事では脳梗塞後に発症する血管性認知症について解説しました。
血管性認知症は脳卒中が原因で発症し、段階的に症状が悪化します。
高次脳機能障害や片麻痺などの脳梗塞特有の症状を合併することが多く、生活には周りの支援や環境調整などが重要です。
脳梗塞で損傷した神経の治療は確立されていませんが、再生医療にはその可能性があります。
今後、神経再生医療×リハビリテーションの治療の研究は進んでいきます。
私たちのグループは神経障害は治るを当たり前にする取り組みを『ニューロテック®』と定義しました。
当院では、リハビリテーションによる同時刺激×神経再生医療を行う『リニューロ®』という狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療を行っていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご連絡をお願いします。

よくあるご質問

アルツハイマー型認知症との症状の違いは何ですか?
アルツハイマー型の認知症はゆっくりと症状が進行し、主な症状として記憶障害が目立ちます。
一方で、血管性認知症は高次脳機能障害をはじめとした脳卒中に特有の症状が段階的に進むことが特徴です。
自宅でできる環境調整の具体的な方法はありますか?
基本的には手順や内容が分かりやすいように調整することが重要です。
具体的な方法として、引き出しに中身が分かるようなラベルを貼る、動線上の物を片付けて歩きやすくする、時計を大きいものに変えたり数字がはっきり書いてあるものにするなどがあります。

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    <参照元>
    1:血管性認知症|J -stage 猪原 匡史 日本内科学会雑誌 109巻 8号 1519-1525 2023年:https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/8/109_1519/_pdf/-char/ja
    2:認知症疾患ガイドライン2017:https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_14.pdf
    3:脳卒中治療ガイドライン2021改定2025:​https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2025_kaiteikoumoku.pdf

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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