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脊髄損傷後のリハビリテーションアプローチ

この記事を読んでわかること
脊髄損傷患者にとって関節可動域訓練が重要となる理由
脊髄損傷者の行う運動療法について
脊髄損傷者の行うADL訓練について


脊髄損傷者は、受傷後早期からリハビリを行うことが重要となります。
肩甲骨や体幹をはじめ、四肢の関節可動域を柔軟に保ち、日常生活動作の新しい動作パターンを獲得する必要があります。
関節可動域訓練のほか、筋力訓練やバランス訓練を行い、ADL動作獲得に向けて積極的にリハビリを行いましょう。

関節可動域の訓練とその重要性

関節可動域の訓練とその重要性
脊髄は脳からの「体を動かす、痛みなどを感じる」といった信号を手足の細い神経に伝える役割があります。
強い外力などで脊椎が折れたり、大きくずれたりすると、脊椎の中の脊髄も一緒に損傷されてしまうことがあります。
脊髄が損傷すると、障害された部位より下へ脳からの指令が伝わらなくなり、また、下からの信号も脳へ伝わらなくなります。
そのため、運動麻痺や感覚障害、自律神経障害、排泄障害などの障害が生じるのです。
脊髄損傷の方は、損傷レベルにより獲得可能な動作が規定されます。
身体機能面においては、関節可動域の柔軟性の確保が非常に重要となります。
肩甲骨や体幹の柔軟性は動作の獲得において影響を与えます。

また、肘関節の関節可動域の確保も重要です。
肘関節を伸展する筋力が乏しくても、肘関節を伸展した状態でロッキング出来れば、上肢で体重を支える手助けが出来ます。
肘関節が屈曲した状態で固まってしまうと、プッシュアップ(上肢で体・臀部を挙上させる動作)で肘関節の伸展を利用できないので、まずは関節可動域の改善が必要となります。
関節が拘縮しないように受傷早期からの関節可動域訓練が必要といえるでしょう。
プッシュアップ動作はADL動作を獲得する際に大きく影響するので、動作ができるように早期から関節可動域訓練を実施しましょう。

筋力強化と運動療法の効果

脊髄損傷は損傷部位以下の運動麻痺が症状として現れるため、残存筋(麻痺していない筋)の筋力増強を行います。
完全麻痺の場合、動作の基本は座位姿勢となります。
足を前に伸ばした座位(長座位)での動作を要する場面が多くなると想定されるため、長座位での安定した座位を取れるように練習をしていきます。
まずは手をついて座位を取れるようなバランス訓練を行い、座位が取れるようになったら上肢を挙げたりボール投げをして動作時のバランス能力を高めます。
動作時の座位バランス能力が獲得できたら、プッシュアップ動作の練習を行う段階です。
頸髄損傷者は損傷レベル(残存筋力)により動作様式が異なります。
関節可動域、筋力、バランス能力が、プッシュアップ能力、移乗能力に影響してくるのです。
頚髄損傷者は限られた残存機能を効率よく使う必要があり、プッシュアップ動作、移乗動作は難しい動作と言えます。
特に、肘関節伸展動作がプッシュアップ動作や体を支える際に影響します。

日常生活動作(ADL)のリハビリテーション

日常生活動作(ADL)のリハビリテーション
脊髄損傷の方が日常生活活動を獲得するためには、残された機能を使用して目的動作を可能にする新しい運動パターンを学習する必要があります。
その方の機能によっては、自助具や装具を導入し、動作練習を進めていきます。
この記事では、ADLの中の食事動作と排泄動作についてご紹介します。

食事動作

上肢の障害が重度な場合でも早期から取り組む必要があるのは食事動作です。
筋力が十分ではない場合、上肢の運動を補助する機器や自助具を利用して食事動作の練習を行います。
動作が可能になったら、病棟生活にて実際に食事動作を自身で行うように看護師と協力して進めます。
上肢機能が改善すれば、機器を外して、機能に合わせた自助具に変更するなど工夫して対応します。

排泄動作

脊髄損傷の方は排泄について悩まれる方も多いでしょう。
排尿は、なるべく早く膀胱留置カテーテルを抜去し、尿意を感じることができるか、失禁はないかなど観察し、導尿へ切り替えます。
リハビリでは、その方の身体機能に合わせた導尿方法や道具の検討を行います。
排便は、規則的な排便ができるようになることで、生活スケジュールが立てやすくなります。
まずは、排便の間隔や便の性状、失禁状態などを確認し、その方に合った下剤や排便方法を検討します。
リハビリでは、その方の能力が発揮できるような環境設定を病棟と連携して進めていきます。
トイレの環境は高床式のトイレにしてプッシュアップにて移動、移乗できるようにしたり、その方の能力に合わせて検討します。

まとめ

脊髄損傷は損傷部位以下の運動麻痺や感覚障害、自律神経障害、排泄障害が見られます。
脊髄は脳と同様に中枢神経に分類され、一度損傷されるとその再生は困難であり、後遺症がその障害の程度により残ります。
残存機能を最大限発揮できるように、関節可動域訓練や筋力訓練、運動療法は非常に重要です。
関節可動域や筋力はADL動作にも影響してくるのです。
治癒が困難と言われている疾患において、近年は再生医療が注目を浴びています。
ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、脳脊髄損傷部の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
また、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』をニューロテック®と定義し、生命の再生を促す再生医療を取り入れています。
再生医療だけではなく、リハビリも同時に行うことで(神経再生医療×同時リハビリ®)、より治る力を高めていくのです。
ご興味ある方は是非、お問い合わせください。

Q&A

脊髄損傷のリハビリはいつから始められますか?
受傷直後は、二次損傷の拡大を防止するために、患部の安静と病変の安定化を目指し、ベッド上安静が必要となります。
しかし、全身管理の下、積極的に身体を動かすリハビリを早期から開始することが重要です。
寝たきりにせず、早期に身体を起こし、リハビリを開始しましょう。

回復期リハビリテーション病棟でどんなリハビリが受けられますか?
床ずれや関節拘縮などの合併症を予防するリハビリと、残っている筋力を維持、強化するリハビリを行います。
そのほか、座位バランス訓練も実施し、残存機能を最大限に活用できるような能力の獲得に努めます。

<参照元>・日本リハビリテーション医学:
https://www.jarm.or.jp/civic/rehabilitation/rehabilitation_03.html
・慶応義塾大学 医療・健康情報サイト:
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000159.html

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