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変形性頚椎症のリハビリと治療

この記事を読んでわかること
頚椎症とはどのような状態か。
頚椎症に対するリハビリにはどのようなものがあるか。
頚椎症の治療法としてはどのようなものがすすめられるか。


変形性頚椎症は、加齢などによって頚椎の骨にとげのような変形が生じたり、あるいは椎間板の変性や膨隆が生じ、神経症状が現れてくる疾患のことです。この記事では、変形性頚椎症に対するリハビリやストレッチ方法、そして治療法にはどのようなものがあるのか、解説していきます。

効果的なリハビリテーション方法

効果的なリハビリテーション方法

それでは、変形性頚椎症とはまず何かについて簡単にご説明します。

変形性頚椎症は、年齢を重ねることによって、頚椎という首の部分にある背骨にとげができたり、また椎間板という頚椎と頚椎の間にあるクッションのような構造をしているものが外側に飛び出してしまった状態のことです。

この変形性頚椎症によって、頚椎にある脊柱管の中を通っている脊髄が圧迫されたり、脊髄から外へ出ていく部分である神経根という部分が圧迫されます。すると、いろいろな神経症状が現れます。頚椎が変形し神経症状が出てくるような場合は、50歳以上に多く、女性よりも男性の方が多いとされています。

神経根という部位が圧迫されると、片側の肩甲骨周囲や二の腕の痛み、そしてしびれ、運動障害が生じてきます。症状が進行すると、これらの部位の筋肉の萎縮も起こってきます。

脊髄が圧迫された際には、まず初めに腕のしびれが出てくることが多いです。両側の上肢の症状が同時に始まる場合もあれば、片側からはじまりその後両側になる、あるいは片側だけで止まるということもあります。肩甲骨の周りの痛みは伴わないことが多く、あっても「筋肉がこる」くらいの感覚のようです。一方で、脊髄が圧迫されている場合には広い範囲での感覚障害が起こり、また運動障害も生じてきます。

それでは、ここからは変形性頚椎症に対して効果的なリハビリテーション方法についてご紹介しましょう。

姿勢の改善

正しい姿勢を維持することは、頚椎症の症状を悪化させないためにも重要です。首を後ろに反らせる姿勢で、痛みが強くなります。デスクワークの際やスマートフォンを使用する際には適切な姿勢をとるようにします。

可動域を高め、筋力を回復する運動をする

頚椎症では、肩関節周りの筋肉が弱ってしまっていることがあります。この症状を改善し、筋力アップを図ることが大切です。リハビリテーションとして、筋力が低下している側の腕をあげ、そしてゆっくりと回しおろすというような運動があります。斜めに傾いた台の上に寝転がり、こうした運動をした結果、筋力の向上・回復に効果があったという報告があります。

手指の動きのリハビリテーション

頚椎症では、手指の細かな動きが難しくなってしまうことがあります。例えば、ボタンをかけたり、お箸を持ったりするといった動作です。リハビリテーションでは、こうした作業についても機能を回復するための運動を行っていきます。

変形性頚椎症の治療について

変形性頚椎症の治療の第一選択は保存的治療となります。頚椎症の神経障害は、必ずしも慢性的に進行するとは限らないことがわかっています。一方で、転倒したり、不適切な首の姿勢や運動によって症状の悪化が起こりやすいのです。頚椎症がある高齢者が転んでしまい、脊髄損傷になってしまうという場合もあります。

そのため、まずは保存的治療と頚椎症の悪化の予防としては、頚椎の良い姿勢を保ち、とくに後ろに反らすことを避けることが大切です。例えば、首だけを曲げて上を見続けない、腹ばいになって本やテレビを見ないことなどがあります。また、頸椎カラーなどで固定することも有効です。

一方、こうした保存的な治療でも症状が進行してくるような場合や、急激に神経症状が悪化する場合には手術が選択されます。

自宅でできる運動とストレッチ

頚椎症と診断された場合に、首の痛みやこり、頭痛、痺れなどの改善に役立つ、自宅ケアとしての頚椎運動やストレッチをご紹介しましょう。

ただし、症状が進んでいる場合や、他にも持病がある場合には、事前に医師に相談してから行い、無理な力を加えず、痛みや不快感を感じた際には中止するようにしましょう。

前屈ストレッチ

  • 座ったり立ったりした状態で、背中をまっすぐにし、肩をリラックスさせます。
  • 頭をゆっくりと前に傾け、顎を胸に近づけます。
  • 痛みを感じない範囲で、軽く伸ばすことが重要です。
  • 15〜30秒間キープし、ゆっくりと元の位置に戻します。

横方向のストレッチ

  • 座ったり立ったりした状態で、背中をまっすぐにし、肩をリラックスさせます。
  • 頭を横に傾け、耳を肩に向けます。
  • 痛みを感じない範囲で、15〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。

肩の筋力トレーニング

  • ゴムバンドをもち、腕を後ろへまっすぐ引きます。10回繰り返し、前にも同様に引っ張ります。
  • 拳で壁を5秒間おします。1セット10回を目安にします。
  • 壁に対して横向きに立ち、前腕で壁を5秒間おします。1セット10回を目安にします。

まとめ

今回の記事では、頚椎症に対して効果が期待できるリハビリや運動、そして治療法について解説しました。

しかし、頚椎症による神経症状が進行し、脊髄損傷が不可逆的なものとなってしまうこともあります。傷ついてしまった神経を根本的に治すことができる可能性のある治療法として、再生医療に注目が集まっています。

当院ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、脳脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。

このリニューロ®では、同時刺激×再生医療™、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリを行うことで神経障害の軽減を目指します。

ご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談ください。

Q&A

変形性頸椎症の治し方は?
変形性頚椎症の治療法としては、まずは理学療法や内服薬、頚部の牽引や固定といった、保存的な治療が行われます。しかし、症状が急速に進んできたり、重くなってきた場合には手術が選択されます。
頚椎症の人がやってはいけないことは何ですか?
頚椎症の症状を悪化させないためには、首を後ろに反らす体勢は避けましょう。上を見上げる姿勢はとらない、首をぐるぐる回す運動は避ける、そして腹這いでの読書やテレビ視聴をしないことなどがあげられます。

<参照元>

頸椎症の診療.臨床神経.2012;52:469-479.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/clinicalneurol/52/7/52_469/_pdf

家庭でできる運動シリーズ(理論編)”首・肩に症状がある方に” 独立行政法人 労働者健康福祉機構

https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/oshirase/pdf/reef4kubi.pdf

頸椎症性筋萎縮症 (Keegan 型頸椎症)に対する運動療法.理学療法学.2009;36(2):62-69.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/36/2/36_KJ00005580969/_pdf/-char/ja

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