先進リハビリによる機能改善

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リハビリと再生医療を組み合わせることによる効果

この記事を読んでわかること再生医療による組織再生のプロセスがわかる
再生医療とリハビリの相乗効果がわかる
リハビリが機能改善に与える影響がわかる


これまで、脳卒中や脊髄損傷後の後遺症に対してリハビリが行われてきましたが、それだけでは後遺症の大幅な改善は困難でした。
そこで、最近では再生医療技術とリハビリをハイブリッドで行う再生リハビリテーションの分野が非常に注目されています。
この記事では、 リハビリと再生医療を組み合わせることによる効果について詳しく解説します。

リハビリと再生医療の相乗効果を

リハビリと再生医療の相乗効果を
脳卒中などの病気によって生じた後遺症に対して、これまで我々はリハビリを中心とした治療を実践してきました。
脳卒中によって破壊された神経細胞は、リハビリを行うことで神経細胞の突起の伸びが改善し、神経回路が変化し、運動機能が回復することが報告されています。
また、回復させたい運動や動作をリハビリで反復して訓練することで、脳にその動作を学習させて、よりその動作をスムーズに行えるようになる効果も期待されています。
しかし、重度の麻痺やしびれがリハビリによって完全に無くなることは困難であり、あくまで日常生活の質をある程度向上させることが主な目的です。
一方で、1990年代後半にはES細胞をはじめとする再生医療の研究が盛んになり、iPS細胞・間葉系幹細胞など、臨床応用を目指した開発が進みました。
再生医療は幹細胞と呼ばれる多分化能・自己複製能を持ち合わせた細胞が、損傷した臓器や組織の細胞を補い、失われた機能を再生させることを目指した治療です。
しかし、複雑な脳の構造や神経ネットワークを再生医療で完全に再構築することは現状不可能であり、現在でも万能な治療法とは言えないのが現状です。
そこで、リハビリと再生医療の双方を併用することで相乗効果が期待され、実践する医療機関も増えています。
国立障害者リハビリテーションセンターの研究を例に挙げましょう。
嗅粘膜細胞を損傷した脊髄に直接移植することで脊髄機能の再生を目指した治療法は、日本でも実践されている再生医療の1つですが、この成果についてはエビデンスに乏しい状態です。
そこで、国立障害者リハビリテーションセンターの研究では、嗅粘膜細胞の脊髄移植と併用してリハビリを行なった結果、より身体機能が改善されることを証明しました。
以上のことからも、近年では米国を中心に再生医療とリハビリの併合である再生リハビリテーションという概念が急速に普及しつつあります。

損傷した脳組織の修復を促進する再生医療技術

長崎大学の研究によれば、再生医療が脳に及ぼす効果を下記のようにまとめています。

  • 血管新生
  • 抗炎症作用
  • 樹状突起の再構築や神経軸索の伸展
  • 脳血液関門の修復
  • シナプス増生

まず、幹細胞に含まれる血管内皮増殖因子には血管新生作用・抗炎症作用があり、脳卒中に伴う血管破綻や炎症にも効果的です。
次に、神経細胞の一部である樹状突起や軸索の形成を促進し、神経細胞同士の連結(シナプス)の増生にも寄与します。
さらには、これらの神経細胞の再生によって、正常な脳機能維持に必要不可欠な脳血液関門の修復も期待できます。

脳卒中と脊髄損傷後の治療における新たな可能性

上記で記したように、再生医療とリハビリテーションの併用は脳卒中と脊髄損傷後の治療における新たな可能性として注目されています。
再生医療だけでは不十分であり、移植した幹細胞が実際に元のクオリティーを再現できるレベルに機能するためには、ある程度リハビリテーションでストレスを与えてあげることが肝要です。
例えば、血管は血流による負荷を受けることで成熟します。
また、先天性股関節脱臼に代表されるように、不適切なメカニカルストレスの付与は適切な臼蓋形成を阻害します。
以上のことから、幹細胞に適切なストレスを与えることが機能再建の一番の近道であり、そのため、リハビリテーションの併用が非常に重要です。

創傷治癒から神経再生まで:再生医療の広がり

再生医療は日本でも徐々に臨床適応が拡大傾向にあり、日本では現在19種類の再生医療等製品が健康保険の適応となっております。
また自由診療における臨床使用も増加傾向であり、創傷治癒から神経再生まで、幅広い病態・疾患に有効な治療法として、今後も適応拡大が待たれるところです。
一方で、高度な医療技術が必要となるため、保険診療・自由診療ともにコスト面のハードルが今後の普及の問題となるでしょう。

まとめ

今回の記事では、 リハビリと再生医療を組み合わせることによる効果について詳しく解説しました。
これまで改善することの困難であった脳卒中や脊髄損傷の後遺症も、今後は再生医療とリハビリを併用することでさらなる改善が期待できます。
再生医療によって損傷した組織の細胞や血管の再生を促し、リハビリによってより機能が回復するようにすることが予後にとって肝要です。
実際に、最近では「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、脊髄や神経の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」によって、再生困難な脳細胞や神経細胞の再生を目指します。

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Q&A

再生医療とリハビリテーションを併用するとどうなる?
再生医療の主な効果は、血管増生・抗炎症作用・損傷した細胞自体の再生の促進などが挙げられます。
またこれらの効果によって組織の再生が期待でき、損傷した臓器や神経の再構築が期待できます。

再生医療はどんな効果があるのですか?
再生医療の主な効果は、血管増生・抗炎症作用・損傷した細胞自体の再生の促進などが挙げられます。
またこれらの効果によって組織の再生が期待でき、損傷した臓器や神経の再構築が期待できます。

<参照元>・国立障害者リハビリテーションセンター:
http://www.rehab.go.jp/rehanews/japanese/No366/1_2_story.html
・J STAGE:
https://www.jstage.jst.go.jp/acrticle/jptf/21/1/21_2/_pdf/-char/ja
・長崎大学:
https://www.nagasaki-nouge.jp/katsudou12.html

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