・リハビリテーションとは何か
・神経障害における早期リハビリテーションのの重要性
・施設と日常生活におけるリハビリテーションについて
神経障害の後遺症におけるリハビリテーションはとても重要性が高く、特に早期治療・早期リハビリテーションが重要で効果的と言われています。
この記事では、神経障害のリハビリテーションの重要性、施設や日常生活でのリハビリテーションの内容について説明しています。
目次
リハビリテーションの目的と全体的な効果
近年、リハビリテーションが発達しており、注目されています。
リハビリテーション科を大きく構えている病院やデイケアを見かけることもあるのではないでしょうか。
では、リハビリテーションとは一体どんなものなのか、具体的に説明させていただきます。
リハビリテーションとは
リハビリテーションとは、病気や障害によって自身の身体機能に支障をきたした患者が、日常生活の活動を高め、家庭や社会での活動の場を広げる手助けをするものです。
神経障害のリハビリテーションの対象
神経障害のリハビリテーションの対象となる疾患は、以下のような疾患があります。
- 脳血管障害(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)
- パーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
など。
リハビリテーションの目的と効果
病気や障害によって、身体機能や日常生活動作に支障をきたしてしまった際に、身体症状に対して適切なリハビリテーションを行うことで、障害の回復を目指します。
病気になっても「その方らしく」生きていけるように、身体機能の回復を図り、残存機能を最大限に発揮することがリハビリテーションの目的といえるでしょう。
リハビリテーションを行う際は基本的な動作訓練、歩行訓練、日常生活動作訓練、嚥下訓練などをその方の症状に合わせて取り入れます。
その方の生活を想定して必要となる訓練を早期より積極的に行うことで、より回復に期待が持てます。
では、なぜ早期リハビリテーションが重要なのでしょうか?
介護が必要になった方が少しでも自宅での自立した日常生活を取り戻せるように、様々な医療介護サービスが存在します。近年では、要介護だけでなく要支援の方でも利用可能な、特にリハビリに特化した「リハビリ特化型デイサービス」の利用も盛んになってきました。今回は、リハビリ特化型デイサービスについて解説していきます。
脳梗塞後の早期リハビリテーションの重要性
脳梗塞発症後は早期治療、早期リハビリテーションが重要とされています。
以下に、その重要性について説明します。
脳梗塞発症後の治療の重要性
脳の血管が詰まると、その血管に近い部分は脳の血流がとても少なくなり、脳梗塞に陥ります。
脳梗塞部位の周りは血流が少なくなってはいますが、何とか生きながらえている部分があります。
しかし、このまま放置するとやがて脳梗塞になってしまうのです。
これを救うためには詰まった血管を再開通させないといけません。
発症から3時間以内に再開通が得られれば、生きながらえている部分が壊死せずに症状が劇的に改善する可能性があるのです。
脳梗塞発症後の早期リハビリテーションの重要性
脳梗塞発症後、ベッドで横になって安静にしている期間が長くなると、筋力低下、関節の動きが硬くなる関節可動域制限が見られてきます。
また、ベッド上での寝返りなど姿勢変換が困難だったり少ない場合、褥瘡(床ずれ)が見られることもあります。
こういった二次的障害を招いてしまうと、基本的な起き上がりや立ち上がり動作にも支障をきたしかねません。
その後の身体活動をなるべくスムーズに出来るようにするには、早期にリハビリテーションを開始して、二次的障害を予防し、リハビリを開始することが重要です。
とはいえ、発症直後は血圧管理が必要なので、リハビリを実施する際は理学療法士や作業療法士が医師と連携をとって介入します。
段階的に進め、体の負担が過度にならないように配慮しながらリハビリを行います。
リハビリ施設と日常生活それぞれで行うリハビリとは
脳梗塞発症後、病院でのリハビリを実施した後に、通所・または入所にて施設でのリハビリを行う方が多いと思われます。
そこで、施設で行うリハビリと日常生活で行うリハビリについてご紹介させていただきます。
リハビリ施設でのリハビリテーション
リハビリ施設では入所者に対してのリハビリと通所リハビリがあります。
入所者・通所利用者は、どちらも脳梗塞を発症して病院の入院を経由し、施設利用に至った方が多いと思われます。
脳梗塞の急性期、回復期を経過し、生活期・維持期と呼ばれる段階です。
生活期では、現状の身体機能で日常生活の動作をいかに自身で行うかが重要となります。
また、身体機能、身体能力が低下しないように予防しなくてはなりません。
具体的には以下のようなリハビリテーションを行います。
- 関節可動域訓練 :
脳梗塞により体に麻痺を生じると、自身で十分動かせずに関節の動きが硬くなることがあります。
療法士により動かしてもらう他動運動、マシンなどを利用して動かす運動を行います。 - 筋力維持訓練 :
運動する機会が少なくなると、麻痺側だけでなく麻痺のない手足の筋力が低下してしまいます。
すると、歩行や日常生活動作に支障をきたしかねません。
負荷は筋力に応じて調整して上肢や下肢の筋力維持のための訓練を取り入れます。 - 歩行訓練 :
その方の症状によって杖や歩行器を使用したりと歩行形態は異なります。
その方の身体機能の状況に合わせて歩行能力の維持・向上を図り、必要に応じて歩行補助具(杖や歩行器)の種類の変更も検討します。 - 日常生活動作訓練 :
トイレ動作や更衣動作、食事動作など、日常生活動作に困難さを抱えている場合、実際の場面の評価と必要となる訓練を療法士が提案します。
日常生活でのリハビリテーション
日常生活におけるリハビリテーションは、生活動作そのものをリハビリと捉え、取り組むことが重要です。
身体機能に合わせて、自力で行う部分、介助してもらう部分を把握しましょう。
療法士に身体能力を評価してもらい、アドバイスをもらうと良いでしょう。
具体的には以下のようなリハビリテーションを行います。
- トイレ動作 :
トイレまでの移動を自力で行い、移動能力の維持を図ります。
トイレ内での起立や立位保持を自力で行い、安定した立位を保持してズボンの上げ下げを行います。
動作が困難な場合は、手すりを利用して安全に行えるように工夫しましょう。 - 食事動作 :
食事を摂る際、麻痺側の手でも食器を支える、箸やスプーンを使う動作を取り入れます。
動作が困難な場合は自助具を療法士に提案してもらい、導入するのも選択肢の一つです。
自分で出来ることは自分で行い、身体機能が低下しないように配慮します。
その際、必要であれば福祉用具を導入し、安全に行えるようにすると良いでしょう。
まとめ
脳梗塞をはじめとした神経障害は早期治療、早期リハビリテーションを行うことで、回復が期待できます。
しかし、神経障害そのものは完全に治ることは困難と言われています。
そこで、近年注目を浴びているのが再生医療です。
ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
また、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』をニューロテック®と定義し、生命の再生を促す再生医療を取り入れています。
再生医療だけではなく、リハビリも行うことで(神経再生医療✕同時リハビリ®)、より治る力を高めていくのです。
神経障害の後遺症を諦めていた方も、再生医療に視野を広げてみてはいかがでしょうか。
2024.04.04
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よくあるご質問
- リハビリが必要な理由は何ですか?
- リハビリは、病気や障害の回復を図る他、残存機能を最大限に活かせるように働きかけます。
日常生活における自力で可能な動作を増やす働きかけが出来るため必要といわれています。 - 脳梗塞のリハビリはなぜ重要ですか?
- 脳梗塞後早期よりリハビリテーションを行い、廃用症候群にならないように働きかけ、回復を促すことがリハビリテーションの重要な役割です。
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<参照元>・日本医療・病院管理学会:
https://www.jsha.gr.jp/glossary-keyterm/r6/rehabilitation/#:~:text=WHO
・東京都保健医療局:
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/sonota/riha_iryo/kyougi01/rehabiri24.files/siryou162.pdf
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