先進リハビリによる機能改善

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再生医療とリハビリの相乗効果

この記事を読んでわかること
再生医療とはどのような医療か
再生医療にリハビリが必要な理由


iPS細胞を中心に再生医療の研究は日々行われています
再生医療は治療を行った後も大事であることは、意外と知られていないかもしれません。
特に神経、筋、関節など運動・活動に必要な臓器の再生医療は、リハビリを行うことでより高い効果が見込めます。
この記事では再生医療とリハビリの併用について解説します。

再生医療とは

再生医療とは

再生医療とは幹細胞やiPS細胞などを用いて、欠損や機能不全となった臓器や組織を再生することで、機能の回復を目指す医療です。
脳卒中や脊髄損傷では、神経細胞が機能を停止してしまったり、軸索が断裂して変性してしまいます。かつては「一度障害を受けた神経細胞は戻らない」という見方がありました。
近年では可塑性という、外界からの刺激に対して神経ネットワークの構造や機能が変化する性質が注目されています。
可塑性を目指し、様々なリハビリテーションが行われていますが、依然として障害はゼロにはなりません。
再生医療はそこを打破する可能性を持っています。

語源から見る再生医療とリハビリテーション

再生医療とリハビリの相乗効果を考えるにあたって、2つの言葉を見直してみましょう。
「再生」という言葉は「地方再生」「再生可能エネルギー」など、「古くなったものを新しく生まれ変わらせる」「蓄えられた知識や原料を再度使用する」といった意味で用いられます。
一方で、リハビリ、つまりrehabilitationという言葉はre(再び)+habilis(適した、ふさわしい)から成り立っています。
再生医療とリハビリのどちらもほとんど同じ意味であり、概念として非常に相性が良いことが分かります。

再生医療とは下地である

再生医療は、損傷したり失われたりした臓器・組織を回復させる全く新しいアプローチです。
後述するように再生医療単独で効果が見込めるわけではありませんが、従来の方法では神経細胞が新たに増えることはありません。
そういった意味で、再生医療はリハビリを行っていくための下地とも言えます。

再生医療の成功の鍵はリハビリ

再生医療の成功の鍵はリハビリ
再生医療はかつて「細胞」、「足場」、「栄養」の3本柱が重要と言われていました。
そこに近年では第4の要素として「リハビリテーション」を加える視点が注目されています。
それだけで根治を目指せると考えられていた再生医療ですが、神経細胞の再生は極めて難しく、細胞移植単独では効果がなかったのです。
基礎研究では、ラット脳損傷モデルに細胞移植と運動療法を加えることで、軸索(神経細胞)が新調され、機能的な回復もより高くなりました。
パーキンソン病のモデルラットでも同様の効果が得られています。
再生医療後の運動により改善するメカニズムとしては、移植細胞から分化した神経細胞が必要な回路の強化と不必要な回路の退行をもたらす、運動による神経栄養因子が移植に有利である、廃用や学習された不使用を改善させるなどが考えられています。

再生医療以降もリハビリを継続していく理由

「細胞」という小さな視点で見ると、再生医療は下地であり、それをうまく利用するためにリハビリが必要ということは分かりました。
では、もっと大きな視点で再生医療とリハビリを見るとどうでしょうか。
再生医療を必要とする人は何らかの障害を持っている人で、再生医療の目的は障害の軽減に他なりません。
例えば脳卒中や脊髄損傷であれば麻痺がよくなる、変形性膝関節症であれば痛みが減るなどです。
しかし、障害が軽減されることは「始まり」に過ぎません。
受傷・発症したあとに身体機能が大きく変化して、適応したように、回復させることでの新しい機能を生活を見直す必要があります。
もちろん、リハビリには得られた機能を維持する効果もあります。
単に麻痺が治ったというのもQOL(Quality of Life;生活の質)を大きく上げるでしょう。
しかし、その先の「麻痺が治って何をするのか」「障害を軽減してどう生きるのか」という活動の視点を忘れずに、リハビリを行っていく必要があります。

まとめ

この記事では再生医療とリハビリの関係について解説しました。
何らかの活動を損ねてしまう疾患を発症した人は全員、リハビリテーションを行うこととなりますが、どうしても後遺症が残ってしまう人はいます。
再生医療はそのような人のための希望の光となりますし、リハビリを併用することがよりよい未来に繋がる可能性があります。
当院ではニューロテック®という「神経障害は治るを当たり前にする取り組み」を行っています。
取り組みの中の一つであるリニューロ®では、脳卒中と脊髄損傷の後遺症を対象に、同時刺激×神経再生医療™、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリをおこなうことで神経障害の軽減を目指します。
少しでも後遺症で悩む方が減るように、再生医療について最新の情報を集めながら医療を提供していきたいものです。

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Q&A

再生医療とリハビリテーションを併用するとどうなる?
運動器の再生医療はリハビリと併用することで、より高い効果が見込めます。
特に神経については、体内にある既存の神経ネットワークと再生医療による新規のネットワークが繋がらないと意味がありません。
そのためにはリハビリが必須と言えます。

再生医療のメリット・デメリットは?
再生医療のメリットは障害のある臓器の再生が見込めることです。
神経のような、かつては一度損傷すると回復が難しいと考えられていたものにも期待が持てます。
デメリットは拒絶反応や処置に伴う侵襲、腫瘍などの有害事象です。比較的新しい治療法のため、未だにわかっていない有害事象も出てくるかもしれません。

<参照元>・再生リハビリテーション(JpnJRehabilMed2021;58:1149-1155):
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/277595/1/jjrmc.58.1149.pdf
・社会復帰に向けた再生医療後のリハビリテーション医療-リハビリテーション医療現場で今できる準備-:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/resja/37/1/37_11/_pdf

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