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頸椎症性脊髄症の診断と治療とリハビリ

この記事を読んでわかること
頸椎症性脊髄症の診断方法
頸椎症性脊髄症の治療方法とその選択
術後のリハビリと保存療法でのトレーニング方法


頸椎症性脊髄症とは頸椎の脊柱管が狭い状態で不安定性や外傷が原因で発症する脊髄麻痺のことです。
50代以降の男性に多く、10万人あたり数人程度が要治療者とされています。
症状として上肢を中心とした感覚障害と運動麻痺が見られます。
この記事では頸椎症性脊髄症の診断と治療とリハビリについて解説します。

診断方法でMRIとCTの違いと使い分け

診断方法でMRIとCTの違いと使い分け
頸椎症性脊髄症では上肢の感覚障害や上下肢の運動麻痺が見られることが多く、その他にも深部腱反射が亢進するなどの徴候がありますが軽症例では出ないこともあります。
そのため、頸椎症性脊髄症の診断には各種の画像検査を合わせた総合的な判断が必要になります。
画像検査として最も信頼性の高い検査はMRIになります。
MRI検査は他の画像検査と比較して、脊髄を明確に写すことができます。
また、放射線を使用しないため被曝がないこともメリットの一つです。
MRI検査を行なった際に脊髄の圧迫所見や扁平化を認めると診断をつけることができます。
CT検査は体内金属(ペースメーカーなど)がありMRI検査を行うことができない方や、MRIでは十分に脊柱の状態が評価できなかった場合に行います。
CTのメリットは体内金属がある方でも撮像できることやMRIと比較すると検査時間が短いことが挙げられます。
診断の際、基本的にはMRI検査を行なった上で確定診断をつけますが、体内金属がある場合や術前の精査目的にCT検査を使用することがあります。

手術と保存療法それぞれのメリットとリスク

頸椎症性脊髄症の治療方法は手術療法と保存療法があります。
手術療法は重症例や保存療法で症状のコントロールが難しい進行例に適応があります。
日本では主に後方の除圧を行う方法が行われており、不安定性が高い症例や頸椎の姿勢が不良な方には固定を追加することもあります。
手術の後の成績は年齢、手術を行うまでの期間、画像所見などによって変わるとされており、術後にリハビリテーションを行うことで術後の回復を促進することができます。
保存療法は軽症例や手術が行えない場合に適応になります。
保存療法の目的は病状を進行させないことです。
具体的な保存療法の治療内容は頸椎の安静を目的とした装具療法、頸椎牽引、日常生活動作指導などがあります。
また、薬物療法として消炎鎮痛剤やビタミンB12、ステロイドが使用されます。
(参照サイト:頸椎症性脊髄症診療ガイドライン2020(改定第3版))
保存療法を選択した場合でもリハビリテーションを行うことは重要です。

治療後に回復を早めるリハビリのポイントとは?

頸椎症性脊髄症の術後は疼痛や神経症状、頸椎カラーなどの影響で日常生活動作が制限されることが多く、リハビリを行うことが重要です。
入院中のリハビリは理学療法と作業療法を行います。
理学療法では、神経症状が改善しているかを確認しながら寝返り・起き上がり練習から始め、可能であれば歩行練習を行います。
術後の身体機能を上げるために下肢・体幹の筋力トレーニングを行うことも重要です。
また、頸椎症性脊髄症の方は感覚障害・運動麻痺によってバランス能力が低下していることもあり、バランストレーニングを行うこともあります。
作業療法では、上肢の感覚障害や運動麻痺の変化を評価しながらトイレ動作などの日常生活動作の練習を行なったり、箸を使った動作などの巧緻動作練習を行います。
特に上肢にしびれなどがあると細かい動作である巧緻動作能力は低下しやすく、動作の再獲得を目指すのか、代償動作を用いて新しい動作を行うか検討を行う必要があります。
保存療法を行う場合は症状の進行を予防することが重要です。
そのため、リハビリではできるだけ頸椎に負担のかかりにくい動作方法の獲得を目指します。
具体的には、首を大きく回したり過度に上下に動かさないような動作を指導します。
上肢に麻痺症状やしびれが出現している場合は代償手段を検討して動作の獲得を目指します。
また、症状の進行を防ぐために頸部を鍛えるためにMcKenzie法や頸部深層筋のトレーニングを行います。
McKenzie法は頸椎症に対する痛みや痺れの改善効果が報告されている治療方法です。
頸部を上下方向や左右方向に動かし、症状が手の先から身体に近い部位に移る方向を探します。
この症状の中枢への移動は症状の改善を意味しており、この運動方向への運動を5−6回/2時間繰り返し行います。
症状が身体の中心から遠い部位へ移る場合は悪化してしまう場合があるため注意が必要です。
頸部深層筋のトレーニングは寝ている状態と座っている状態で行います。
仰向けで行うトレーニングは、タオルを後頭部に置きタオルを潰す方向に後頭部で押す方法と顎を下に引くトレーニングがあります。
座っている状態で行うトレーニングは、腕を後頭部で組み後頭部で腕を後ろに押す方法や下を向くように顎を引く方法があります。
(参照サイト:J -stage:頸椎変性疾患患者に対する理学療法の効果)
日常生活動作の練習などに加えて、頸部の筋肉を鍛えるリハビリを行うことで頸椎症性脊髄症の進行を予防する効果を期待することができます。

まとめ

この記事では頸椎症性脊髄症の診断と治療とリハビリについて解説しました。
頸椎症性脊髄症の診断には症状の確認とMRI検査が一般的に行われており、MRIの使用が難しい場合や手術前の精査目的にCTが使用されます。
治療方法は手術と保存療法があり、重症例や進行例で手術が選択されます。
リハビリは術後の回復に重要であり、保存療法でも日常生活動作の練習や頸部のトレーニングを行います。
頸椎症性脊髄症で神経を損傷してしまった後の脊髄の治療は確立されていませんが、再生医療にはその可能性があります。
今後、神経再生医療×リハビリテーションの治療の研究は進んでいきます。
私たちのグループは神経障害は治るを当たり前にする取り組みを『ニューロテック®』と定義しました。
当院では、リハビリテーションによる同時刺激×神経再生医療を行う『リニューロ®』という狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療を行なっていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご連絡をお願いします。

よくあるご質問

頚椎症性脊髄症の診断はどうするの?
頸椎症性脊髄症の診断は症状の聴取とMRIを使用して行います。
症状は上肢を中心とした感覚障害と運動麻痺があれば頸椎症性脊髄症を疑います。
体内金属などがあり、MRIが使用できない場合はCTなどを使用して画像診断を行います。

頚椎症性脊髄症のリハビリではどんなことをするのでしょうか?
頸椎症性脊髄症のリハビリは手術後と保存療法ではリハビリ内容が変わります。
手術後では日常生活動作の再獲得のために歩行練習や筋力トレーニングを行います。
保存療法では頸部を保護するための動作方法の指導や首の筋肉のトレーニングを行います。

<参照元>
1頸椎症性脊髄症診療ガイドライン2020(改定第3版)https://minds.jcqhc.or.jp/
2J -stage:頸椎変性疾患患者に対する理学療法の効果https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/47/2/47_11713/_pdf/-char/ja

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