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脳出血の部位に合わせたリハビリプランと回復方法

この記事を読んでわかること
被殻出血の運動機能障害に対するリハビリ方法
小脳性の平衡機能障害の治療
視床出血における感覚障害への対応方法


脳出血では出血した部位によって様々な障害が出現します。
出血の好発部位は被殻・小脳・視床が挙げられ、それぞれ出現する症状に違いがあります。
被殻では運動機能、小脳では平衡機能、視床では感覚機能が問題になります。
この記事では、被殻・小脳・視床の3つの脳出血好発部位それぞれにおける症状とその治療方法について解説します。

被殻出血後の運動機能回復を目指すリハビリ方法

被殻出血後の運動機能回復を目指すリハビリ方法
脳出血では部位によってみられる症状に違いがあります。
被殻出血は脳にある大脳基底核と呼ばれる部分にある被殻から出血が起きる疾患です。
脳出血の中では最も頻度が多く全体の55〜61%を占めるとされています。
代表的な症状として出血した部位と反対側の運動麻痺や感覚障害が出現します。
また、出血量によっても変わりますが失語症などの高次脳機能障害が出現することもあります。
(参照サイト:J-stage:被殻出血の機能的予後の検討)
被殻出血に対するリハビリテーションでは日常生活動作を送れるように歩行を再建することが重要です。
歩行の再建には理学療法を行います。
発症直後の急性期では発症直後の急性期では、血圧などの全身状態に気をつけながら、ベッドからの離床を行います
運動麻痺が軽度で歩行が可能な方は早期から積極的に歩行練習を行い、できれば有酸素運動を行います。
また、今後の再発予防のために栄養指導や服薬管理を含めた生活習慣の見直しを行います。
運動麻痺が重度で体重を支えることができない場合は、理学療法士と一緒に起立練習や装具を使用した歩行練習を行います。
全身状態が落ち着けば回復期リハビリテーション病院へ転院し、さらなるリハビリを行います。
回復期病院では急性期に引き続いて装具を使用した積極的な歩行を行います。
さらに、下肢の筋力を向上させるために筋力トレーニングを行うことも重要です。
リハビリを継続して、自力で体重を支えられるようになれば装具を変更してできるだけ自力で歩く練習へ運動メニューを変更します。
退院から1ヶ月前くらいに自宅での生活を想定して、歩行方法を検討したり自宅の環境を整えます。
退院後も再発予防と身体機能を維持するために散歩などの有酸素運動のリハビリメニューを継続して行うことが重要です。
(参照サイト:脳卒中ガイドライン2009)

小脳出血による平衡感覚障害の改善プログラム

小脳は大脳の下に位置しており、感覚や視覚を統合して運動を調整する機能を持っています。
そのため、小脳出血によってダメージを受けるとめまいや嘔吐、運動のコントロールが難しくなるなどの症状が出現します。
小脳出血は脳出血において約10%程度の発症率とされています。
(参照サイト:J-stage:急性期病院における小脳出血の機能的予後と転帰)
小脳出血後のリハビリテーションは、平衡感覚を取り戻すためのリハビリを行うことが重要です。
発症直後は最も症状が強く、めまいや吐き気などの平衡機能の異常による症状が出現します。
これらの症状は1日の中でも変動が大きいため、できるだけ症状が落ち着いている時間で歩行練習や立位練習などのリハビリを行います。
リハビリでは平衡機能を改善するために立位・歩行などのバランスを必要とする動作の反復練習を繰り返し行います。

視床出血後の感覚麻痺やしびれを克服するアプローチ

視床は被殻と同様に大脳基底核を構成している組織の一つで感覚を調整しています。
そのため、視床で脳出血が起きると出血した反対側の感覚障害が強く出現します。
また、視床で出血することで周囲にある被殻や運動神経の通り道を障害することもあり、運動麻痺が出現することも多くあります。
(参照サイト:J -stage:視床の機能とその臨床応用)
感覚障害に対して、有効なエビデンスのある治療方法は今のところ報告されていません。
そのため、リハビリテーションでは感覚障害があっても日常生活を送れるようになることを目指します。
視床出血での感覚障害は痛みや温度を感じる表在感覚と手や足の位置および運動の深部感覚の両方が障害されます。
表在感覚が障害されることで怪我や火傷などに気が付きにくくなることが問題になります。
日常生活を行う際は、こたつやストーブなどで低音火傷をしないようにすることや、装具などで皮膚を傷つけていないか上下肢の確認を毎日行うことが重要です。
深部感覚の障害では手足の位置や運動を感じにくくなります。
そのため、歩行などの日常生活動作を思った通りに行うことが難しくなります。
感覚障害によって障害された動作を再獲得するためには、目的とする動作を反復練習することが重要です。
歩行動作の再獲得を目指すには、リハビリの中で歩行練習の時間を長く取り、できる限り歩行距離を稼げるように練習を行います。
他の食事などの動作では、作業療法で箸の使用方法などを反復して練習します。
病院を退院した後も動作練習を反復して行うことで動作能力を向上することができます。

まとめ

この記事では脳出血の部位に合わせたリハビリプランと回復方法について解説しました。
被殻出血では運動機能障害が出現することが多く、筋力トレーニングや歩行練習を行うことで改善が期待できます。
小脳出血はめまいや吐き気などの平衡機能障害が出ることがあり、反復してバランス練習や動作練習を行います。
視床で脳出血が起きると感覚障害が出現し動作が行いづらくなることがあり、獲得を目指す動作を反復して練習することが重要です
脳出血で神経を損傷してしまった後の脳の治療は確立されていませんが、再生医療にはその可能性があります
今後、神経再生医療×リハビリテーションの治療の研究は進んでいきます。
私たちのグループは神経障害は治るを当たり前にする取り組みを『ニューロテック®』と定義しました。
当院では、リハビリテーションによる同時刺激×神経再生医療を行う『リニューロ®』という狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療を行なっていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご連絡をお願いします。

よくあるご質問

脳出血のリハビリはどのように行うのですか?
脳出血のリハビリは部位によって症状が変わるため、患者様にあった個別メニューを行います。
ただし、急性期での治療は共通している部分があり、基本的には全身状態を見ながら早期から離床を行います。

脳出血の回復期リハビリの期間は?
脳出血の回復期リハビリの期間は180日までとされています。
この日数は医療保険制度によって決まっており、入院できる期間となっています。
期限よりも先に自宅での生活ができるようになればその時に退院し、在宅リハに移行します。

<参照元>
1J-stage:被殻出血の機能的予後の検討https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1964/22/2/22_2_79/_pdf
2脳卒中ガイドライン2009https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/nou2009_07.pdf
3J-stage:急性期病院における小脳出血の機能的予後と転帰https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/33/1/33_1_98/_pdf
4J -stage:視床の機能とその臨床応用https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/6/0/6_0_47/_pdf

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