こんにちは、ニューロテックメディカル株式会社の矢野裕之です。
「風邪の症状があったくらいなのに、ある日突然、手や足に力が入らなくなった…」、そんなことから始まる病気があるんです。
その一例として「ギラン・バレー症候群」という病気があります。
聞きなれない名前かもしれませんが、誰にでも起こりうる神経の病気です。今回はギラン・バレー症候群とはどんな病気か、どんな症状が出るのか、治療やリハビリについてわかりやすくお話していきます。
目次
ギラン・バレー症候群とは?
この病気は、自分の免疫が誤って「末梢神経」を攻撃してしまう自己免疫疾患です。
末梢神経とは脳や脊髄から手足・内臓に信号を送る“情報の通り道”で、この神経が傷つくことで以下のような症状が現れます。
- 手足のしびれや力の入りづらさ(特に足→手の順に進行)
- 感覚の異常(ピリピリ、ジンジンなど)
- 深部腱反射の消失(たとえば膝を叩いても足が動かない)
- 重症の場合は顔面麻痺、飲み込みづらさ、呼吸障害、自律神経の乱れ など


※多くの場合、風邪や胃腸炎などの感染症の1〜3週間後に発症します。
回復はできる。でも「寝ていれば治る」わけじゃない
ギラン・バレー症候群は、適切な治療により約70〜80%の方が回復すると言われています。
ただし、その回復を支えるのが「リハビリテーションの継続」です。
回復のカギは、「神経の再生」と「体の再教育」
この病気からの回復では、以下の2つのプロセスがとても大切です:
- 神経の再生・・・傷ついた神経は、時間をかけてゆっくりと回復していきます。
- 体の再教育・・・再び神経から信号が届くようになった体を、“使い直す”訓練が必要です。
どんなリハビリが効果的?
神経の回復に合わせたステップ別アプローチ
ステップ①「神経と筋肉のつながり」を取り戻す
- 関節可動域訓練、軽い筋肉刺激など
- 信号が届いている部分を“呼び起こす”リハビリ
ステップ② 使えていない筋肉を支えながら動かす
- 装具や福祉用具を使った歩行練習など
- 自然な動きを再習得するためのサポート
ステップ③ 日常生活の動作を再習得する
- ベッドからの起き上がり、椅子への立ち座り、食事・更衣の練習など
ステップ④ 感覚異常・疲労に対するリハビリも忘れずに
- 触覚刺激訓練、痛覚対応
- 有酸素運動や呼吸筋ストレッチ、疲労マネジメント


リハビリで“気をつけてほしいこと”
リハビリはとても重要ですが、頑張りすぎは逆効果になることもあります。
ギラン・バレー症候群では、回復途中に「再燃(症状のぶり返し)」が起こることが稀にあります。
無理に動かしたり、疲労をためすぎると、回復を妨げてしまうことがあります。
だからこそ、専門職と一緒に行う“安全なリハビリ”をおすすめします。
- 療法士が、負荷のかけすぎや疲労のサインを見極めます
- 一人ひとりの状態に合わせて、「攻めるリハビリ」と「守る休養」のバランスを調整
- 症状の変化や不安なことも、すぐに相談できる安心感があります
だからこそ、“自分だけで頑張らなくていい”のです。
ニューロテックメディカルでのリハビリテーション
当センターでは『神経障害は治るを当たり前にする』をモットーに、神経回路の強化を狙ったリハビリテーションを提供しております。


ギラン・バレー症候群も末梢神経の病気であり、回復にはどうしても時間がかかってしまいます。でも、「今できない」からといって、「ずっとできない」わけではありません。
もしギラン・バレー症候群でお悩みの方がいらっしゃれば、神経障害の専門的な知識と経験を持った療法士とリハビリテーションを継続していきませんか。一緒にできることを探していきましょう。
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