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MMNとは?多巣性運動ニューロパチーの症状

この記事を読んでわかること
MMNの病態がわかる
MMNのリハビリテーションがわかる
MMNに対するリハビリの効果がわかる


多巣性運動ニューロパチー(MMN)とは、上肢の遠位筋に強く筋力低下・筋萎縮を認める病気です。
一度発症すると経過は長期化することが多く、手指や上肢に力が入らない、肩が上がらないなどの症状が残るため、リハビリが必要となります。
この記事では、多巣性運動ニューロパチー(MMN)の病態やリハビリテーションについて解説します。

MMN(多巣性運動ニューロパチー)とは何か?

MMNに対するリハビリテーションの重要性
多巣性運動ニューロパチー(Multifocal Motor Neuropathy:MMN)とは、その名の通り、運動神経に多発性に脱髄が生じて麻痺や筋萎縮が生じる病気です。
脱髄とは、神経を包む鞘のようば構造物の髄鞘がなんらかの原因で破壊され、内部の神経の伝導に支障をきたすことです。
同じ末梢神経の脱髄性疾患として、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(Chronic Inflammatory Demyelinating Polyneuropathy: CIDP)も代表的ですが、CIDPの場合は感覚神経も障害されるためしびれをきたします。
一方で、MMNでは感覚神経ではなく運動神経のみ障害されるため、麻痺のみを主症状とします。
MMNによる麻痺では左右非対称に、特に上肢の遠位の筋力が低下し、筋萎縮を伴う点が特徴的です。
10代後半から60代まで幅広い年齢で発症し、40代で最も発症しやすいですが、日本全体の患者数は約400人と推定され、まれな病気です。
主な症状としては四肢の麻痺と筋萎縮であるため、箸が使いづらい、腕が挙がらないなどの上肢の症状や、スリッパが脱げやすい、歩きにくいなどの下肢の症状が生じます。
経過としては慢性の経過を辿ることが多く、治療も長期化します。
MMNは治療により進行を遅らせることができますが、治療法には免疫グロブリン療法が主流です。
さらに、筋萎縮を伴うため、リハビリテーションによって筋力を維持しなければ症状がどんどん悪化してしまい、注意が必要です。
特に、筋力低下によってその筋肉を使わないと、筋萎縮が進行していわゆる「廃用症候群」に進展する可能性もあるため、注意が必要です。
リハビリを行うことで筋力を維持し、疲労感の改善・生活の質の向上・心理的ストレスの緩和など、さまざまな相乗効果が期待できます。

MMNに特化したリハビリテーション方法

ここでは、MMNに特化したリハビリテーション方法を紹介したいところですが、実は日本神経学会によればMMN患者を対象にリハビリテーションの有効性を評価した報告はないそうです。
ただし、一般論として運動麻痺を認める患者に対しては、リハビリによって関節の拘縮や過進展を防ぐことは廃用症候群の予防のためにも重要です。
筋萎縮を伴うMMNのリハビリにおいては、通常のリハビリよりも筋肉の疲労に注意すべきであり、低負荷・短時間のリハビリテーションを意識しましょう。
また、MMNは寒冷刺激によって運動麻痺が増悪することが知られており、CIDPと比較すると寒冷刺激で4-6倍のリスクがあると報告されています。
そのため、寒い空間や水泳などのリハビリは避け、ある程度暖かい温度・気温でのリハビリを心がけるべきです。

リハビリテーションの効果と成功例

MMNに対するリハビリテーションの効果に関してはいまだに世界的にエビデンスに乏しいのが現状です。
その主な要因として、MMNに対してはステロイド療法・免疫グロブリン大量静注・血漿交換などの治療を長期的に継続して行っていくため、リハビリテーション単体の効果を評価するのが困難である点が挙げられます。
上記のような内科的治療の効果を見ながら、自動介助運動・自動運動・抵抗運動と徐々に負荷を上げ、筋力や疲労の程度に応じて無理のない範囲でADLの拡大を図ることでより良いリハビリテーションが得られます。
MMNは長期的に見て生命を脅かすリスクはほぼ無い疾患ですが、神経症状は長期化するため、継続的なリハビリテーションが何より重要です。

多巣性運動ニューロパチー(MMN)についてのまとめ

今回の記事では、多巣性運動ニューロパチー(MMN)のリハビリテーションの効果について詳しく解説しました。
MMNは末梢神経における脱髄性疾患としてはまれな病気であり、まだまだその臨床経過や治療効果の報告例は少ないのが現状です。
一般的に症状は長期化し、筋萎縮を伴う点から、早期からリハビリテーションによって関節の拘縮や筋力の維持に努めることが、その後の日常生活の質を保つためにも肝要です。
一方で、根治するための治療法として最近では再生医療の発達も注目されており、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで根治することができなかったMMNによる神経症状の改善が期待できます。

よくあるご質問

CIDPとMMNの違いは何ですか?
CIDPとMMNの違いは、筋力低下や筋萎縮が主に生じる部位です。
CIDPでは、ほぼ左右対称に、近位筋優位に症状が出現しますが、MMNでは左右非対称に、遠位筋優位に症状が出現します。

GBSとCIDPの違いは何ですか?
GBSとCIDPはどちらも末梢神経における脱髄性疾患ですが、その経過には違いがあります。
GBSは急速に神経症状が悪化し、4週間以内に症状のピークを迎えて改善に向かいます。
一方で、CIDPは再発と寛解を繰り返しながら慢性の経過を辿ることが知られています。

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<参照元>
・難病情報センター:
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4089
・日本神経学会:
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/cidp/sinkei_cidp_2013_04.pdf
・日本神経学会:
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/cidp/sinkei_cidp_2013_05.pdf




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