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多巣性運動ニューロパチーのリハビリテーションと再生医療

この記事を読んでわかること
MMNは慢性脱髄性末梢神経疾患であるということがわかる。
MMNの症状として、左右非対称性の筋力低下と筋萎縮が現れることがわかる。
日本におけるMMN患者の推定人数は約400人であることがわかる。


多巣性運動ニューロパチー(MMN)は後天性の慢性脱髄性末梢神経疾患で、免疫系が運動神経を攻撃することで引き起こされます。
左右非対称性に上肢の筋力低下と筋萎縮が見られます。
治療には経静脈的免疫グロブリン療法が主に用いられます。
この記事では、MMNの治療とリハビリテーションについても解説します。
ぜひ参考にしてみてください。

リハビリテーションの基本と重要性

リハビリテーションの基本と重要性
多巣性運動ニューロパチー(Multifocal motor neuropathy:MMN)は、後天性の慢性脱髄性末梢神経疾患です。
感覚障害は無いものの、左右非対称性に上肢、つまり腕や手に筋力低下と筋萎縮が現れます。
免疫系が自分の運動神経を攻撃することで引き起こされる稀な神経疾患です。
海外のデータでは、MMNの有病率(人口10万人対)で0.6とされています。
日本では、MMNの患者さんは約400人と推定されています。
また、発症年齢は10歳代後半から60歳代までみられますが、40歳代が最も多かったとのことです。
男女比は、2.5〜2.7:1で、男性の方が発症する年齢が若くなります。
MMNの診断は、複数の末梢神経領域に筋力の低下があることや、その分布がびまん性・あるいは対称性でないことや、感覚障害がないことなどによってなされます。
また、脱髄を示す電気生理学的所見も診断のためには必要です。
MMNに対しては、約80%の症例で経静脈的免疫グロブリン療法が有効であるとされています。
一方、免疫グロブリン療法の効き目が弱くなってきた場合には、免疫抑制薬も使われます。
さて、MMNの治療において、リハビリテーションは極めて重要です。
慢性的な末梢神経障害を起こすMMNにおいては、日常生活活動度や生活の質を可能な限り上げるために、薬物療法に加えてリハビリテーションも重要です。
運動機能障害がみられるMMNの様な免疫性末梢神経障害患者さんに対しては、関節が硬くなってしまったり過剰に進展してしまうことを防ぎ、関節の可動域を保つなどの廃用性症候群の予防が重要です。

効果的なリハビリ運動とその実践方法

多巣性運動ニューロパチーのリハビリにおいて、効果的と考えられる運動やストレッチについて、以下にいくつか紹介します。

  1. 筋力トレーニング
    軽いウェイトを使用した筋力トレーニングは、筋肉の萎縮を防ぎ、筋力を向上させます。
    適度な負荷をかけ、定期的に行うことが重要です。
  2. ストレッチ
    関節の柔軟性を保つために、定期的なストレッチが必要です。
    特に、脚や腕の大きな筋群を中心に行います。
  3. 有酸素運動
    ウォーキングや水中エクササイズなど、心肺機能を高める運動も推奨されます。

これにより、全身の健康状態が改善されます。
一方、MMNの患者さんにおいてはとても疲れやすいことが指摘されています。
そのため、障害されている筋肉を過度に使うことに注意し、疲労を避け、低負荷・短時間のリハビリテーションを心がけることが大切です。
また、MMNの方は寒冷時に運動麻痺の症状が悪化することがわかっています。
そのため、寒さには注意しなければなりません。

幹細胞治療とリハビリの相乗効果

近年、幹細胞治療はMMNをはじめとする様々な神経疾患の新たな治療法として注目されています。
幹細胞治療は、損傷した神経の再生や修復を促進する可能性を持つ先進的な治療法です。
幹細胞治療が損傷した神経の再生を助け、運動機能の回復をサポートします。
幹細胞は、自己複製能と多分化能を持ち、適切な条件下で神経細胞や支持細胞に分化することができます。

幹細胞治療の利点

神経再生の促進 幹細胞は損傷した神経の再生を助け、運動機能の改善に寄与します。
炎症の抑制 幹細胞は抗炎症作用を持ち、免疫系の過剰反応を抑えることで、神経損傷の進行を遅らせます。
組織修復のサポート 幹細胞は新しい神経細胞や支持細胞の形成を促し、全体的な神経機能を向上させます。

リハビリテーションとの相乗効果

幹細胞治療とリハビリテーションを組み合わせることで、以下のような相乗効果が期待されます。

機能回復の加速

幹細胞治療による神経再生が進行する中で、リハビリテーションを通じて筋力や運動機能を積極的に鍛えることで、回復の速度が向上します。
リハビリテーションは、幹細胞治療によって修復された神経が適切に機能するようにサポートします。

神経と筋肉の連携強化

幹細胞治療によって新たに形成された神経細胞が正しく機能するためには、筋肉との連携が重要です。
リハビリテーションを通じて、神経と筋肉の協調を促進し、運動機能の回復をサポートします。

心理的な効果

幹細胞治療の進行中にリハビリテーションを行うことで、患者の心理的なサポートも得られます。
リハビリテーションを通じて、患者は自分の身体機能の回復を実感し、自信を持つことができます。
これは、治療へのモチベーションを高める効果もあります。

全身の健康維持

幹細胞治療による効果を最大化するためには、全身の健康状態を良好に保つことが重要です。
リハビリテーションを通じて、患者の心肺機能や筋力を維持・向上させることで、治療効果を高めることができます。

まとめ

多巣性運動ニューロパチーの治療には、リハビリテーションと幹細胞治療の併用が有効です。
リハビリテーションを通じて筋力を維持・向上させること、ストレッチや有酸素運動を取り入れることが重要です。
また、幹細胞治療との併用により、神経の再生を促進し、患者の生活の質を向上させることが期待されます。
当院では、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®と定義しました。
脳卒中や脊髄損傷、また、MMNなどの神経障害の患者さんに対する『狙った脳・脊髄の治る力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
リニューロ®は、同時刺激×神経再生医療®にて『狙った脳・脊髄の治る力を高める治療』です。
また、その治療効果を高めるために骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリ®の併用をお勧めしています。
ぜひ、再生医療についてもご興味のある方は一度当院までご相談くださいね。

よくあるご質問

多巣性運動ニューロパチーは完治しますか?
多巣性運動ニューロパチー(MMN)は完治が難しいとされていますが、免疫グロブリン療法や免疫抑制薬により症状を管理し、進行を遅らせることが可能です。
リハビリテーションも日常生活の質を向上させるために重要です。

ニューロパチーにはどんな種類がありますか?
ニューロパチーには多くの種類があり、代表的なものには糖尿病性ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、多巣性運動ニューロパチー(MMN)などがあります。
それぞれ原因や症状が異なり、治療法も異なります。

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<参照元>
・Ⅱ.多巣性運動ニューロパチー – 日本神経学会 総論:https://www.neurology-jp.org/guidelinem/cidp/sinkei_cidp_2013_04.pdf
・Ⅱ.多巣性運動ニューロパチー – 日本神経学会 各論:https://www.neurology-jp.org/guidelinem/cidp/sinkei_cidp_2013_05.pdf
・慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー(指定難病14):https://www.nanbyou.or.jp/entry/4089

<あわせて読みたい記事>神経鞘腫のリハビリテーション方法




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