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高次脳機能障害におけるリハビリの重要性

この記事を読んでわかること
記憶障害に対するアプローチ方法
注意障害に役立つ集中力向上トレーニング
遂行機能障害に対する段階的なリハビリテーション


高次脳機能障害を呈すると記憶障害や注意障害、遂行機能障害など認知機能面にも影響が生じ、日常生活や社会生活に支障をきたします。
この記事ではそのような高次脳機能障害に対してリハビリテーションで行われている具体的な訓練の方法やそのトレーニングによって得られる効果についてご紹介しています。

記憶障害の負担を軽減する工夫とアプローチ

記憶障害の負担を軽減する工夫とアプローチ
脳の損傷によって記憶や注意力、言語、遂行機能などが低下する高次脳機能障害が生じることがあります。
ここでは高次脳機能障害の中の記憶障害へのアプローチについてご紹介します。
記憶障害が生じると新しい出来事を覚えることが困難になり、同じことを繰り返し聞くようになります。
また記憶には今聞いたことを覚えておく即時記憶から長期間覚えている長期記憶など時間の分類や九九の計算などの意味記憶、体験などのエピソード記憶といった種類があります。
このような記憶障害に対してリハビリテーションを行う場合、どのくらい障害されているのか重症度や保たれている部分を把握することが大切です。
そして記憶障害に対する訓練では、忘れる前に思い出す作業を行う「反復訓練」があります。
記憶の保持時間が短い場合は、始めは反復するタイミングを短くし徐々に反復する時間を伸ばしていきます。
また記憶を助けるためにイメージを使って覚えたり、関連性のある情報を結び付けて覚えたりする内的記憶戦略法というアプローチもあります。

「内的記憶戦略法の例」

  • 視覚イメージ法:ある情報を画像として思い浮かべる
  • 顔-名前連想法:相手の特徴と名前を関連付ける
  • ペグ法:各指など決まった対象に情報を結びつける
  • PQRST法:予習、質問、精読、記述、テストという学習時のステップを踏んで記憶する
  • 語頭文字記憶法:対象の頭文字を使って情報を整理する
  • 物語作成法:覚えたい情報をストーリーにする

記憶障害へのアプローチにはこの他にも、メモ帳やスマホのタイマーなどを利用した外的補助手段の使用も有効です。

注意障害の改善に役立つ集中力向上トレーニング

注意障害の改善に役立つ集中力向上トレーニング
高次脳機能障害で見られる注意障害は一つのことに意識を向け続けるのが難しく、周囲の刺激に反応しやすくなる状態を指します。
この注意障害が現れると、日常生活では以下のような症状が見られます。

  • 注意力の低下により、作業中に些細なミスを繰り返す
  • 周囲の刺激に気が散りやすく、集中が途切れやすくなる
  • 複数の問いかけに対して反応が遅れることがある
  • 同時に2つ以上のことに注意を向けるのが難しくなる

またこの注意障害は、大きく分けて4つの種類に分類されます。

  1. 持続性注意障害
    注意を持続させることが困難になります。
    集中力が低下してしまい、疲れやすく作業を途中で投げ出してしまうこともあります。
  2. 転換性注意障害
    一つのことに注意を向けている時に他のことに注意を切り替えるのが困難になります。
    生活上では課題を変えることが苦手になったり、直前にやっていたことと混乱したりします。
  3. 配分性注意障害
    複数のことに同時に注意を向けながら行動するのが困難になります。
    例えば電話をしながらメモを取るなどの同時作業が難しくなる状態です。
  4. 選択性注意障害
    多くの情報から必要なものを選び出すことが困難になります。
    周囲の刺激に気を取られやすくなり、適切な情報を見つけることが難しくなります。

このような注意障害に対して、集中力を向上させるためには以下のトレーニングを繰り返し行っていきます。

  • パズルや間違い探しなどの脳トレブック
  • 数字計算練習
  • カルタやトランプなどのテーブルゲーム
  • 辞書を使った言葉探し
  • パソコンでのデータ入力練習・タイピング作業
  • 線路図を使った路線調べ

また注意障害の方にとって集中しやすい環境を整えることは大切です。
リハビリ初期では音楽や話し声などの注意を逸らす要素を排除し、静かな環境で訓練を行います。
その後、慣れてきたらあえて雑音がある環境で訓練を行い、注意力の向上を図ります。

遂行機能障害に対する段階的課題設定とその効果

高次脳機能障害の1つの遂行機能障害が生じると計画の立案や問題解決・目標達成に向けて行動することが難しくなります。
遂行機能障害があると仕事や家事、買い物、外出の準備など、日常生活のさまざまな場面で影響が出ます。
例えば、仕事の場面ではタスクの優先順位が分からず効率よく進められなかったり、買い物の場面では買うべきものを思い出せず余計なものばかり買ってしまったりします。
このような症状が見られる遂行機能障害に対するリハビリテーションでは、段階的な課題設定が効果的とされています。
まず目標を達成するために必要な作業や活動を小さなステップに分解し、課題を細分化します。
例えば、料理を作るときに「材料を準備する」「野菜を洗う」「野菜を切る」「炒める」「味付けする」といった細かい工程ごとにチェックリストを作成し、ひとつずつ完了させていく形にします。
そうすることで患者様は一つの課題に集中でき、成功体験を積み重ねることが可能です。
そして進歩状況に応じて、課題の難易度を徐々に上げていきます。
一日の流れを整理し「朝食後に近所を散歩する」「夕方に好きな本を読む」といった活動を事前にスケジュールに組み込むようにします。
その際、それぞれの予定に対して「始める前にどんなことを意識するか」「終わった後にどう感じたか」を振り返る時間を設けることで、計画的に行動する習慣をつけることができます。
次に日常生活の動作をリハビリテーションの一環として取り入れていきます。
例えば、洗濯では「白い服と色柄物を分ける」「タオルと衣類を仕分ける」などの作業を担当してもらうことで普段の家事の実行能力が向上します。
さらに他の人と一緒にひとつの作品を作る機会を設けるようにします。
例えば、大きな模造紙に協力して絵を描いたり、みんなで折り紙を折って一つの飾りを作ったりすることで、コミュニケーション能力や協調性を養うことができます。
このように無理のない課題の成功体験を積み重ねることで自己効力感やモチベーションの向上が期待でき、少しずつ遂行機能を改善しスムーズな日常生活へと繋がっていくでしょう。

まとめ

この記事では高次脳機能障害によって生じる記憶障害や注意障害、遂行機能障害に対するリハビリテーションについて詳しくご紹介しました。
記憶障害に対しては「反復訓練」や「内的記憶戦略法」など記憶の強化法があります。
また注意障害に対してパズルやトランプ、パソコンなどを用いた集中力向上トレーニングが有効です。
さらに遂行機能障害には、課題を細分化して小さなステップからクリアすることを体験させていくことで成功体験が積める段階的な課題設定の方法も効果的です。
このような訓練を行うことで高次脳機能障害によって支障をきたしていた症状は軽減できますが、損傷した部位を回復させることは困難です。
しかし、今後は再生医療の発達により機能の回復や損傷した神経の再生にも期待が持てます。
これまでのリハビリテーションと再生医療を組み合わせることでさらなる改善への一歩となるでしょう。

よくあるご質問

高次脳機能障害のリハビリテーションの効果は何ですか?
高次脳機能障害のリハビリテーションでは障害を受けた記憶や注意、言語、社会的行動などの機能を改善または回復させることを目指します。
適切な訓練を受けることで患者様の生活の質を向上させ、日常生活への復帰をサポートする効果が期待できます。

高次脳機能障害を改善する方法はありますか?
高次脳機能障害は脳の損傷や病気によって引き起こされるため、その重症度や部位によって改善の可能性や方法が異なります。
高次脳機能障害の回復の程度には個人差がありますが、リハビリテーションや薬物療法など早期の介入や継続した訓練など適切なサポートが重要です。

<参照元>
1医学的リハビリテーションプログラム|高次脳機能障害情報・支援センターhttps://www.rehab.go.jp/brain_fukyu
2記憶障害に効果的なリハビリとは?効果についても解説!|健達ねっとhttps://www.mcsg.co.jp/kentatsu
3注意障害のリハビリ方法をご紹介!症状を改善する対処法やポイント|御所南リハビリテーションクリニックhttps://goshominami-clinic.jp/knowledge/attention-disorders-rehabilitation.html
4注意障害とは?特徴とリハビリ方法について|メディケア・リハビリhttps://kango.medi-care.co.jp
5遂行機能障害(実行機能障害)とは/原因や症状、認知症との関連性を解説|SOMPO笑顔倶楽部https://www.sompo-egaoclub.com
6遂行機能障害とは?原因や支援方法などを詳しく解説!|ファミトラhttps://www.famitra.jp/article/ninchisyo/post-278/

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