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失読症と言語障害の診断と治療

この記事を読んでわかること
失読症は何が原因で起こるかについてわかる。
失読症の症状についてわかる。
失読症の改善戦略としてのリハビリテーションについてわかる。


失読症とは、脳梗塞や脳卒中、外傷などによって脳の左半球が損傷を受けることで、読み書きの障害が起こる症状のことです。
今回の記事では、失読症のタイプや、診断プロセス、改善戦略について解説していきます。
また、失読症の理解と対処法、リハビリテーションについても触れ、患者と家族への具体的なサポート方法を提案していきます。

失読症と言語障害の診断プロセス

失読症と言語障害の診断プロセス
失読症とは、脳の特定の部位が損傷された後に発生する読み書きの障害で、主に成人に発生します。
また、読み書きの障害をまとめて失読失語とも呼ばれます。
失読症は、脳の左側頭葉や左側頭頂葉、左前頭葉部分の損傷によって引き起こされます。
これはしばしば、脳梗塞や脳出血などの脳卒中、脳の外傷、または感染症後の炎症などによるものです。
さて、後天的失読症にはいくつかのタイプがあります。
一つは、中心性失読といいます。
これは、語彙(ごい)や音韻(おんいん)処理の障害で、認知心理学的には以下に分類されます

  • 音韻性失読:単語ではない、文字の並んだものを読むことが障害される
  • 表層性失読:不規則なスペルを持つ単語や例外的な読みが必要な単語の認識に苦労する
  • 深層性失読:意味に基づく読み間違いが生じる。
    例えば、「犬」という単語を「猫」と読むなど、読むべき単語と意味的に関連するが異なる単語で読み替える現象が見られる。

もう一つは周辺性失読といい、 視覚認知の障害が原因で発生します。
また、失読症と言語障害は、どちらも言語の使用や処理に関連に問題が生じることを表しています。
この2つの違いとしては、失読症は主に読書の困難に焦点を当てた学習障害であるのに対し、言語障害は話す・理解する・言語を使用する広範な能力に影響を及ぼすものです。
つまり、失読症は言語障害のひとつと考えることができます。

さて、脳の損傷によって失読症になったことが疑われる場合には、以下のように診断がすすめられます。

医学的および神経学的評価

  • 医学的評価:患者の全体的な健康状態と、言語障害の原因となっている可能性のある他の健康問題(例えば、脳卒中や脳の損傷)を評価します。
  • 神経学的評価:脳の機能と構造に問題がないかどうかを調べるために、MRIやCTスキャンなどの画像診断が行われることがあります。

言語評価

言語療法士による評価:言語の理解と表現の能力を評価するために、様々な言語テストが行われます。
これには、語彙、文法、会話能力、聞き取りや発話のテストが含まれることがあります。

認知機能の評価

認知テスト:記憶、注意、問題解決能力など、言語処理に関連する認知機能を評価します。

このようにして、失読症の程度や発症した原因などを診断していきます。

リハビリテーションを通じた改善戦略

脳卒中後に発生する後天的失読症の症状を改善するためには、リハビリテーションが大切となります。
ここでは、リハビリテーションを通じた改善戦略を紹介します。

リハビリテーションの改善戦略

患者の具体的な失読症のタイプ(音韻性、表層性など)を特定し、個々のニーズに合わせた治療計画を立てます。
そして、読解力、言語理解、書字能力などの具体的な課題に焦点を当てます。
視覚、聴覚、触覚など複数の感覚を組み合わせて言語能力を再構築します。
例えば、文字を読むときには、音声出力を同時に利用することで、情報の理解を助けます。
作業療法も効果的といえます。
さらに、失語症に対しては、言語療法が治療法として挙げられます。
言語療法士との定期的なセッションを通じて、言語技能を段階的に回復させます。
また、語彙や文法の練習に加え、日常生活でのコミュニケーション能力向上にも焦点を当てます。
テキスト読み上げソフトウェアや音声認識技術を活用して、読書や書き取りのサポートを行うことも良い方法となります。
読書支援ツール(例:電子ブックリーダーの文字サイズ調整機能)を使って、読みやすさを向上させることも可能です。

患者と家族へのサポートとアドバイス

失読症患者とその家族へのサポートは重要です。
以下に、患者と家族への具体的なサポートとアドバイスの提案をしていきましょう。
まずは、患者が自分の状態を理解し、受け入れることができるようにサポートしてください。
失読症がどのようなものか、どのような影響があるかを説明し、患者が感じるかもしれないフラストレーションに対して共感を示します。
次に、小さくて達成可能な目標を設定し、患者が進歩を感じられるようにします。
例えば、短い文章を読む、特定の単語を書くなど、日常的なタスクに焦点を当てることが有効です。
また、言語療法士や専門家と協力して、個々のニーズに合わせたリハビリテーションプログラムを受けるように促します。
定期的なセラピーが回復に役立つことを理解してもらうことが重要です。
日常生活でのコミュニケーションを支援するために、技術的なツールや補助デバイスを導入することも助けとなるでしょう。
例えば、テキスト読み上げソフトウェアや音声認識ツールが有効です。
また、患者やそのケアをしていく家族が社会的に孤立しないよう、友人やコミュニティとのつながりを保つことも大切です。
サポートグループへの参加を勧めることも、他の人々との交流や経験を共有する上で助けになります。

まとめ

今回の記事では、失読症とは何か、そしてその改善策やリハビリテーションについて解説しました。
失読症は、脳の左側頭葉の後方の部分の損傷によって引き起こされます。
一度損傷を受けた脳神経細胞は、従来再生することが難しいとされてきました。
そこで、再生医療による神経の修復に注目が集まっています。
脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生医療×同時リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
脳卒中や外傷などの後遺症としての失読症に対しても、その治療効果に今後も期待が持たれるところです。

よくあるご質問

慢性硬膜下血腫の退院後、運動はできますか?
はい、退院後は適切なリハビリテーションを受けることで運動が可能です。
理学療法士と協力し、徐々に筋力トレーニングやバランス訓練を行うことで、身体機能を安全に回復させることが重要です。
医師の指示に従い、無理のない範囲で運動を再開しましょう。

慢性硬膜下血腫が再発したらどうしたらいいですか?
再発が疑われる場合は、直ちに医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが必要です。
再発の兆候には、頭痛、意識障害、運動機能の低下などがあります。
早期発見と治療が重要であり、再度の手術やリハビリテーションが必要となることがあります。

関連記事


<参照元>
・読み書きの障害:字が読めない,書けない 櫻井 靖久 先生(三井記念病院神経内科):http://www.neuropsychology.gr.jp/invit/s_shitsudoku.html
・症例検討 失読・失書・失算を伴った脳損傷例に対する作業療法 一 BIT行動検査の改善を中心に一.脳科学とリハビリテーション.2003;3:20-23.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrn/3/0/3_030104/_pdf/-char/ja
・読み書き障害.高次脳機能研究.2022;42(2):55-59:https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/42/2/42_197/_pdf/-char/ja




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