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廃用症候群は簡単な運動で予防出来る?!

この記事を読んでわかること
廃用症候群が生活に及ぼす影響
廃用症候群の予防方法
自宅で出来る簡単な運動方法


脳卒中による主な症状に運動麻痺が挙げられます。
脳卒中を発症すると何かしらの後遺症が残りやすく、発症前よりも運動機会が減ってしまう方が大半です。
臥床時間が長くなると廃用症候群が進んでしまうことも珍しくありません。
そのため、意識的に体を動かす習慣をつけることが大切です。
この記事では姿勢別にリハビリ運動をまとめ、片麻痺等がある方でも安心して出来る運動を解説していきます。

廃用症候群の効果的なリハビリとその重要性

廃用症候群の効果的なリハビリとその重要性
廃用症候群とは長期の臥床や過度な安静により引き起こされる二次的な障害を指し、具体的には下記のような症状が出現します。
脳梗塞や脳出血の後遺症により運動麻痺や感覚障害等が生じると、今まで出来た運動がスムーズに出来なくなったり、介護をしてもらわないといけなくなったりします。
そうすると徐々に動くこと自体が億劫になり、臥床時間が増加し筋力低下が起こったり、関節を動かさないことにより関節拘縮が起こったりします。
寝たきりになることで循環障害も引き起こしやすくなり、起立性低血圧や浮腫、褥瘡等が生じ、さらに離床が難しくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
寝たきりになり、身体的かつ社会的な刺激がなくなることで抑うつ状態になったり、意欲や判断力が低下し認知障害を生じさせたりする場合もあり、精神面でも大きな影響を与えてしまいます。
このように、廃用症候群として起こりうる症状は一つではなく、いくつもの症状が併発することでQOLを著しく低下させる可能性があるのです。
そのため後遺症があっても、なるべく生活の中にリハビリとして運動を取り入れ廃用症候群を予防することは、その人らしい生活を維持するために非常に重要です。

リハビリが廃用症候群に与える影響

リハビリが廃用症候群に与える影響
筋肉は全く動かさないと1日3~5%ずつ筋力が低下するといわれており、高齢の方が病気や障害等により長期間臥床を余儀なくされると、筋萎縮が進み歩行困難になるケースも少なくありません。
一度廃用症候群に陥ってしまうと、安静期間の2~3倍の時間の訓練が必要になってしまい、回復の難しさが分かります。
そのため、まずは「体を自分で動かすこと」を意識することが大切です。
そして、可能な限り離床を促し日中の座位時間を延ばすことで、廃用症候群を引き起こさない、もしくは廃用症候群を進行させないことが重要です。
毎日こまめに運動する習慣をつけることで筋力低下を予防出来るのはもちろん、気分転換になり精神的なリフレッシュにもつながります。

自宅でできる簡単なリハビリ運動

自分が安全に出来る運動をいくつか知っておくことで、無理なく運動を続けられます。
この記事では麻痺等の身体機能に合わせて、安全に出来る運動を紹介していますので、ぜひ実践してみてください。

寝てできる運動

体をひねるストレッチ
目的 体幹の可動性を高め、寝返りや起き上がりをしやすくする。
体幹筋力の強化。
姿勢 仰向け・両膝を付けた状態で立てる。
方法 両膝をゆっくりと左もしくは右側に倒し、10秒間キープする。
顔は膝を倒した側と反対向きに向ける。
左右交互に5回ずつ実施する。
注意点 呼吸を止めないようにする。
両肩が床から浮かないように注意する。
お尻上げ運動
目的 臀部の筋の強化。
姿勢 仰向け・両膝を付けた状態で立てる。
方法1 お尻をゆっくりと10回上げ下げする。
その後、お尻を上げたままの状態を10秒間キープする。
方法2
(負荷量UP)
脚を組んだ状態で膝を立て、お尻の上げ下げを10回する。
お尻を上げた時に左右の揺れを少なくするよう意識すると、下肢の筋力強化にもつながります。
注意点 麻痺により膝が伸びてしまう場合は、介助者に押さえてもらいましょう。
運動をする時には息を止めないようにしましょう。

座ってできる運動

両腕のストレッチ
目的 肩関節の可動域の向上、体幹のストレッチ。
姿勢 椅子に座り両手を組む。
麻痺で両手が組めない場合は非麻痺側の手で麻痺側の手首を持つ。
方法 両肘を伸ばした状態で、床まで手を伸ばし、その後頭の上まで伸ばす。
さらに、両手を頭の後ろに回し、肘を開き胸を張り背筋を伸ばす。
それぞれ10秒ずつキープする。
一連の動きを5セットする。
注意点 伸ばしている最中に呼吸を止めないように注意しましょう。
関節の動きに制限がある時には無理をせず、痛みが出ない範囲で行いましょう。
床に手を伸ばす際は、前方に転倒しないよう無理しないようにしましょう。
腿上げ運動
目的 腸腰筋を強化し、歩行時に足を持ち上げやすくして転倒を予防する。
姿勢 椅子座位(背筋をしっかり伸ばすように)
方法1 膝を曲げた状態で、両足を交互に胸に近づけるように持ち上げる。
左右で10回ずつ実施する。
方法2
(負荷量UP)
膝を曲げた状態で足を上げる。
両手で膝を押さえ下の方向に押しつつ、反対に足は床につかないよう押し返すようにして10秒間キープする。
左右で5回ずつ実施する。
膝伸ばし運動
目的 歩行に重要な大腿四頭筋を強化する。
姿勢 椅子座位
方法 片方の膝を前に伸ばし、10秒キープする。
左右で5回ずつ実施する。
注意点 なるべく爪先は立てるようにしましょう。

立ってできる運動

踵の上げ下げ運動
目的 下腿三頭筋を強化し、歩行や段差昇降をしやすくする。
姿勢 安定した椅子の背もたれにつかまり、両足を肩幅程度広げて立つ。
方法 爪先立ちをして踵を上げて、5秒キープするのを5回繰り返す。
スクワット運動
目的 大臀筋や大腿四頭筋、前脛骨筋を鍛えて立ち上がりをしやすくする。
姿勢 両足を肩幅程度広げて立つ。
方法 なるべくお尻を後ろに突き出さないようにしながら、両膝を軽く曲げスクワットをする。
ゆっくりと10回曲げ伸ばしをする。
注意点 踵が床から離れないようにしましょう。
片足立ち
目的 バランス能力を向上し、歩行の安定を図る。
姿勢 立位
方法 片足を浮かし10秒間キープする。
左右5回ずつ実施する。
注意点 バランス能力に不安がある方は、椅子の背もたれや壁等に片手を触れ支えながら実施してください。

廃用症候群における幹細胞治療とリハビリの相乗効果

「寝たきりを予防したい」「もっと体を動かしたい」と思っていても、脳卒中の後遺症により運動麻痺や感覚障害等が残り、思うように運動が出来ない方もいらっしゃるかもしれません。
脳細胞は一度破壊されてしまうと再生は困難といわれており、「もっと運動麻痺等の症状を緩和させたい」と思っても、回復期を過ぎると医療機関での集中的なリハビリが継続出来ませんでした。
ニューロテック、脳梗塞脊髄損傷クリニックでは、脳卒中・脊髄損傷を専門に、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』と神経再生リハビリ®を提供しております。
神経再生リハビリ®は、磁気刺激や電気刺激を入力し、神経回路を興奮させた状態で反復訓練を実施することで、特定の神経回路の強化や再構築を図れます。
脳卒中発症から時間が経ってしまい、後遺症の改善を諦めていた方も、ぜひ一度再生医療を検討してみてはいかがでしょうか。

よくあるご質問

廃用症候群のリハビリとは?
長期的な臥床により引き起こされる二次障害を予防するために、体を起こしたり、運動したりする機会を設けること。
場合によっては、ADL向上のための動作訓練等を実施したり、精神面の賦活に向け作業活動を取り入れたりする場合もあります。

廃用症候群になると歩けなくなりますか?
筋力低下や関節拘縮といった廃用症候群が生じると、歩行時に介助や杖等の福祉用具が必要になったり、歩けなくなったりする可能性があります。
また寝たきりが続くことで、起立性低血圧などの循環障害が生じて、離床も難しくなり歩行困難に拍車をかけてしまうこともあります。

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<参照元>
・日本理学療法士協会 理学療法ハンドブック シリーズ2 脳卒中:https://www.japanpt.or.jp/about_pt/asset/pdf/handbook02_whole_compressed.pdf
・日本理学療法士協会 自宅でできる自主トレーニングのご紹介:https://www.japanpt.or.jp/upload/branch/jsnpt/obj/files/%E8%87%AA%E5%AE%85%E3%81%A7%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E8%87%AA%E4%B8%BB%E3%83%88%E3%83%AC(%E7%B4%A0%E6%9D%90%E9%9B%86).pdf
・障害者の合併症予防(Juntendo Medical Journal2005,51,194‐201):https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjmj/51/2/51_194/_pdf

<外部サイトの記事> 小脳性運動失調の特徴とリハビリ




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