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頭部外傷で起こる失語症とリハビリ

この記事を読んでわかること
頭部外傷で引き起こされる失語症の症状
失語症のリハビリテーションの特徴
失語症患者との日常生活の関わり方


この記事では、頭部外傷が起こるとなぜ失語症が起きるのか、症状ごとにどのように分類されるのかを解説しています。
また、リハビリをする時の治療原則についてもまとめています。
医療者だけでなく、失語症の方を家族に持つ方も、コミュニケーションの取り方やどう配慮をすればいいのかをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

頭部外傷による失語症の原因とリハビリテーション

頭部外傷による失語症の原因とリハビリテーション
頭部外傷とは頭に強い外力が加わることで頭部の皮膚や頭蓋骨、脳等を損傷する疾患です。
頭部外傷は失語症を引き起こす原因の一つであり、失語症は早期からリハビリを開始することが大切です。
この記事では、失語症の詳しい分類や、リハビリの詳しい内容を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

失語症の定義と分類

失語症とは頭部外傷や脳梗塞、脳出血等による脳の損傷が原因で引き起こされる、話す・聞く・読む・書くなどの言語機能が損なわれた状態を指します。
失語症は以下の表のように「発語の流暢性」「聴覚的理解」「復唱」等の項目で分類されます。

失語症の鑑別

分類 発語の流暢性 聴覚的理解 復唱 その他特徴
全失語 非流暢 重度障害 不良 全ての言語機能が障害される。
混合性超皮質性失語 良好 復唱・反響言語(オウム返し)以外の言語機能が障害される。
ブローカ失語 良好~中度障害 不良 非流暢な発話が特徴。錯語・喚語困難あり。
超皮質性運動性失語 良好 自発語が少なく、発話開始困難。
ウェルニッケ失語 流暢 中度~重度障害 不良 意味不明な新造語を話したり、錯語が頻発したりする。
超皮質性感覚性失語 良好 反響言語が出現することもある。
伝導性失語 良好~軽度障害 不良 音韻性錯語(とけい→とてい)がある。
健忘性失語
(失名詞失語)
良好 呼称・語想起が障害され、回りくどい言い回しになることも。

※錯語:推測できる別の言葉に言い間違えること。(例:さくら→「なくら」「うめ」など)
※喚語困難:意図した言葉が中々出てこないこと。使用頻度が低い言葉が喚語しづらくなる。

頭部外傷が失語症を引き起こすメカニズム

交通事故や転倒、転落等により外部から直接的な衝撃が加わることで起きる脳の損傷を頭部外傷と呼びます。
脳は通常丈夫な頭蓋骨に守られていますが、強い外力が加わることで折れた頭蓋骨が脳を傷つけてしまいます。
そして頭蓋内で出血すると頭蓋内圧が亢進し、脳を圧迫してしまうのです。
血腫で脳を圧迫されると、脳循環不全を引き起こし、脳組織を損傷してしまいます。
脳の損傷範囲が大きいと重い後遺症が残ってしまうこともあり、言語を司る部位を損傷してしまうと、失語症を引き起こしてしまうのです。

失語症のリハビリテーションと効果

失語症のリハビリは言語機能そのものを改善する機能的アプローチのほか、コミュニケーション能力を高めるアプローチ、環境を調整することなど、多角的に関わっていくことが求められます。
そのなかでも、機能的アプローチでは発話や聴覚的理解、読解、書字といった様々な言語機能の改善を図るリハビリを展開します。

機能的アプローチの具体例:刺激法について

刺激法は幅広く用いられているリハビリ法で、感覚刺激(主に聴覚刺激に重点を置く)を利用して低下した言語機能を賦活させる方法です。
失語症のリハビリを効果的に実践するには、以下のような関わりを心がけましょう。

  • 失語症の重症度や症状に合った言語刺激や、患者がよく使う言葉や慣れ親しんだ言葉を用いると効果的です。
  • 聴覚刺激に加えて、視覚刺激(絵カードなど)や嗅覚刺激(りんごなど実物を見せる)のように刺激を複数与えることで、より多くの入力回路が刺激され、改善につながりやすいとされています。
  • 1回目は正しい反応が得られなくても、言語刺激を反復することで正しい反応を引き出せる可能性があります。
  • 与えた刺激に対して、指差し・復唱・音読・発話・書字反応といった患者ができる反応を実践させることで、「刺激→反応→強化」のフィードバック回路を活性化させ、次の反応をより引き出しやすくしてくれます。
  • 正しい反応ができた時に、褒めたり励ましたりして強調すると、より正しい反応を強化することにつながります。
  • 間違った反応をしたときに矯正したり、反応がなかった時に無理に反応を引き出させようとしたりすると、患者のストレスにつながってしまいます。

失語症が重度の場合、コミュニケーション能力の改善に重きを置くことも

重度の失語症の場合、言語機能自体の改善があまり見込めないこともあるでしょう。
その場合は、表情の変化やジェスチャー、指差し、描画など、その患者が既に実施可能な非言語的手段を用いて、コミュニケーションをとる訓練をします。

失語症は周囲の理解、サポートも大切

失語症になることで、患者は自分の思いをうまく伝えられず多大なストレスを抱えてしまったり、挫折感を感じてしまったりします。
そのため、患者本人だけでなく、家族にも失語症に対する理解を深めてもらい、患者への接し方を学びサポートすることが大切です。
ゆっくり急かさずに話を聞くことを心がけたり、分かったところまで確認したりするといいでしょう。
言葉が出づらい時には選択肢などを用意したりするのもいいでしょう。
失語症では「話す」だけでなく「読む」機能が障害されていることも多いため、言葉が出づらいからと50音表で指差しで会話しようとするのはお勧めできません。
そのため、日常生活でよく使う言葉、事柄をまとめた「コミュニケーションノート(カードでもOK)」などをあらかじめ作り活用するのがお勧めです。

まとめ

失語症のリハビリでは様々な感覚刺激を用いることで脳の入力回路を刺激し、適切な発話を引き出していきます。
そのため、頭部外傷後は全身状態が落ち着いたらなるべく早期のリハビリ介入が重要です。
受傷後6カ月以降は回復の程度が少なくなるとされていますが、研究によっては1年は神経学的回復が見られるとの報告もあり、さらには社会性の回復はより長い期間期待できるとの見解もあるのです。
このことからも、継続的なリハビリの重要性がうかがえます。
しかし、現状では発症から一定期間が経つと医療機関での重点的なリハビリを受けることが難しくなってしまっており、「失語症をもっと改善したい」と思っても、回復期を過ぎたからリハビリ回数が減ってしまったという方も多いでしょう。
ニューロテック、脳梗塞脊髄損傷クリニックでは、脳卒中・脊髄損傷を専門に、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』と神経再生リハビリ®を提供しております。
神経再生リハビリ®は、磁気刺激や電気刺激を入力し、神経回路を興奮させた状態でリハビリを実施することで、特定の神経回路の強化や再構築を図れます。
頭部外傷の受傷から時間が経ってしまい、失語症の改善を諦めていた方も、ぜひ一度再生医療を検討してみてはいかがでしょうか。

よくあるご質問

失語症のリハビリ例は?
話す練習であれば、絵カードを見て名前を答えたり、短い質問に答えたりします。
しりとりを楽しみながら言葉を想起するのもリハビリ方法の一つです。
そのほか、見本を見ながら字を書いたり、日記を書いたりするのもいいでしょう。

失語症の方とのコミュニケーション方法は?
失語症の方に話しかける時には言葉は短めを意識し、ゆっくりと話しましょう。
失語症は言葉の理解も難しい場合もあるので、身振りや表情などのジャスチャーや写真なども活用してみてください。
聞くときには、言いたいことが何かを推測しながら聞きましょう。
もし、言葉が出ない時には「はい」「いいえ」で答えられるような聞き方をするといいでしょう。

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<参照元>
・金沢医科大学脳神経外科学 頭部外傷の説明と治療指針:https://www.kanazawa-med.ac.jp/~neurosur/pdffile/chiryou_gaisyou.pdf
・慶應義塾大学病院 外傷性脳損傷のリハビリテーション:https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000147.html
・公益社団法人石川県言語聴覚士会 失語症:https://st-ishikawa.com/wp/wp-content/themes/wp-st/pdf/pamphlet/shitsugo.pdf




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