ニューロテックメディカルリハビリセンターにて、6/15(土)第1回治療説明会&リハビリ体験会が開催されました。
〈6組8名様〉がご参加くださり、説明会では先生への質問も盛んに行われ再生医療やリハビリへの理解を深めていただけたかと思います。
リハビリ体験会では、TMSやエスパージ、ショックウェーブを実際に体験していただき、神経再生に特化したリハビリをご紹介させていただきました!
今回の動画は前半の治療説明会の様子をお届けいたします!
是非最後までご覧ください。
ミッション:障害をテクノロジーで治す
ビジョン:『神経障害は治る』を当たり前にする
バリュー:実用的治療 / テクノロジー / Evidence Based Medicine DX
人間の脳の治癒力と神経再生医療
まずは貴宝院医師が、これから説明する神経再生医療(幹細胞点滴治療)について、概要を述べています。
人間の脳には高い回復力があり、損傷した脳や脊髄の周りの組織が新たに神経回路を作ることで、機能が改善されることがあります。
これを脳の可塑性と呼びます。
神経再生医療は、この治癒力を高めるために、幹細胞やそのエキスを使用します。
再生医療が確立される前と後で、神経機能の再生に対する治療の考え方がどのように変わったのか、貴宝院医師は説明しました。
- 今までの考え方:
一旦壊れた神経機能は再生しない。
失われた機能は治らない。
代償機能の獲得を目指していた。 - 今の考え方:
脳の可塑性が考えられるようになった。
可塑性を最大化させるためには脳の超回復が必要。
神経再生医療とは
神経再生医療は幹細胞を損傷部位に集め、従来の治療法では回復困難であった神経障害(脳卒中や脊髄損傷の後遺症など)の機能回復を目指す治療法です。
幹細胞は体のあらゆる部位に存在し、病気や怪我が発生すると損傷部位に集まり、様々な細胞に分化して傷を修復します。
幹細胞の数は年齢と共に減少し、治癒力も低下します。
そのため幹細胞を培養し、大量に投与して身体の治る力を高めることが必要です。
幹細胞の種類と治療法
幹細胞にはいくつかの種類があります。
特に有名なのはiPS細胞(山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞された細胞)です。
しかし、iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)は倫理的な問題やリスクがあるため、一般的には体性幹細胞(骨髄由来や脂肪由来の幹細胞)が使用されます。
貴宝院医師は、骨髄由来と脂肪由来の違いを説明しました。
神経細胞への分化のしやすさは、脂肪由来の幹細胞より、骨髄由来の幹細胞のほうが優れていることが分かっています。
骨髄由来と脂肪由来の他に、歯髄由来の幹細胞もあり、こちらは脳梗塞・脊髄損傷クリニックでも将来取り扱う予定です(説明会開催時点)。
幹細胞点滴治療の手順
治療の手順について説明しています。
手順は、幹細胞点滴の回数によって変わりますが、一般的には以下の通りです。
- 初診(オンライン可):
再生医療の適用診断、血液検査・感染症検査など - 細胞採取・抽出:
患者様のお身体から細胞を採取し、必要な幹細胞を抽出 - 細胞培養:
培養センターにて約5週間かけて幹細胞の培養 - 安全性検査:
培養された幹細胞の安全性及び性能を厳密にチェック - 点滴+同時リハビリ:
点滴投与で幹細胞をお身体に戻しながらセラピストによる同時リハビリを行う - フォロー検診:
治療終了後約1か月を目安に経過観察
幹細胞の投与だけではなく、リハビリテーションも重要であり、幹細胞の治癒力を高めるために特定の神経回路を刺激する同時リハビリを行います。
同時リハビリは代償部の神経回路の伝達を強化するだけでなく、代償部の血流を増やして幹細胞やサイトカインなどを集まりやすくします。
実際の治療例
動画では、脳出血や脊髄損傷の患者が幹細胞治療とリハビリを組み合わせることで、機能の改善を経験している具体的な例が紹介されています。
再生医療の課題と展望
再生医療は魔法の薬ではなく、効果があっても限定的です。
幹細胞治療を受ける際には、患者自身の治癒力を高め、適切なリハビリを行うことが重要です。
また、今後さらに研究が進むことで、より効果的な治療法が開発されることが期待されています。
ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました。
今後も神経再生医療の説明会やイベントを予定しておりますので、ご興味のある方はご遠慮なくお問合せください。
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