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脳幹出血後遺症のリハビリテーション治療

この記事を読んでわかること
脳幹梗塞の症状についての基礎知識
リハビリにおける関節可動域訓練の重要性
促通反復療法の基礎知識


脳幹出血は出血量が多いと脳出血の中でも最も重症で予後不良となることが多い病気といわれています。
状態により重症度は様々ですが、早期より関節可動域訓練実施や離床を進め、拘縮を始めとした廃用症候群を予防することが重要です。
また、促通反復療法を取り入れ、脳の可塑性による新たな神経回路の形成を促すアプローチも行われています。

脳幹出血とは

脳幹出血とは、脳出血全体の約10%を占める疾患です。
脳幹部の障害であるため、出血量が多いと脳出血の中でも最も重症で予後不良となることが多い病気と言われています。
出血量が軽度であれば、予後は比較的良好で、歩いて帰れることもあります。
高血圧の既往のある人に好発し、症状は突然の意識障害、呼吸障害、眼球の正中位固定、瞳孔の高度縮小などが見られます。

可動域訓練の実践と目的

可動域訓練の実践と目的
脳幹出血の重症度にもよりますが、発症後はベッド上での安静期間が長くなることがあります。
長期間のベッド上安静により、関節や関節周囲軟部組織が固くなり、身体の関節が動きにくくなってしまうことがあります。
これを関節拘縮といいます。
関節拘縮の主な原因は関節運動量の減少(不動)と言われています。
痙縮と麻痺側の筋力低下による不動は、筋や腱、結合組織を短縮した位置に留め、関節拘縮を招いてしまうのです。
拘縮は一度形成されると一般的なリハビリテーションでは治療が困難であるため、予防が重要です。
リハビリテーションでの徒手による関節可動域訓練だけでは不十分であるため、徒手による関節可動域訓練にくわえ、発症後できるだけ早期に離床を図り、日常生活における運動を増やすことが重要です。
また、麻痺側上下肢の筋力を回復させて自動運動を可能にすることも重要と考えられています。
下肢においては、矯正を目的とした短下肢装具や長下肢装具の装着が効果を発揮することもあるので、訓練として取り入れることもあります。

促通反復療法による神経回路の再建

脳科学の進歩によって、脳の一部が破壊されても、損傷を免れた他の部位が損傷された部位の役割を補う能力(可塑性)があることが明らかになりました。 
可塑性の発現は使用頻度に依存するので、麻痺を回復させるためには、訓練量を増やして麻痺側上肢・下肢を繰り返し動かす努力が必要です。
また、神経回路の新たな形成や強化には、患者の意図した運動の誘発に必要な神経回路だけに興奮を伝え、目標とする運動を繰り返すことが重要となります。
しかし、片麻痺患者にとって麻痺した手足を思い通りに動かすことは容易ではありません。
患者の病的な症状で、患者が意図する運動とは異なる運動になってしまった場合、誤った運動を繰り返し練習しても誤った神経回路の強化、すなわち意図しない運動を助長するだけです。
したがって、片麻痺回復のためには、患者さんが「動かそう」と意図した運動を、治療者がアシストすることで難易度を調整し、反復して実現できる治療技術が必要になります。
『促通反復療法』「促通手技による意図した運動の実現」と、その「集中反復」との相乗効果で必要な神経回路を強化することを目標とします。
患者さんの意図した運動を実現するために、基本的に以下のことを行います。

  1. 患者の動かそうとする部位へ徒手的な操作を加え、伸張反射や皮膚筋反射を利用して運動を誘発する。
  2. 治療している麻痺側上肢・下肢への注視、治療者の口頭指示による聴覚的刺激を加えることにより患者の意図した運動を、より容易に実現させる。
  3. 1つの治療部位に関して100回を目標にそのパターンを数分間程度で集中反復する。

この治療理論は脳卒中患者における下肢、上肢、体幹、外眼筋麻痺など促通反復療法の身体各部位の治療法として共通しています。
また、神経筋電気刺激や振動刺激、反復経頭蓋磁気刺激法、ボツリヌス療法、リハビリロボットと併用治療することで治療成績が向上することが報告されています。 

電気刺激療法の効果と適用

重度麻痺、痙縮のある患者においては促通反復療法単独での治療では限界があり、電気刺激や振動刺激の併用が、使用禁忌がない限り必須といえます。
中重度麻痺の場合は、意図した運動の実現は困難なことが多く、治療部位ごとに低振幅の持続的神経筋電気刺激を併用して促通反復療法を実施しています。
刺激強度は、わずかに筋収縮を生じる程度としています。
この理由は、あくまでも「患者自身の意図・努力による運動実現」を手助けすることが重要であるからです。
リハビリテーションにて、麻痺側上肢の麻痺が中重度の患者に対して促通反復療法実施群、促通反復療法・電気刺激療法併用群に分け、それぞれ1日40分のリハビリを4週間行ったところ、促通反復療法・電気刺激療法併用群の方が上肢機能の回復が大きく見られたという報告もあります。

まとめ

脳幹出血は出血量によっては非常に重篤な症状となることがあります。
麻痺の重症度は様々ですが、脳の可塑性を利用して麻痺を回復させるために、反復促通療法を行い、神経回路の新たな形成や強化を図ることが重要です。
症状によっては電気刺激療法なども併用し、対応します。
また、近年は再生医療も注目を浴びています。
ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、脳脊髄損傷部の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
また、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』をニューロテック®と定義し、生命の再生を促す再生医療を取り入れています。
再生医療だけではなく、リハビリも同時に行うことで(神経再生医療×同時リハビリ®)、より治る力を高めていくのです。
ご興味ある方は是非、お問い合わせください。

よくあるご質問

脳幹出血の回復期はどのくらいですか?
急性期を経て、発症後3∼6か月の時期が回復期といわれています。
急性期治療を経て病状が安定し、積極的にリハビリを行うことができる時期です。発症後、回復が最も期待できる時期ですので、積極的なリハビリを行うことが望ましいです。

脳幹出血は回復しますか?
出血により脳幹の一部が物理的に破壊されてしまっているので、破壊された脳のネットワークが再建されることはありません。
しかし、脳の一部が破壊されても、損傷を免れた他の部位が損傷された部位の役割を補う能力を発揮し、新たな脳のネットワークが再建されるといわれています。

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<参照元>
・日本リハビリテーション医学会誌 「片麻痺回復のための促通反復療法の理論と効果」:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/50/2/50_118/_pdf
・日本リハビリテーション医学会誌 「電気刺激と促通反復療法の併用効果」:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/54/8/54_583/_pdf/-char/ja
・川平先端ラボ:
https://kawahira.org/public/

<あわせて読みたい記事>脳卒中後のリハビリテーションとケア




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