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脳出血後の片麻痺を乗り越えるためのリハビリとは

この記事を読んでわかること
片麻痺が起こる原因について
片麻痺の改善のためのリハビリについて
再生医療とリハビリが片麻痺治療に与える影響と可能性について


脳出血による片麻痺に対するリハビリの効果や損傷した脳細胞の機能を他の脳細胞が補おうとする脳の可塑性を最大化する方法、再生医療とリハビリの組み合わせによる治療効果の可能性について解説しています。
片麻痺と向き合う方々が回復への希望を持って前向きに取り組むための情報をお伝えしています。

片麻痺が起こる原因と脳出血との関連性

片麻痺が起こる原因と脳出血との関連性
片麻痺とは身体の半分が麻痺してしまい動かせなくなってしまう状態のことを言います。
右の脳は左半身を、左の脳は右半身を制御しており、脳の片側に障害があるとその反対側の身体に麻痺が生じます。
片麻痺が起こる原因には脳卒中があり、脳の血管が破れて出血し脳組織を圧迫する脳出血、脳の血管が詰まって脳組織に血液がいかなくなる脳梗塞、脳を覆うくも膜の下で出血が生じるくも膜下出血の大きく3つに分類されます。
脳出血は脳の血管が破れ出血することでその周囲の脳組織を圧迫しダメージを与えます。
出血の部位や出血範囲によって生じる症状が異なり、特に大脳の運動を司る運動野や感覚を司る感覚野の領域に出血が起こると片麻痺が生じやすくなります。

片麻痺を改善するためのリハビリはあるのか?

片麻痺の改善にはリハビリが効果的です。
リハビリには「理学療法」「作業療法」「言語療法」などがあり、リハビリの時期は「急性期」「回復期」「維持期」の3つに分かれます。

理学療法

片麻痺に対する理学療法は運動機能を回復し、日常生活の動作を改善していくことが目的となります。
筋力強化訓練や関節可動域訓練、協調性訓練、バランス訓練、姿勢保持訓練、歩行訓練、起居動作やトレイ動作などの日常動作訓練などを行います。
また、温熱や寒冷、電気刺激など物理エネルギーを身体に与えることで筋緊張の緩和や疼痛の改善を図る物理療法も用いられることがあります。

作業療法

片麻痺に対する作業療法は患者が自立して日常生活を送ることや生活の質を向上させることが目的となります。
手や指の機能訓練や食事・着替えなど日常生活で必要となる動作訓練などを行います。
また、麻痺側の機能が制限されている場合には補助具などの特別な道具を使い日常生活をスムーズに行えるように訓練をしていきます。

言語療法

片麻痺では場合によって失語症という言葉を理解したり話したりする機能が障害されたり、飲み込むことが難しくなったりする嚥下障害が生じることがあります。
そのため、片麻痺に対する言語療法は失語症や嚥下障害の改善を目指し、日常生活において円滑にコミュニケーションをとれるようにすることが目的となります。

急性期

急性期は発症後〜2週間あるいは1か月程度の時期で、この時期は寝たきりに伴う廃用症候群の予防や早期離床がリハビリの目的となります。
関節の可動域を維持するための関節可動域訓練や離床訓練、摂食・嚥下訓練などが行われます。

回復期

回復期は急性期以降〜6か月程度の時期で、運動麻痺に対する機能訓練や非麻痺側(麻痺が生じていない側)の正しい使い方、日常生活の具体的な動きを見据えた動作訓練などを行います。
神経ネットワークの再構築は発症後3〜6か月が最も効率よく行われるとされており、回復期のリハビリは特に重要となります。

維持期

維持期は発症後6か月以降で、回復した機能が低下しないように予防していく時期になります。
自宅の環境に合わせた日常動作訓練や筋力や関節可動域、持久力が低下しないような運動療法が行われます。
また、リハビリ専門職に頼るだけでなく自ら主体的にリハビリを行うことも重要となります。

再生医療とリハビリ治療が片麻痺に与える影響と可能性

脳卒中による片麻痺に対する治療は再生医療とリハビリを組み合わせることで治療効果が向上する可能性があります。
再生医療はこれまで難しいとされていた損傷した神経組織や細胞の修復が期待されています。
再生医療による損傷した神経自体の構造的な部分とリハビリによる機能的な部分の両面からアプローチすることができます。
また、脳の可塑性といった脳卒中で損傷した神経細胞の周辺では新たな神経細胞同士がネットワークを構築し失われた機能を担うようになります。
脳の可塑性には新しい神経細胞の生成などの構造的可塑性と神経回路の使用効率を高める機能的可塑性があります。
再生医療とリハビリを組み合わせることでこの脳の可塑性をより高められる可能性があります。

まとめ

今回は片麻痺が起こる原因と脳出血の関連性、片麻痺の改善に対するリハビリ、再生医療とリハビリ治療が片麻痺に与える影響と可能性について解説しました。
脳出血などの脳卒中による後遺症として片麻痺に陥った場合、日常生活に大きな影響が生じます。
そのため、片麻痺に対するリハビリが非常に重要となります。
一方で、最近は再生医療の研究が進んでおり、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
神経機能の再生を促す再生医療とリハビリを組み合わせた「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、今まで難治であった片麻痺の改善が期待できます。

よくあるご質問

片麻痺は回復するのに何ヶ月かかりますか?
片麻痺の回復には個人差があり、原因や重症度によって異なりますが一般的には発症から6カ月までは脳の損傷した部分を他の神経細胞が機能を補おうとする働きが高く、リハビリテーションによる効果が最大となります。

脳出血で麻痺が残る原因は何ですか?
脳出血により脳の神経細胞が圧迫されることで損傷し、脳からの運動指令が十分に筋肉へ伝わらなくなることで麻痺が生じ、損傷した脳の神経細胞が完全に回復することは難しいため麻痺が残存しやすくなります。

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<参照元>
・脳の機能回復と神経可塑性:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/8/40_KJ00009391874/_pdf
・脳の可塑性と理学療法:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/37/8/37_KJ00006912749/_pdf/-char/ja

<あわせて読みたい記事>片麻痺の部位別での後遺症改善度合い




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