・神経障害におけるリハビリテーションの重要性
・神経鞘腫に特化したリハビリテーションとは
・リハビリテーションの効果を高めるための方法
今回は神経鞘腫のリハビリテーション方法について解説します。
主なリハビリテーションは、筋力強化トレーニング、柔軟性の向上、バランス訓練などです。
日常生活に支障が起きないように、食事、更衣、入浴などの訓練も行われます。
その他、嚥下をスムーズにするため、構音障害を改善するためのリハビリテーションが必要となる場合もあります。
神経障害におけるリハビリテーションの重要性
この記事では神経障害におけるリハビリテーションの重要性について解説します。
神経障害は、脳や脊髄、末梢神経などの障害で起こります。
症状として、運動麻痺、感覚障害、痛みなどがあります。
これらの症状は、日常生活が制限される、社会参加ができないなど、自律的行動に支障を来たす可能性があります。
神経障害におけるリハビリテーションは、後遺症による症状を改善し、患者の生活の質を向上させるので、重要な治療の1つです。
リハビリテーションには、理学療法、作業療法、言語療法、心理療法などがあります。
- 理学療法では、筋力強化、柔軟性の向上、バランス訓練などを行い、運動機能の回復を目指します。
- 作業療法は、日常生活における基本動作の訓練、装具や補助具の訓練、就労訓練などを行います。
- 言語療法は、コミュニケーション能力の向上や嚥下機能の改善を目的にプログラムが組まれます。
- 心理療法は、不安や抑うつなどの精神的な症状の改善を目的に行われます。
これらのリハビリテーションは、個々の患者の状態やニーズに応じて、複合的にプログラムが組まれます。
加えて、機能回復の可能性を最大化するために、早期介入が重要です。
神経鞘腫に特化したリハビリテーションとは
この記事では神経鞘腫に特化したリハビリテーションとは、について解説します。
神経鞘腫は、神経に発生する腫瘍であり、手術や放射線などの治療により神経が損傷されることがあります。
その結果、後遺症として、運動麻痺、感覚障害、痛みなどの症状が現れます。
これらの症状を改善するためにリハビリテーションは重要です。
神経鞘腫に特化したリハビリテーションは、個々の患者で神経損傷による症状や機能障害が異なるため、個別のリハビリテーションプログラムが組まれます。
まず、手術を受けた場合の早期介入が重要です。
筋力低下や関節拘縮を防ぎ、機能回復の促進をめざすのが目的です。
そのために、理学療法による訓練が行われます。
特に脊髄や末梢神経に病変が及んだ場合は、電気刺激療法や神経筋促通法によって、神経の再生を促して筋肉の機能の改善を目指します。
神経鞘腫は神経への圧迫や損傷により疼痛を起こすことがあります。
理学療法や作業療法を通じて、疼痛の軽減を目指し、場合によっては薬物療法を併用します。
また、リラクゼーション技術やマインドフルネスを取り入れ、患者のストレス管理や疼痛の感受性を低減することも重要となります。
リハビリテーションの効果を高めるための方法
この記事ではリハビリテーションの効果を高めるための方法について解説します。
成功するためには、以下の4点が重要です。
- 1つ目は、具体的な目標設定です。
目標として、今後の日常生活に必要な動作、将来的に達成したい行動など、個別に目標を設定します。
結果、患者のモチベーションが維持されやすくなります。 - 2つ目は、適切なリハビリテーション環境の設定です。
不明な点があれば遠慮なく質問できるなど積極的に取り組む環境作りが大切です。
同時に、リハビリテーションに係る医療スタッフとのコミュニケーションを大切にして、良好な関係を築くとより良いでしょう。 - 3つ目は、家族や周囲の協力を得ることです。
リハビリテーションは医療機関のみで行われるわけではありません。
自宅で行うことが可能な運動やストレッチなども重要です。
そのため、周囲の協力を得ることが必要です。
励ましの言葉をもらうなどすると、リハビリテーションのモチベーションは向上します。 - 4つ目は、焦らず、じっくり取り組むことです。
リハビリテーションは、すぐに効果が出るわけではありませんので、小さな成功例を積み上げることが大事です。
よくあるご質問
- 神経鞘腫は難病ですか?
- 神経鞘腫は、末梢神経を取り巻いている鞘から発生する良性の腫瘍です。
でも、できた場所や大きさによって治療が難しくなる場合があります。
特に、脊髄や脳に近い部位にできた場合は、手術が難しく、後遺症が残る可能性があります。
このようなケースは、一般的に難病とみなされます。 - 神経鞘腫はなぜできるのですか?
- 明らかな原因はわかっていないのが現状です。
しかしながら、遺伝的要因が関与していると考えられています。
その他、放射線曝露や神経への物理的な刺激が原因となる可能性が指摘されています。
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<参照元>
・厚生労働省 難病情報センター:
https://www.nanbyou.or.jp/
・日本神経治療学会:
https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/enge.pdf
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