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脳卒中後の前頭葉障害に対する多面的なリハビリテーションとは

この記事を読んでわかること
前頭葉の脳卒中で出現する障害
脳卒中が原因で起きる異常な感情や行動のコントロール方法
注意障害や構音障害、失語症に対するリハビリテーション


前頭葉で脳卒中が起こってしまうと、感情や行動のコントロールが難しくなったり、注意障害や失語症などの高次脳機能障害が出現することがあります。
各症状にはそれぞれ適したリハビリテーションの手段が確立されつつあります。
この記事では、前頭葉の脳卒中で出現する症状や障害に対するリハビリテーションについて解説します。

前頭葉リハビリで感情と行動のコントロールは可能か?

前頭葉は脳の前に位置している部分で、運動のコントロールや動作の動機づけ、注意機能の中枢、感情のコントロール、言葉の調整、ワーキングメモリーの作成・保持などの機能を有しているとされています。
そのため、前頭葉が障害されると様々な症状が出現します。
特に前頭葉の中でも眼窩前頭皮質や運動前野と呼ばれる部位が損傷すると感情と行動のコントロールが難しくなります。
具体的な例としては、穏やかだった性格の人が怒りやすくなったり、自分で行動を起こすことが難しくなったりします。
易怒性などの感情のコントロールに対しては環境調整、行動変容療法、認知行動療法などのリハビリテーションを行うことで改善を目指すことができます。
動作が行えなくなる遂行機能障害には遂行機能トレーニングGoal management trainingと呼ばれる計画の立案から実行までをできるようにするリハビリテーションを行うことで改善を図ります。
リハビリテーションは運動のイメージが強いですが、このような運動麻痺以外の症状に対しても効果があると言われています。

記憶力と思考力の改善を目指すトレーニング法はこれだ

記憶力と思考力の改善を目指すトレーニング法はこれだ
前頭葉の中でも前頭前野が障害されると記憶力と注意機能が障害されます。
注意機能が障害されると物事を深く考えることが難しくなり、思考力まで低下します。
記憶は今までの出来事を記憶するエピソード記憶と学習や経験を記憶する意味記憶に分かれます。
記憶力の改善を目指すためにはまず本人にとって何が重要で、何が必要なことであるかを絞るところから始めます。
新しいことの学習は難易度が高いと言われていますが、注意を払ったり、覚える対象を整理したり、他の物事に関連づけるなどの深い処理をしたり、時間間隔を空けて学習を行うことが有効であると分かってきています。
思考力、つまり注意力を改善するリハビリテーションはメタ認知訓練、二重課題訓練、ドリルやゲーム・パソコン課題を行う直接訓練などがあります。
メタ認知訓練は仕事や課題などを行う前に自身でゴールや具体的作業の困難、エラーの予測をさせ、課題終了後に自己評価をして、治療者と話し合い体験の記録を行う方法です。
この方法を行うことで実生活での自己制御の意識が高まり注意機能の向上を期待することができます。
二重課題訓練はその名の通り、二つ以上の課題を同時に行う訓練です。
例えば、歩行中に計算を行ったり、自転車を漕ぎながらしりとりを行うなどの課題です。
過去の研究では単一の課題を行うよりも二重課題を行った方が明らかな二重課題テストの成績が良くなり、この効果は1ヶ月後も持続していたと報告されています。
さらに注意機能の中でも分配性の注意の改善を期待することができます。
直接訓練はドリルやゲーム・パソコン課題を行う注意機能の訓練です。
直接訓練を行うことで注意機能の改善を期待することができ、患者様が自身での自主トレーニングとして始めやすいことがメリットとして挙げられます。
しかし、自主課題としてドリルやゲーム・パソコンを一人で行うだけよりも治療者が結果をしっかりとチェックし、適切なフィードバックを行うことが必要とされています。
また、適切な難易度の設定が難しく、個々の特性に合ったトレーニングを選択していく必要がある点に注意が必要です。

発語障害と運動機能回復のためのリハビリプログラムとは?

記憶力と思考力の改善を目指すトレーニング法はこれだ
発語障害は構音障害と失語症に分かれます。
前頭葉の障害ではどちらの障害も起きる可能性があります。
構音障害とは、脳卒中などが原因で口や声帯などの発声や発語を行う器官が障害されることで起こる言語障害です。
構音障害のリハビリテーションは十分な声の大きさや息の長さを保つことを目標に呼吸練習や発声練習から開始します。
また、口や下の動きを良くするために口腔体操を行うことも重要です。
発語訓練や口腔体操などのコンディション練習後は実際に発音する練習を行います。
発音練習では単語から開始し、短文→文章→会話など徐々に難易度を上げていきましょう。
失語症は構音障害とは違い、脳の中で言葉が理解できなかったり、言葉を思い出すことができなくなる障害を指します。
前頭葉の障害では特に言葉を思い出せなくなるブローカ失語が出やすいと言われています。
失語症のリハビリテーションで大事なことは会話を含むコミュニケーションをとり続けることです。
言葉が上手く出ずもどかしい思いをしてしまうことが多くありますが、練習を続けることで少しずつ言葉が出やすくなります。
また、ゆっくり少しずつ話をすることが重要です。

まとめ

この記事では、前頭葉リハビリの効果や方法について解説しました。
前頭葉の脳卒中では、感情の障害や注意障害、遂行機能障害など様々な障害が出現します。
前頭葉リハビリでは環境調整を行いながら課題を行い、少しずつ難易度を上げていくことが重要になります。
脳卒中で神経を損傷してしまった後の前頭葉機能の治療は確立されていませんが、再生医療にはその可能性があります。
今後、神経再生医療×リハビリテーションの治療の研究は進んでいきます。
私たちのグループは神経障害は治るを当たり前にする取り組みを『ニューロテック®』と定義しました。
当院では、リハビリテーションによる同時刺激×神経再生医療を行う『リニューロ®』という狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療を行なっていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご連絡をお願いします。

よくあるご質問

前頭葉の障害の治療法は?
前頭葉の障害の治療方法はリハビリテーションが中心になります。
前頭葉の障害で出現する高次脳機能障害に対して、作業療法や言語療法を行うことが有効であるとされています。

前頭葉の機能低下でどうなるか?
前頭葉が機能低下してしまうと、感情や行動のコントロールが難しくなったり、注意障害や構音障害、失語症などが出現することがあります。
障害は主に高次脳機能障害という外見からは分かりづらいものが中心に起こります。

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<参照元>
・MSDマニュアル:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional
・前頭葉損傷のリハビリテーション:https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/36/2/36_177/_pdf/-char/ja
・注意障害の臨床~Attention, please!~:https://www.jstage.jst.go.jp/article/neuropsychology/34/2/34_17030/_pdf/-char/ja




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