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痙性歩行の特徴とリハビリ

この記事を読んでわかること
痙性歩行の特徴
脳や脊髄の神経の損傷で痙性歩行が出現する理由
痙性歩行に対するリハビリテーション


痙性歩行とは脳や脊髄の神経にダメージを受けることによって出現する特徴的な歩行です。
神経が損傷することによって出現する痙縮という症状が原因になり、躓きやぶん回し歩行が出現します。
リハビリによって症状の軽減を目指すことができます。
この記事では痙性歩行について特徴や原因、リハビリテーションを解説します。

足がつっぱるような歩き方になる痙性歩行とは

腕や足を延ばしながら歩いている老人
脳卒中や脊髄損傷などの脳や脊髄の神経に障害が起こる疾患では、後遺症として痙縮(けいしゅく)と呼ばれる手足が硬くなったり突っ張るなどの症状が出現することがあります。

この痙縮によって生じる特徴的な歩行を痙性歩行といいます。
痙性歩行は特に脚を伸ばす方向に動かす筋肉が過剰に緊張しやすくなります。
そのため脚を上手く振り出せず、ぶん回して歩いたり引きずったりするような歩き方になります。
また、股関節の内側にある筋肉が硬くなることで、脚が交差するような歩き方になるはさみ脚歩行になることもあります。
痙性歩行が出現すると、歩く際に躓いてしまうことがあり転倒のリスクが上がります。
転倒まで至らなくても、ぶん回し歩行や脚の突っ張りによって歩行時に体力を消耗しやすくなり、長い距離を歩くことが難しくなります。
そのため、痙性歩行が出現した場合はリハビリなどの治療を行うことが重要です。

脳や脊髄の病気が原因で痙性歩行が出現する理由

筋肉は急激に引き伸ばされると瞬間的に収縮する伸張反射という仕組みがあります。
伸張反射の代表的なものは脚気の診断に使用する膝蓋腱反射があります。
伸張反射の代表例として、膝のお皿のすぐ下を軽く叩くと膝が伸びる膝蓋腱反射があります。
これは脚気の診断などで行われる検査としてよく知られている反射です。
脳卒中や脊髄の疾患を発症すると、筋肉に運動の命令を出す神経がダメージを受けます。
脳や脊髄の神経を通る命令は伸張反射を抑えますが、神経にダメージがあるとこのブレーキが上手く働かなくなります。
そのため、少しの刺激で筋肉が収縮する伸張反射が起こるようになります。
このように伸張反射が過剰に出現する状態が痙縮です。
痙縮があると、歩いた際の筋肉の動きに対して伸張反射が出現します。
歩行時に伸張反射が出現すると、膝が曲がりにくくなるロッキング現象や、足首が下を向いてしまう尖足などの症状が生じ痙性歩行になります。
痙性歩行では歩行が困難になったり、転倒のリスクが上がるためリハビリなどの治療や対策が必要です。

痙性歩行に対するリハビリと対策

痙性歩行に対するリハビリは痙縮の治療と対策が中心になります。
脳卒中の治療方法についての指針が示されている脳卒中治療ガイドライン2021改定2025では、痙縮に対するいくつかの治療方法が記載されています。

痙縮の治療で有効とされている方法にボツリヌス毒素療法があります。
ボツリヌス毒素療法は痙縮している筋肉に薬剤を注射する事で、筋肉を動かす神経への情報を一時的に弱めて伸張反射を抑えます。
他にも伸張反射を抑える治療としてはストレッチと電気刺激療法があります。
ストレッチには痙縮の原因となる神経の過剰な興奮を抑える効果があり、歩行などの運動の前に行うと痙性歩行の軽減に効果が期待できます。
これらの治療方法は伸張反射が軽減するため、歩く時の引っ掛かりの軽減やはさみ脚歩行の改善に効果が期待できます。
また、痙縮は神経のみの問題ではなく筋肉そのものの硬さによっても悪化します。
そのため、筋肉そのものの硬さを改善する効果があるショックウェーブも痙縮の改善に効果が期待できます。

痙性歩行への代表的な対策として、躓きの原因になる足の突っ張りを防ぐ装具があります。
装具は両側金属支柱付き短下肢装具やシューホーンブレイスなどを使用します。
これらの装具は足が下方向へ突っ張ることを防ぐ機能があり、歩く時の躓きを防ぐことができます。
装具の選定には専門的な知識が必要なため、医療機関への相談が必要です。
また、装具を上手く使うためには理学療法で歩行の練習を行うことが重要です。
出現している症状によって歩き方の中でも意識するべきことが変わるため、理学療法士と相談しながらリハビリを進めます。
歩行練習と装具によって、躓きが軽減すると転倒のリスクの軽減、ぶん回し歩行の軽減による歩行の速さと疲れやすさの改善が期待できます。
痙性歩行はリハビリでの痙縮への治療と装具を使用し、対策を行うことができます。

まとめ

この記事では痙性歩行の特徴とリハビリについて解説しました。
痙性歩行とは痙縮によって出現する特徴的な歩行です。
脳や脊髄への障害によって痙縮は出現し、痙性歩行の原因となります。
痙性歩行へのリハビリは痙縮への治療と装具を使用した対策を行います。
脳卒中や脊髄損傷で残存した神経障害の治療は確立されていませんが、再生医療にはその可能性があります。
今後、神経再生医療×リハビリテーションの治療の研究は進んでいきます。
私たちのグループは神経障害は治るを当たり前にする取り組みを『ニューロテック®』と定義しました。
当院では、リハビリテーションによる同時刺激×神経再生医療を行う『リニューロ®』という狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療を行っていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご連絡をお願いします。

よくあるご質問

痙性歩行は時間の経過でよくなりますか?
痙性歩行は脳や脊髄に障害を受けたことによる後遺症が原因のため、時間経過ではよくなりません。
しかし、リハビリなどの適切な治療を行うことで症状の軽減を目指すことができます。

 

痙性歩行は左右のどちらかの脚だけに出ることがありますか?
はい、脳卒中によって痙性歩行が出現する場合は脳の障害された反対側の脚にのみ症状が出現します。
また、脊髄損傷によって神経を損傷した場合は左右で障害に差が出ることもあります。

<参照元>
1:正門 由久 痙縮の病態生理|J -stage Jpn J Rehabil Med 2013 ; 50 : 505.510:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/50/7/50_505/_pdf
2:脳卒中治療ガイドライン2021改定2025:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspo/38/3/38_199/_pdf/-char/ja”
3:体外衝撃波治療の基礎知識|日本体外衝撃波医学会:https://jamst.smoosy.atlas.jp/ja/treatment

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