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脊髄梗塞の治療法:再生医療からリハビリまで

この記事を読んでわかること
脊髄梗塞の病態がわかる
脊髄梗塞の治療法がわかる
脊髄梗塞に対する最新の再生医療が知れる


脊髄に栄養を供給する脊髄動脈が閉塞する病気、脊髄梗塞では麻痺や感覚障害などの重篤な神経症状をきたします。
基本的に対症療法しかない病気ですが、最近では新たな治療法として再生医療とリハビリの併用が大変注目されています。
そこでこの記事では、脊髄梗塞に対する再生医療やリハビリについて紹介します。

脊髄梗塞に対する最新の再生医療とは?

脊髄梗塞に対する最新の再生医療とは?
脊髄梗塞とは、脊髄を栄養する動脈が何からの原因で閉塞し、脊髄への栄養供給が途絶えることでさまざまな神経症状をきたす病気です。
脊髄は神経細胞の集合体であり、その神経細胞への血流が途絶するため、突発的な背部痛とともに、感覚消失や弛緩性麻痺などの神経症状をきたします。
原因次第で治療法も異なりますが、基本的に神経細胞は非常に虚血に弱く、数分の虚血でも神経細胞が壊死し始めて何らかの神経学的後遺症を残すため、治療による改善が困難である病気です。
そこで、近年では脊髄梗塞に対する再生医療が注目されています。
脊髄梗塞に対する再生医療では、自身の骨組織や脂肪細胞から採取した間葉系幹細胞を体外で培養し、増幅させた状態で体内に戻し、損傷した神経組織の再生を目指します。
これに使用される間葉系幹細胞は、比較的未分化であり、かつ細胞分裂能も盛んであるため、損傷部位の細胞に分化することができ、さらにその細胞として増殖できる能力を持っているわけです。
つまり、間葉系幹細胞を体内に戻すと、間葉系幹細胞は脊髄梗塞によって壊死した神経細胞に分化し、さらに盛んに細胞分裂することで損傷部位を再生させる治療法です。
実際に、札幌医科大学では外傷性脊髄損傷を対象とした再生医療等製品「ステミラック」の開発に成功しています。
また、間葉系幹細胞は点滴から血管に戻し、血流に乗って標的部位に到達させる方法が一般的でしたが、最近では間葉系幹細胞を直接脊髄くも膜下腔に投与する手法も開発されています。
この場合、点滴投与よりも損傷した脊髄に到達する間葉系幹細胞の量が増えるため、より高い効果が期待できます。

脊髄梗塞の治療法の選び方と効果的なアプローチ

原因に合わせた脊髄梗塞の治療法の選び方
脊髄梗塞は後遺症として下肢の灼熱感が生じやすく、また根治困難で根治療法はなく、下肢の灼熱感に対する支持療法が選択されることが一般的です。
支持療法では、プレガバリンやSSRIなどの薬物療法、慢性痛に対する漢方薬などが選択されます。
また、原因が明らかな場合はその原因に合わせて下記のような対策を行います。

  • 外傷:手術
  • 大動脈解離:手術や脳脊髄液ドレナージ
  • 動脈硬化・血栓:抗凝固薬・抗血小板薬
  • 医原性:脳脊髄液ドレナージやステロイド投与、場合によっては手術
  • 血管炎:ステロイド投与

外傷や手術操作によって物理的に脊髄動脈が閉塞した場合、再開通させるためには基本的に手術療法しかありません。
また、脳脊髄液ドレナージを行うと、脳脊髄圧が低下して脊髄への血流が改善するため、血流回復の手段として有効です。
これらの治療を、それぞれの原因に合わせて可及的速やかに行ったとしても、先述したように脊髄を構成する神経細胞は虚血に弱く、時間の経過とともに壊死して、下肢の灼熱感などの神経障害を残す可能性が高いです。

リハビリと再生医療を組み合わせた治療の可能性

リハビリと再生医療を組み合わせた治療の可能性
「幹細胞を投与すると、損傷した脊髄が再生して機能が元に戻る。」
本当にこのようなことが実現すれば夢のような治療法ですが、実際にはそこまでの効果は得られず、損傷した神経細胞への血流促進や、損傷した神経回路の再構築の促進に留まります。
そこで、再生医療の効果をさらに押し上げるためにはリハビリの併用が効果的です。
再生した神経細胞に対し、リハビリによって反復運動を叩き込むことで、より高い運動機能の改善を得られます。
例えば、国立障害者リハビリテーションセンターの研究では、再生医療の1つである嗅粘膜細胞の脊髄移植と併用してリハビリを行なった結果、嗅粘膜細胞の脊髄移植単独より身体機能が改善されることを証明しました。
以上のことからも、近年では米国を中心に再生医療とリハビリの併合である再生リハビリテーションという概念が急速に普及しつつあります。
今後、脊髄梗塞の後遺症に対しても、再生医療とリハビリのハイブリッド療法が新たに開発されることが期待されます。

まとめ

今回の記事では、脊髄梗塞の治療法として、再生医療やリハビリについて詳しく解説しました。
脊髄は脳と身体を繋ぐ重要な神経組織であり、その脊髄への血流が阻害される「脊髄梗塞」を発症すると、身体の感覚機能や運動機能が重篤に阻害されます。
現状では、有効な根治治療は存在せず、基本的には症状を緩和する対症療法が主ですが、近年では新たな治療法として再生医療とリハビリの併用が注目されています。
ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、脊髄や神経の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、脊髄梗塞後の後遺症改善が期待できます。

よくあるご質問

脊髄梗塞の後遺症は?
脊髄梗塞の後遺症は、麻痺や筋力低下などの四肢の運動障害、痛みや痺れなどの感覚障害、排尿や排便の調整がうまくできなくなる膀胱直腸障害などが挙げられます。
特に下肢の灼熱感が残りやすいです。

脊髄梗塞は珍しい病気ですか?
脊髄梗塞は脳梗塞や心筋梗塞と比較して、非常に珍しい病気です。
その発症頻度は脳梗塞の1/50〜1/100ほどと言われていますが、一度発症すると重篤な神経障害をきたすため、注意が必要です。

<参照元>
・脊髄梗塞|MSDマニュアル:https://www.msdmanuals.com/
・脳梗塞と脊髄損傷の再生治療|首相官邸ホームページ:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/suisin_dai18/siryou6.pdf
・脊髄梗塞後の両下肢灼熱痛に対し支持的精神療法および多種薬剤併用が有効であった1症例|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc/28/11/28_21-0031/_pdf/-char/ja
・再生医療・リハビリテーションによる身体機能改善の可能性|国立障害者リハビリテーションセンター:http://www.rehab.go.jp/rehanews/japanese/No366/1_2_story.html

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