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運動失調症と手の巧緻性低下:症状とリハビリの重要性

この記事を読んでわかること
小脳の損傷が運動失調症の主な原因であり、これにより筋肉の協調運動が難しくなり、手の巧緻性が低下することがわかる。
運動療法や作業療法、機器の活用、薬物療法、神経の再教育を目的としたリハビリが、症状の改善に効果的であることがわかる。
環境の整備や便利な道具の使用、家族のサポート、精神的なケアなどを取り入れることで、症状を軽減し生活の質を向上できることがわかる。


運動失調症(Ataxia)は小脳やその他の神経系に異常が生じ、筋肉の協調運動が難しくなる症状を指します。
運動失調症は特に手の巧緻性を低下させることで、細かい作業や道具の使用が困難になり、生活の質が大きく損われます。
本記事では、運動失調症に伴う手の巧緻性低下のメカニズム、治療法、リハビリの重要性について解説します。

運動失調症による手の巧緻性低下のメカニズムとは?

運動失調症による手の巧緻性低下のメカニズムとは?
運動失調症とは、筋肉の制御が不十分となるために不器用な動きになってしまう状態のことです。
また、巧緻性(こうちせい)とは、手先や指先を上手に使う能力を指します。
運動失調症の主な原因は、小脳の損傷です。
小脳は筋肉の動きを調整し、滑らかな運動を可能にする役割を担っています。
この機能が損なわれると、次のような症状が起こり、巧緻性が低下してしまいます。

  1. 動作がぎこちなくなる
    運動失調症の特徴的な症状の一つに「ぎこちない動き」が挙げられます。
    手の動作においては、特に細かい動きが困難になります。
    例えば、食べ物を食べる、字を書く、ボタンを留める、物をつまむなどの作業に支障が出ます。
  2. 振戦(震え)
    動作中や静止中に手が震える振戦は、巧緻性低下の原因となります。
    振戦は細かい動作の妨げとなり、動作の正確さを低下させます。
  3. 筋肉の不協調
    小脳の障害により、筋肉が滑らかに動かなくなり、余分な動きや不必要な力が入ることで、手の動作がさらに困難になります。
  4. 感覚と運動のミスマッチ
    小脳が視覚や触覚からの情報を適切に統合できなくなるため、正確な運動指令が出せなくなります。
    この結果、目から入る情報に基づいた精密な作業が困難になります。

こうしたメカニズムにより、手の巧緻性が低下し、日常生活に支障を来します。

運動失調症の治療とリハビリで手の動きを改善する方法

運動失調症の治療とリハビリで手の動きを改善する方法
運動失調症による手の巧緻性低下を改善するには、症状の原因に応じた治療とリハビリが重要です。

  1. 運動療法と作業療法
    運動療法では、反復的な訓練を通じて筋肉の協調を改善します。
    特に、手の巧緻性を高めるために以下のエクササイズが有効です。

    • 指先を使った小物のつまみや転がし運動
    • ペグボードを用いたトレーニング
    • 絵を描いたり、書き取りをする反復練習

    作業療法士などの指導のもとでこうしたリハビリを行うことで、手の動きに必要な筋肉や神経の再教育に役立ちます。

  2. 機器やデバイスの活用
    運動機能をサポートするリハビリ機器も有効です。
    たとえば、バーチャルリアリティ(VR)やロボットデバイスを活用したリハビリは、手の動きをリアルタイムでフィードバックしながら訓練を進められるため、効果的とされています。
  3. 薬物療法
    運動失調症そのものを治療する特効薬はありませんが、症状を緩和するために薬物療法が行われる場合があります。
    振戦や筋肉の緊張を緩和する薬が処方されることがあります。
  4. 再学習を促す神経リハビリ
    神経系は「可塑性」を持っており、適切な刺激を与えることで機能を部分的に取り戻すことが可能です。
    これを促すために、反復的なリハビリテーションや感覚運動訓練が行われます。

運動失調症に対する日常生活の工夫とサポート方法

運動失調症に対する日常生活の工夫
日常生活の中で工夫やサポートを取り入れることは、症状の悪化を防ぎ、生活の質を向上させる助けとなります。

  1. 便利な道具の利用
    • 太い持ち手の食器やペン
    • ボタンの代わりにマジックテープを使用した衣類
    • 握りやすい形状のコップなど

    これらのアイテムは、手の巧緻性が低下していても作業をしやすくします。

  2. 家庭内環境の整備
    • 滑りやすい床を避け、転倒リスクを減らす
    • 頻繁に使う道具を手の届く場所に置く
    • 作業台の高さを適切に調整する

    こうした工夫により、動作の負担を軽減することができます。

  3. 家族や介護者の支援
    周囲の人々の理解と協力が必要です。
    特に、毎日のリハビリを支援し、必要な助けを提供することで、本人のストレス軽減にもつながります。
  4. メンタルケア
    運動失調症は精神的な負担が大きい障害でもあります。
    ストレス管理やカウンセリング、趣味活動を通じて、精神的な健康を保つことも大切です。

まとめ

運動失調症による手の巧緻性低下は、日常生活に大きな影響を与えるものの、適切なリハビリや工夫によって症状の改善が可能です。
運動療法や作業療法を積極的に取り入れるとともに、日常生活でのサポートや工夫を取り入れることで、生活の質を向上させることができます。
医療専門家の指導を受けつつ、継続的に取り組むことが重要です。
運動失調症には、遺伝性や後天性、変性性の3つの主要なグループがあります。
この中でも、後天性のものには脳卒中が原因となる運動失調症があります。
私たちは、「神経障害が治ることを当たり前にする」という理念を基に、これをニューロテック®と定義しました。
さらに、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対し、「狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療」をリニューロ®と呼んでいます。
リニューロ®は、「同時刺激」と「神経再生医療®」を組み合わせた治療法であり、狙った脳や脊髄の回復力を引き出すことを目指しています。
また、その効果をさらに高めるために、骨髄由来の間葉系幹細胞や神経再生リハビリ®との併用が推奨されています。
ご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談くださいね。

よくあるご質問

運動失調を呈する神経変性疾患とは?
代表的な例として、脊髄小脳変性症や多系統萎縮症が挙げられます。
これらは小脳や神経系の異常を伴う、運動失調が主症状となります。
その他にも、多発性硬化症も運動失調の原因となります。

運動失調症の症状の原因は?
運動失調症は、小脳の損傷が主な原因です。
小脳は筋肉の協調運動を司るため、この機能が損なわれると、ぎこちない動きや振戦、筋肉の不協調が生じます。
遺伝性疾患、脳卒中、腫瘍、多発性硬化症、変性疾患、アルコールの乱用、特定の薬剤などが運動失調症を引き起こす可能性があります特定の薬剤も運動失調症を引き起こす可能性があります。

<参照元>
・Ataxia – Symptoms and causes – Mayo Clinic:https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/ataxia/symptoms-causes/syc-20355652
・Naeije G, Rovai A, Pandolfo M, De Tiège X. Hand Dexterity and Pyramidal Dysfunction in Friedreich Ataxia, A Finger Tapping Study. Mov Disord Clin Pract. 2020 Dec 21;8(1):85-91. doi: 10.1002/mdc3.13126. PMID: 33426162; PMCID: PMC7780946.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7780946/
・6.感覚性運動失調に対する リハビリテーションアプローチ.2019.Jpn J Rehabil.56:110-115.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/56/2/56_56.110/_pdf/-char/ja

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